先日の日曜日の話だ。
イトーとムラカミの披露宴が終わって、二次会が始まるまでのあいだ、時間つぶしも兼ねて、会場から程近いところにある神社(平河天満宮)にお参りに行った。
江戸城を築城したことで有名な室町時代の武将、太田道灌が、菅原道真が夢枕に現れたことをきっかけに建立した神社らしい。
学問の神様を祀った神社なので、娘の学力向上と従業員の経済知力向上(?)を願って、100円の賽銭を投じて深々と頭を下げた。
お参りのあと、境内をぶらぶらしていたら、絵馬がたくさん奉納された絵馬掛けを見つけた。天満宮だけあって、そのほとんどが「○○大学に合格しますように」や「○○試験に合格しますように」という願い事だった。
そんな入試や資格試験の合格祈願の絵馬がたくさんあるなかで、異彩を放っている絵馬がひとつあった。
その絵馬は、小さな子どもが一生懸命に書いたであろう、たどたどしい文字で埋められていた。
上の写真が、その絵馬だ。願い事のあとには、姉弟と思われるふたりの名前が書かれていた(名前の部分はマスクしてあります)。
パパのしごとがせいこうしますように
パパとはやくあえますように
不覚にも涙がこぼれてきた。
字の感じからして、まだ小学校に上がるかどうかの子供たちだろう。
きっと、この子たちのお父さんは、単身赴任で遠くに離れており、難しい仕事に従事しているのであろう。ずっと会えていないのなら、ひょっとすると海外にいるのかもしれない。
「あえますように」という願いよりも先に、「パパのしごとがせいこうしますように」と書いてあることに泣かされる。
僕も、娘がまだ幼稚園児だったときに起業したため、娘にはずいぶん寂しく辛い思いをさせたことを、いまでも切なく思っている。しかし、この絵馬を書いた子たちのように、長い時間「あえない」ということはなかった。
この絵馬を書いた子たちは、さぞかし寂しい思いをしているんだろう。でも、そんな寂しさを我慢しながら、「パパのしごとがせいこうしますように」と、一生懸命、大きな字で書いたのだろう。そして、この絵馬を書いているこの子たちの後ろには、きっと、この子たちのお母さんが、優しく見守っていたのであろう。
そんな情景が、さーっと浮かんできた。
うーん。感動である。この絵馬を題材にして、演劇の台本や唄の歌詞が書けそうな気がする。
テレビや映画を観るまでもなく、僕らのまわりには、こういうドラマがたくさんあるんだよな。
このたったひとつの絵馬のおかげで、なんだかとても優しい気持ちになれた気がする。
「はやくパパにあえるといいね♪」