釘さん日記

「すごい!」と唸った日

「いやぁ~、映画って、ほんっとうにいいもんですねっ!」とは、映画評論家の水野晴郎氏の決め台詞。

僕が映画を観て、心底これはスゴイ!と思ったのは、2年前に観た『ALWAYS三丁目の夕日』だった。

もともと僕は、映画を観に行くのが好きなほうの人間なのだが、同じ映画を複数回観るということは殆どなかった。

が、『ALWAYS~』は、人生の中でほぼ初めて、複数回(DVD含めると10回ほど?)観尽くした映画だった。

“ほぼ”と書いたのは、実は高校生のとき、 『さらば宇宙戦艦ヤマト』を同じ日に立て続けに2回(当時、田舎の映画館は入れ替え制ではなかった)、その後、録音を目的にして(今なら犯罪行為だが)、1回、計3回観たことがあったからだである。

 

ALWAYSを観てからというもの、さらに映画が好きになった。話題作はできるだけ観てみようと思うようになった。

この日記でも、よく映画の感想を書いたりしているが、ALWAYS後のことだと思う。

映画を頻繁に観に行くようになったのは、昨年、歩いて20分少々のところ(豊洲)に、シネコンが出来たのも大きな原因となっている。新しくキレイなシネコンなのに、いつでも並ぶことなく座れる。封切り直後の映画でも、座れなかったという経験がない。「いつでも座れる」というのは、経営的にはマズイのかもしれないが、個人的には大感謝だ。

 

そんななか、この豊洲のシネコンで、前からずっと気になっていた映画を、本日やっと観た。約1年前に話題になっていた『それでもボクはやってない』 (周防正行監督)だ。

“2007年心に残った映画アンコール上映” ということで、1週間限定で上映されていたのだ。

観終わった後、いや鑑賞している最中から、 「こりゃあ、すごい!たいへんな映画だ」  と思った。一年前の周囲の評判もあり、それなりにスゴイ映画だろうという期待はあったのだが、その期待を遥かに上回る映画だった。

ALWAYが僕の人生の中で“最大の感動”の映画だとすれば、きょうの『それでもボクはやってない』は、 “最大の感心・敬服” の映画だろう。脚本も、演出も、テーマも、訴えたいメッセージも、俳優陣の演技にも、すべてに感心・敬服させられた。

二時間半という長い映画であったにもかかわらず、まったく長さを感じさせなかった。スクリーンに吸い込まれていく自分を感じた。周囲の観客も同じだ。エンドロールが流れ出したのに、誰一人として、ぴくりともしない。

ここではこれ以上の感想や評論は書かない。僕のような素人が感想を書くと、なんだか映画が安っぽくなってしまいそうだ。

ただひとこと。

「いやぁ~、映画って、ほんっとうにいいもんですねっ!」

気がつけば、この土、日、月の3日間。毎日、映画館に通ってしまっていた。

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