昨夜は、ウルトラインターンシップ100×10チャレンジのホームルーム火曜日(谷口)クラス。いよいよ実践的な指導が始まった。多くの学生の目つきも真剣になってきている一方で、戸惑ったり不安な表情を浮かべる学生もいたり。「易きに流れるんじゃないぞ!負けるんじゃないぞ!」と、あらためてエールを送りたい。
ところで昨夜はホームルームに引き続き、『プロフェッショナル出前講座 業界横断研究編』が開講された。
この講座は6回のシリーズもの。
という内容で、専門の講師(経済紙の元記者)を招聘して講義を行なう。
昨夜はその第一回目。テーマは、【人気企業ランキングの虚実】というもの。
大手就職情報会社が毎年発表している「就職人気企業ランキング」が必ずしも企業の実力を反映したものではないことを、僕ら業界の人間ならば皆よく知っている。
が、ついつい学生は「ランキング上位の企業=良い会社」だと勘違いしてしまう。
他にも企業を評価するランキングはいくつもある。たとえば「時価総額ランキング」なんていうのもある。これはまさに企業価値=企業の値段のランキングということになる。時価総額は株価×発行株式数で計算されるわけだが、これとても投資家の思惑で大きく変動するため、企業の実力をすべて反映したものだとはいえない。
たとえばバブル全盛期(1990年)には時価総額ランキングに7行もの銀行がベストテン入りしている。そしてその7行の銀行は今はもう存在しない(現在は合併&整理統合が行われ3行になっている)。
さほどに企業のランキングというのは時代とともに移ろいやすいものなのだ。
で、きょうの日記タイトル。「なんじゃろか?」と訝しく感じた人も多いだろう。
日本には「会社」として登記されている組織は300万社以上存在している。そのうち東証一部上場企業は約1,800社。世の中に存在する会社の0.1%にも満たないのだ。
昨日の講座の中で、「ところで『東証一部上場企業』って聞くと、どんなイメージを持ちますか?」と、講師が学生に質問を振った。
すると学生は、「事業全体の一部しか上場することのできなかった会社…ですか?」と、答えた。
講師は、「ほほう~」という少し驚いた表情をしながら、別の学生に、「キミはどんなイメージを持ちますか?」と訊ねると、「僕も同じく、一部だけしか評価されていない会社だと思います」との返答。
僕は後ろで聞いていて、軽い衝撃を受けた。
そうか……。そうなのだ。
僕らにとっての当たり前は、学生にとっては当たり前ではないのだ。
僕も学生時代は(少なくとも大学1~2年生のころは)、「株式会社」の意味や仕組みさえも分かっていなかった(経済学部生だったのに!)。大学3年生のときのアルバイトで、法人向け営業を経験することになって初めて「株式上場」の意味を知った。でも、ほとんどの学生は「東証一部上場」というものが何なのか分からないまま就職活動を行なっていた。
そうすると滑稽に思えてくるのが、よく就職ナビで見かける、「○×□△株式会社(東証一部上場企業)」という表記。
広告主の企業は、「うちは東証一部に上場するだけのスゴイ会社なんだぞ。どうだまいったか、エッヘン!」という気分で載せているのだろうが、肝心の読み手の学生には、「なんだ、一部だけしか評価されていない、しょぼい会社なのか…」と受け止められてしまっている(恐れがある)ということだ。今風に言えば「痛い会社」ということになる。
「いまどきの学生はそんなことも知らないのか!」と嘆く人もいるかもしれないが、僕だって(さっき書いたように)21歳のころは、株式のこととか上場のことなど分かっていなかった。能力の高低とは別の話で、昔から学生の知識とはその程度のものなのだ。
問題は、社会人たちが、自分たちが常識だと思って使っている言葉や知識が、実は学生にとっては常識なんかじゃない…ということを知らない、という事実だ。
だから新卒採用の場面では、会社説明会での話が一方的になったり、業界や企業のことを理解してもらえなかったり、その結果、志望意欲を醸成させられなかったりするわけだ。
とりあえずは、就職ナビで「○×□△株式会社(東証一部上場企業)」と表記するのは、やめたほうがよさそうですぞ(>_<)。
さて、本日は本格的なお盆休みモード。僕も日中は来客が数件あるだけで本日はゆとりがある。散らかっている机の上の資料を整理でもするかな。
では、朝食&花子後、行ってきます!