釘さん日記

「理念に対する投資」だと聞いて、感動した日

名古屋から岐阜方面に向かうJRに乗って15分ほどのところにある、「稲沢(いなざわ)」という駅で降りた。

改札を出ると、30代半ばの爽やかな男性の方が、笑顔で僕を出迎えてくださった。お名前をKさんと仰る。個人では僕に次ぐ二番目の大株主の方だ。

株主名簿上ではおなじみのKさんなのだが、お会いするのは、きょうが初めてだった。

実はKさんから2週間ほど前に、丁寧なお手紙を頂戴したのだった。

「簡単な自己紹介」というタイトルなのに、とても詳しくご自身のプロフィールを書いてくださっていた。

その自己紹介の中に、「モットー:縁を大切に。心あたたかく。(お会いできたら大変うれしく思います)」と書かれていた。さらにお手紙の文中には、「御社の理念に共感しております。」という言葉が書かれていた。

嬉しくてたまらなくなり、本日の訪問とあいなったわけだ。

このKさん。この地で50年以上の長きにわたって産業界に貢献している某メーカーの常務取締役でもある。

そのことも先日お手紙を頂戴して初めて知ったわけなのだが、本日はKさんに工場見学をさせていただき、現場で働く職人の皆さんの様子も拝見させていただいた。

(工場の中は見せられないので、周囲の風景だけ写真にアップします)

静かな自然に囲まれた工場なのである。

働いている方々の年齢層も広い。

中学を卒業してすぐ、集団就職でこの会社で働き始め、今年で50年が経過するという、熟練の職人さんがいらっしゃるかと思えば、フィリピンから3年の期限で働きにきている若者もいた。

皆、「家族」といった雰囲気で、和気あいあいと、かつ、イキイキとした表情で仕事をされていた。

昭和の雰囲気がぷんぷんと漂う、そんな心地よい空間だった。

 

工場見学が終わり、パフのまじめな現状報告の話も終え、Kさんのご案内で名古屋市内の有名なお店で食事をすることになった。

名古屋コーチン料理の「鳥銀風月」というお店だ。とても上品で優雅なお店だった。

会席料理を食べながら、お互いの情報交換をじっくりとさせていただいた。

なかでも感銘を受けたのがKさんの株式投資のポリシーの話。

Kさんは高校生時代から株式投資を趣味として行っているという。投資歴18年にも及ぶ、経験豊富なプロである。

そのKさんが投資をする会社は、3種類あるそうだ。

一つ目は、投資に対する「リターンが期待できる会社」。これは老後の蓄えにすべく、自分自身が定めた投資基準に沿って銘柄を吟味するのだそうだ。

二つ目は、言うなれば「カジノ」。趣味の一環として、遊び感覚で行っているのだそうだ。

三つ目は、「理念がしっかりしており自分自身が共感できる会社」。自分の価値観とぴったり合って、思わず応援したくなるような会社には、すぐの見返りなど期待せずに投資を行うのだという。

おかげさまでパフは、三つ目の基準に適い、見事Kさんの投資対象として選ばれたわけだ。

それにしても、 「“理念”で投資先企業を選ぶ」と言いきるKさんは、スゴイ。

食事の最後のほうでは、パフに対して心温まる応援の言葉の数々を頂戴した。

 

最近、株主の皆さんと面談するたびに、自分の使命に気づかされる。

Kさんと別れた後、本日のお礼のメールをKさんにお出ししたのだが、次のような文章を無意識に書いていた。

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経済や雇用環境は厳しい状況がまだしばらくは続くのでしょう

が、私はこの「パフ」という会社を、世の中に誇れる価値ある

会社に育て上げていくことを、私の残りの人生の大きな使命と

していきたいと思います。

本日は、そのための大きな勇気を○(K)さんからいただけたよう

な気がします。

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メールに書いた内容は、いまの僕の偽らざる心境である。

このような温かい株主の皆さんに支えられているパフは幸せな会社である。この幸せに甘えたりすることのないよう、いつの日かきちんと恩返しできるような会社にしていきたいと思った日だった。

Kさん。あらためて本日は、どうもありがとうございました。本当にうれしかったです!!

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