私ごとだが(そもそも日記なので、書いていることのほとんどは私ごとなのだが)、明後日より九州の実家(母親が一人暮らしをしている湯布院)に家族を連れて帰省する。いままでも年に1、2回、福岡出張のついでに湯布院を経由することはあったのだが、帰省することだけを目的に湯布院に帰るのはとても珍しいことだ。しかも家族を連れていくのは、実は娘が生まれて以来初めてのことなのだ。
母親は今年で87歳と、かなりの高齢である。お世話になっている介護士の方や事務所の方々にもご挨拶をせねばならない。
母親とは週に一回は電話で話をするのだが、耳が限りなく遠くなっているため、こちらが話すことの1割も伝わらない。しかし、今週帰省することだけはなんとか伝わっている。で、その際、土産として買って来いとねだられたものがある。
なんと昭和10年~20年代の歌謡曲の「カセットテープ」である。CDでは駄目なのだ。あくまでカセットテープなのだ。「いまどきカセットテープなんて売ってるところは少ないし、CDプレーヤーもいっしょに買っていくからCDにしよう」と言っても頑として受け付けない。カセットじゃないと駄目らしいのだ。単にCDのことを知らないだけなのだと思うが、言いだしたら聞かないので仕方ない。
昭和10年代~20年代の歌謡曲を収録したカセットテープ。
そんなの売ってるところあるの? と、思う人も多いだろうが、そこは花の都、東京・銀座。ちゃんとあるのだ。
昭和の雰囲気をぷんぷん漂わせたレコード屋さん。築地方面からだと三原橋の交差点を渡って、三越に行く途中の道の右側にある。
実は母親からの懐メロテープのオーダーは過去にも何度かあり、その都度、この店で買っていたのだ。
本日、外出のついでに立ち寄った。あれこれ懐メロのカセットテープがずらっと並んでいる。前回は確か、美空ひばりを買っていったと記憶している。
今回は何にしようか、ちょっと悩んだ。
そして決めた。
2本購入した。
藤山一郎全曲集と渡辺はま子全曲集である。まさに昭和初期から昭和20年代を飾る国民的歌手である。うちの母親が10代から20代のころ(そんな頃があったとは信じられないが)の流行歌手。暗い時代を明るく照らしてくれたスターなのである。
きっといまの若い人たちでも、「支那の夜」(渡辺はま子)や、「青い山脈」(藤山一郎)くらいは知っているんじゃないかな。
僕が子供のころの懐メロのテレビ番組には、必ず、この二人が登場していた。リアルタイムではないものの、僕にとっても懐かしい歌手だ。
二本合わせて約5千円。希少価値なのか、CDよりも高い値付けだ。
早速、家に帰って試聴しようと思ったのだが、家にはカセットテープレコーダーが無いことに気がついた。あちゃー。