12月第二週目のスタートである。
といっても、昨日もイベントだったので、週の初めという雰囲気でもないのだが……。
きょうは、「人材の採用」の根本的な考え方、姿勢に関する部分での話を、三社の方々と立て続けに行った日だった。
まずは午前中に1社。パフが昨年より全面的なお手伝いをさせてもらっているS社での採用会議。
社長、総務部長、営業部長、採用担当者といった方々と、それぞれの立場からの意見交換を行った。社長にお会いするのは二度目なのだが、以前にも増して、新卒採用への理解と意欲が高まっていた。この会社の採用はきっとうまくいくと確信する。採用担当者の皆さんも、今後とても仕事を進めやすくなったことと思う。
午後に1社。僕がパフを立ち上げる前からお付き合いのあるY社の採用責任者Kさんと、久々の1対1での面談。
Y社は、(中途採用も合わせると)年間数百名の採用を行う、(この不況下においては特に)採用業界にとっても求職者にとっても、貴重な会社だ。
僕がKさんと最初に知り合ったのは、もう15年ほど前に遡る。僕もKさんも、まだ34歳の頃だった(Kさんと僕は同い年なのだ)。
話をしていて気付いたのだが、1対1で話をするのはパフの創業時以来かもしれない。パフを創って社員を営業担当につけてからは、僕が同席することはあったにしても、二人だけで会話をすることが殆どなかった。
そんなわけで本日は、原点に戻っての人材論を、じっくり一時間以上に渡って交わした。とても有意義な時間だった。僕とKさんの人材に対する思いや価値観は、ぴったり一致している。きっと来年からは、あらためての深いお付き合いが復活することになるだろう。
そして夜。締めくくりは、人材関連ビジネス某大手企業の役員(こちらもKさん)である。
盛り上がったのは、企業の採用基準についての話。
ちょっとだけ内容を披露しようかな……。
多くの企業(特に応募者が殺到する有名人気企業)は、基礎能力に関わる採用基準を明確に持っている。たとえばSPIという検査で言うならば、「言語能力は最低65点で、非言語能力は最低60点を合格ラインとする」といったものである。
基礎能力について、企業がこういう基準を設けるのは至極当然のことである。基礎能力が高いことが仕事のできる十分条件ではないが、多くの場合、必要条件のひとつではあるのだ。
パフのような小さな会社の場合でも、(基礎能力はやっぱりSPIを使っているのだが)言語、非言語ともに55点をおおよその合格ラインとしている。
問題は、多くの企業の場合、この合格基準を公表しようとしないこと。
抽象的な「求める人物像」や、読んでいるかどうか疑わしい(読んでいたとしても判定基準が主観に陥りやすい)「エントリーシート」よりも、よっぽど公平で納得性の高い基準であるにもかかわらず、公表しようとしないのだ。
「うちの会社はSPIで○○点以上取れない人は採用できないので諦めてください」と言ってあげることで、企業も無駄に母集団を大きくしなくて済むわけだし、学生も受かりもしない企業に幻想的な憧れを抱かなくて済む。
「就職人気企業ランキング」なんていう意味のない順位や、「能力検査で足きりするなんて!」などという見当違いの批判なんか、気にする必要などないと思うのだが……。
まあ語り始めれば切りがないのだが、とにかく就職と採用の現状には、とってもおかしな「常識」が蔓延(はびこ)っているのだ。
変えていく力のある人たち(お客様や同業の方々)と議論・協調しながら、この「常識」を、少しずつでも崩していきたいものだ。
あれ?なんだか文句を言っただけの日記になってしまったかな(反省と苦笑…)。