僕の好きな昭和30年代を描いたドラマが始まった。
城山三郎の同名小説のドラマ化なのだが、なかなか見応えがある。テレビドラマなので、いろんな制約はあるのだろうが、時代の空気をよく表現できているのではないかと思う。
CGを使っているのだろうが、セットやロケにも、かなり力が入っているようだ。昭和30年代の風景や街並みを見事に再現している。テレビドラマとしては異例なのではないかな。
主役の佐藤浩市が演じる通産省の官僚のセリフに胸が熱くなった。アメリカ人に、国産車を「まるで玩具だ」とバカにされた直後のセリフである。
「俺が日本を、アメリカより豊かな国にしてみせる!!」
この志。不屈の精神。国を思う気持ち。いいよなあ。
立場やキャラはぜんぜん違うけど、僕の大好きな映画「AlWAYS三丁目の夕日」に登場する、鈴木オートの社長と重なってしまう。 「今は小さな修理工だけどな、海外進出だって夢じゃない。でっかいビルジングだって建てられると思ってる」。こんなことを恥ずかしげもなく言えた時代であり、実現した人たちがたくさんいた時代である。
国民全体がハングリーで、追いかける目標が明確だったこの時代。お金はなかったけど、「こうなりたい、こうありたい」という高い志にあふれていた。
翻って現代。
物質的には豊かだけど、心が貧しく、精神力が弱くなってしまった。
我々が追いかけるべき目標は何なのか。国民の真の豊かさとは何なのか。真面目に考えなければならないと時代なんだと思う。
いまの政治家や官僚や経営者たちは、もっと単純に、昭和の時代を熱く生きたリーダーたちの生き様を見習っていいのかもしれない。