いまから丸二年前のことだ。むちゃくちゃアツい奴(当時大学4年生)と出会った。いや、アツいというより、「暑苦しい」と形容したほうが的を射た表現だ。
すでに就職活動を終えていた彼は、パフの企業向けセミナーに、学生パネリストとして協力をしてくれていた。名前をノブという。
ノブは、このセミナーのあとの情報交換会のとき、協賛企業のM社のYさんとすっかり意気投合。兄弟の杯を交わしたという。
実は僕はこのセミナー当日、頚椎を痛めてしまい救急病院に行っていた(自力で起き上がれないほど酷かった)。
なので、ノブとは会えてなかったのだが、後日パフ・ヨシカワが、「クギサキさん、ノブにぜひいちど会ってください。お願いします。クギサキさんは絶対会うべきです」と、珍しく僕に熱く迫ってきた。
ヨシカワがそこまで推すような男とはどんな奴だろう…と興味をもち、後日会ってみることにした。
なあるほど。こりゃヨシカワが「絶対会え!」と迫ってくるのも頷ける。まさに、世の中に変革をもたらすために生まれてきたような奴だった。
パフの事務所の目の前にある寿司屋に連れて行き、2時間ほど語り合った。暑苦しいほどにアツい彼の言葉と眼差しを、今でもよく覚えている。
その翌年、ノブは某総合商社に入社。本社のある名古屋に行ってしまった。その後ノブとのやりとりは年に数回のメールだけ。頻度は少ないが、送られてくるメールは、「うわっ、こいつ相変わらず暑苦しい!」とのけ反ってしまうような内容ばかりだった。
そして本日、研修で東京に出てきたノブと再会することになった。実に2年ぶりである。ノブの義兄弟であるM社のYさんと三人で、「浅草でアツく語り合おう!」ということになったのだ。
どうせならということで、僕をノブに強制的に会わせたパフ・ヨシカワ。新入社員当時、Yさんに厳しい指導を受けていたパフ・タカタ。1,2ヵ月前、ノブと偶然出会っていたパフ内定者・ツチダも誘うことになった。
そしてノブも急きょ、同僚のU君を連れてきていた。もうひとり。現大学3年生で就職活動を始める実弟のK君も連れてきていた。
合計8人の大会合である。M社のYさんも、ノブに負けないくらい暑苦しいのだが、ノブが連れてきたUさんも暑苦しかった(ノブとはタイプの違うアツさなのだが、これがまたいい!)。
この暑苦しい連中の矛先は、まだまだ暑苦しくなりきれない内定者・ツチダやノブ弟・K君に向い、 「働くとは?」「仕事とは?」「一流と二流の違いは?」「プロとは?」「生きるとは?」などなどの議論(というか説教?)を戦わせることになった。
ノブの同僚のU君が僕に質問してきた。 「20代のうちにやっておくべきことは何ですか?」と。
僕は、 「なんでもいいから、でっかいビジネスの仕掛けを作って、大失敗しろ。そして、その失敗の責任をとって辞表を出せ」と答えた。むちゃくちゃである。
さらに続く。
「辞表を出したら、そのあとパフに来い。中途で採用するから…」
さらに続く。
「ただし、もしその辞表がすんなり受理されるようだったら、こなくってもいいや」。むちゃくちゃを通り越している。
つまり、 「たとえ大失敗をしでかしたとしても、辞めてもらっては困るくらいの人材になれよ!」ということを言いたかったのである。
まあ、皆こんなことを好き勝手に延々と語り続けた暑苦しい会合だったのであるが、実に愉しかった。
#ちなみに、ノブには、2010年9月30日付で、パフから採用通知を出すことにした。U君には2009年9月30日付ということにした。1年ずらしたのは、二人同時の流出だと、現在の勤務先の総合商社が大打撃を受けると思ったからだ。この心配り、我ながらニクイ(苦笑)。
ノブとU君、この日記みてるかな? 今度会うときは、履歴書持参してね♪