ここしばらく映画を観にいっていなかった。
きょうも特に予定していたわけではなかったのだが、カミさんと娘が観に行くというので、ついていくことにした。
観たのは『容疑者Xの献身』。そう、テレビドラマ『ガリレオ』の映画化だ。
僕は、テレビドラマは一回も観たことがなかったのだが、それでもずいぶんと楽しめた。面白い映画だったと思う。
主人公の天才物理学者・福山雅治の大学時代の親友で、天才的数学者を、堤真一が演じていた。
堤真一といえば、『Always三丁目の夕日』の鈴木オートである。そして最近では、さまざまな映画、舞台、ドラマで大活躍の俳優だ。
今回も、なかなかの好演だった。
考えてみたら、俳優っていうのは凄い仕事だ。いや羨ましい仕事だ。
さまざまな役柄を演じ、さまざまな人格になってしまうのだ。ジキル&ハイドどころではない。たったひとりで、何十人もの人格を、演じ分けているのだ。
今回の堤真一は、鈴木オートでありながらも、天才数学者なのである。天才数学者を演じる堤真一には、(あたりまえかもしれないが)鈴木オートの面影は一切見当たらない。
ところで、この映画、実に切ない。
堤真一も切ないのだが、松雪泰子の切ない演技がとてもイケてる。
あんな美人が、貧乏で薄幸な役を演じると、逆にリアリティがある。
トリックも「なるほど、うまい!」と、唸らせる内容だった。
観に行っても損にはならない映画だと思う。