実際には昨日のテレビで知った。リーマンブラザーズの経営破たんのニュースである。
びっくりした。
てっきり米国政府が救済するものと思っていた。あるいはバンカメが買収するものと思っていた。
負債総額64兆円だという。
日本の国家予算が80兆円程度なので、なんとその80%にものぼる巨額のお金が、一夜にしてぶっとんだ。
アメリカ政府は、公的資金の注入は一切考えていなかったとのこと。それは、日本の(どうしようもない)金融機関への救済策を見ており、その轍は自分たちは踏めないと判断したからだという。つまり日本の政策を、反面教師として捉えていたらしい。
この判断の適否はともかくとして……。それにしても64兆円の負債というのは大きすぎる。想像の範囲を超えている。どれだけの影響が今後広がっていくのだろうか。邦銀だけでも最低、数千億円の焦げ付きは間違いなさそうだ。
本日たまたま打ち合わせに来ていた若手の銀行員に、「今回のリーマン破たんの件、上司はなんて言ってるの?」と聞いてみた。
すると、「『これからどうなるんだろうね……』って言ってました」との答え。
#なんじゃ?その素人みたいな上司のコメントは……(苦笑)。
一説によると、邦銀が所有するリーマンがらみの債権は、新聞やテレビで報道されているものよりも、遥かに高額になるらしい。
こりゃまた困ったものだ。メガバンクの経営陣は皆いまごろ、冷汗と脂汗を流しているのではないかな。
そして悪いことに、そのお鉢は、間違いなく弱者である中小企業に及んできそうなのだ。
「銀行は安定しているから就職先として選びました」と言っている学生諸君は、そろそろその浅はかな考えを改めたほうがいいかもしれないぞ。
ともあれ、僕らはこの巨大な金融システムに対して、直接何かを働きかけるということはできない。
我々にできることは、目の前の(虚業ではない)仕事に真摯に取り組み、関係する周囲の会社や人々に、価値を提供していくことだけである。