映画「ALWAYS三丁目の夕日」では、昭和33年の鈴木一平君(当時小学4年生)の家に、白黒テレビや冷蔵庫がやってくるシーンが描かれていた。僕の子供のころの思い出と重なりあう、とても懐かしく大好きなシーンだ。
僕がもの心ついた時(4歳くらい)、すでに我が家には白黒テレビはあった。でも、貧乏だった我が家が初めて冷蔵庫を買ったのは、僕が小学校3年生のころ。そして白黒テレビからカラーテレビに買い替えたのは、小学校4年生のころ。洗濯機と電話が導入されたのは、なんと僕が中学に入ってからだった。
そのときどきのことは、いまでもよく覚えている。感動と興奮だった。冷蔵庫が来たときは、嬉しくて氷を何度も作っては食べた。カラーテレビは、崇め奉るべき神聖なるものだった。電話では、目的もなく、時報(117)や天気予報(177)を聞きまくった(親にバレて叱られまくった)。
子供にとって新品の電化製品というのは、かくも大きな存在だったのだ。
そして本日。あれから40年近く経って独立した生計を営む僕のところに、新しい電化製品がやってきた。全自動洗濯機である。
もちろん今までも洗濯機はあったのだが、それが壊れてしまって、急きょ新しい洗濯機を今朝、有楽町のビックカメラで買った。これを即日配送で、夕方すぐに届けてもらったのだ。
配送と据え付けを担当するお兄ちゃんが二人で、洗濯機を運んできた。手際良く据え付けて試運転を行うお兄ちゃんの姿を眺めていたら、上記のような、40年前の僕の子供のころを思い出したというわけだ。
やっぱり何歳になっても、新しい電化製品が我が家にやってくるというのは嬉しい。感動する。ウキウキする。
でも最近の子供たちって、新しい電化製品が家にやってきたときに感動したりするんだろうか……。
こういう素朴なことに感動したり、喜んだり、感謝したりする気持ちを、これからの時代は、もういちど育まなきゃいけないような気がする。