釘さん日記

松下幸之助に学ぶ日

最近、移動時間などを利用して、ちまちまと読んでいる本がある。松下幸之助のエピソードを集めた新書である。

ひとつのエピソードが長くても2ページくらいでまとめられているので、仕事中の数分の移動であってもすっきり読めるのがいい。

きょう読んだ一節に、「一人も解雇したらあかん」という話があった。

時代は、世界恐慌の吹き荒れた昭和初期。

急成長中だった松下電器(現パナソニック)も、販売量が急減。在庫が膨れ上がっていた。

経営幹部は、「この危機を乗り切るには従業員を半分にするしかない」と、従業員の解雇を提案した。

が、松下幸之助は、経営幹部らにこう言った。

「なあ、わしはこう思うんや。松下がきょう終わるんであれば、きみらの言うてるとおり従業員を解雇してもええ。けど、わしは将来、松下電器をさらに大きくしようと思うとる。だから、一人といえども解雇したらあかん。会社の都合で人を採用したり解雇したりでは、働く者も不安を覚えるやろ。大をなそうとする松下としては、それは耐えられんことや。みんなの力で立て直すんや」

松下幸之助は、その後、工場の生産量を半減し、工場での勤務を半日にした。しかし、従業員には全額の給料を払った上で、在庫品の販売に全力をあげてもらった という。

従業員は幸之助の決断に奮い立ち、休日返上で、がむしゃらに働いた。そしてその努力の結果、三ヶ月後には在庫一掃。従業員の結束力はさらに高まり、業績の急回復に向かったという。

松下幸之助がまだ30代のころの話である。

世界恐慌以来の大不況と言われるいまの時代。解雇に踏み切る多くの企業を、松下幸之助はどのような気持ちで眺めているのだろうか。

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