それにしても楽天らしいやり方をしたものだ。
野村監督の解任のことだ。
「楽天らしい」というのは、もちろん皮肉の表現だ。
確かに高齢だし、花道を飾る意味でも、クライマックスシリーズ進出を決めた今年が、ちょうどいい引き際であったと思う。
しかし、辞めてもらうための段取りと、言い出すタイミングっていうものがある。
「通告する」という形式ではなく、「相談する」という形式はとれなかったのか。
多大なる貢献をしてきた名将に、最大限の感謝と敬意を示すべきではなかったのか。
「名誉監督」や「永久欠番」なんて見え透いた餌を与えても、神経を逆なでするようなものだ。そんな人間の心が分からないとは、楽天球団社長もその程度の人物だったのか……。
あるいは、そんな人間の気持ちなんて構ってらんないというのが、楽天という会社の社風、文化、考え方といったものなのだろうか。
夜のスポーツテレビで野村監督がボヤいているのを見て、同情してしまった。
それでもまあ、野村監督もプロであるならば、ここはぐっと我慢して、クライマックスシリーズでは最高の試合を見せて欲しいものだ。
願わくば勝ち上がって、日本一になって、最高の花道を自らの手で演出してほしい。
それが「野村克也らしさ」のように思う。