昨日の日記で書き忘れたことがある。
一昨日の大学での公開模擬面接でのこと。
ステージ上で面接される学生役を買って出た赤羽さん(仮名)。彼女は歌手になろうと思い、学生時代は日々レッスンを頑張っていたのだが、このたび歌手の道を諦めて就職する道を選んだ。赤羽さんはそのことを面接のやり取りのなかで明らかにしてくれたわけだが、僕は脇でそれを聞いていて懐かしい記憶がよみがえってきた。
僕もその昔、大学進学をせずにシンガーソングライターの道を目指そうと思っていた時期がある。でもそれは大学受験から逃げていただけだと自覚。結局、浪人生活を経て大学に入ることにしたわけなのだけど。
とはいえ、(プロの実力とは程遠いのだけれど)シンガーソングライターになりたいという気持ちだけは大事にしながら大学生活を過ごし、社会人生活を過ごしていた。
で、その結果、いまから5年前に歌手デビューを果たすことができた。八重洲のホールで80人のお客さんを集めて歌ったっていうだけの“なんちゃって歌手”なんだけど(笑)。
以来、MSPというオヤジバンドを結成したり、新潟で自分の50歳を祝うための迷惑ライブを開催したり。まあ、かつて憧れたシンガーソングライターとはずいぶん違うが、それでも夢を諦めずに良かったと思っている。
で、僕が高校生のときからずっと憧れていたシンガーソングライターが小椋佳。彼の本業は第一勧業銀行(現在のみずほ銀行)の銀行員。忙しい銀行員であるにもかかわらず、数多くのヒット曲を生み出していた。布施明の「シクラメンのかほり」、中村雅俊の「俺たちの旅」、美空ひばりの「愛燦々」、堀内孝雄(アリスのべーやん)の「愛しき日々」なども小椋佳の作品だ。
銀行員とシンガーソングライターとの二足の草鞋を立派に履き続けた小椋佳のことを、僕はずっとリスペクトしてきた。進学や就職をしたからといって歌手になる夢を諦める必要はないんだという希望を、小椋佳からもらってきた。
で、一昨日、そのことを会場の150人に向けて話したのだが、学生の反応はシーン……。
誰一人として小椋佳のことを知らなかったのだ。
釘さん大ショック。
僕らの若い頃の話は(自分にとってはあたりまえでも)もはや通じないんだよね。アリスも吉田拓郎も井上陽水も南こうせつも伊勢正三も、もはや通じないんだろうなあ……。
と、何の落としどころもない話で失礼しました(笑)。
では本日は小椋佳でも聴きながら、ウォーキングで行ってきます!