午前中、金沢の同業者、人材情報センターの夏至社長が来社。しばし情報交換したのだが、厳しい状況でありながらも、前向きな夏至社長の姿勢に感動。僕よりも5歳年上の夏至さんがガンバっている限りは、僕もガンバんなきゃと素直に思えてくる。
午後いちばんでタシロといっしょに、今年から新しく協賛企業に加わっていただいた新宿のJ社を訪ねる。J社の人事部長と担当の方々に、あらためてのご挨拶をするためだ。
きょうはこのJ社に訪問して感じたこと、というか、商売の原点として忘れてはならないことを書いておこうと思う。
J社は、二部上場の中堅どころのIT企業。今年から同社の新卒採用のほぼすべての部分をパフがお手伝いすることになった。
J社とパフとの接点は、もう3年以上も昔に遡る。
僕もその事実を把握していなかったのだが、タシロは地道にJ社に通い続けていた。すぐの受注に結び付かなくとも、J社のより良い採用のための提案や情報提供を欠かすことがなかった。この間、先方の担当者や責任者が交代になっているのだが、その情報も逃さずにいたし、前任の担当者も、パフのことを後任にきちんと引き継いでくれていた。パフが行っているセミナーにご招待したり、学生向けのイベントも見学していただいたりしていた。そして今年、それらのことが実って、大きな取引に繋がったのである。
これは営業としてとても大事なことである。基本であり当たり前のことなのであるが、なかなかできている営業担当者は少ない。自分の都合のいいとき(受注を獲得したいとき。パフのようなビジネスモデルであれば、採用計画を立案するとき)だけ、客先に足繁く通うものの、そこで受注できなければ(受注できた場合でも小額な取引だと)、一年間ほったらかしといったケースが、まま見受けられる。そんなことじゃあ顧客との信頼関係なんて、生れっこないのだ。
僕らが若いころは、取引まで少し時間がかかりそうな見込み客に対しては、最低でも一ケ月に一回は電話をかけたものだ。売り込みではない。“ハッピーコール”と呼んでいたのだが、「最近○○さん、なんかいいことありましたか?こちらではこんないいことがありました。じゃ、また!」という、ただそれだけの電話である。1社30秒もかからない。これをずーっと毎月毎月、繰り返す。すると、「最近ちょっと○○の件で困っててさぁ。クギサキさんの会社でなんとかならない?」なんていう相談ごとが先方から出てくる。「わかりました!すぐ伺います」となる。こっちは売り込みなんてしなくても、もう翌日にはスピーディーに商談が成立している。もちろん前提として、その顧客のことを徹底的に勉強して知り尽くしていなければ、よい提案などできないし、そもそも困りごとの相談に対して的確な回答ができないのだが。
今回タシロが、J社から大きな取引をいただいたのも、まさにこういうことが出来ていたからに他ならない。
いつかきっと芽が出て徐々に成長し、そして最後には大きな花が咲く。そう信じて、毎日毎日、地道に水を遣り続けること。愛をもって水を遣り続けること。それが大事なのだ。