昨日は福岡。某社の会社説明会を運営していた。そこで、某社の部長としばし雑談。
「いや~今年はひどいね」
「なにがですか?」
「みんなオワハラって騒いでるけど、実はトリハラ、いや、ダクハラっていうのかな?そっちのほうが深刻な問題なんだよ」
「え?トリハラ?ダクハラ?」
「そう、『とりあえず、応諾しとけ』って、学生は親や大学の就職アドバイザーから言われてるらしいんだよね」
なるほど。「とりあえず応諾」の、トリハラ、ダクハラなんだな。
この某社さんは経団連加盟企業ではないものの、1万人近い従業員を擁し、毎年300名以上の新卒採用をコンスタントに行う準大手企業。
なので、いわゆる中堅・中小企業と違って学生の応諾状況が悪い、ということはない。むしろ例年以上に順調だとのこと。
しかし、その応諾の半分は、「とりあえず」なのではないかと、この部長は睨んでいるのだ。
いわゆる上位校の多くの学生は、経団連に加盟する超大手企業を志望しているのだが、指針のせいで8月上旬まで正式な内定が出ない。いわゆる蛇の生殺し状態に置かれている。内定らしきことを囁かれている学生もいるがハッキリしない。だから、「いま内定の出た会社には、とりあえず応諾しとけ。(8月になって経団連大手から正式に内定が出たら)あとで辞退しても構わないんだから」と、周囲にいる相談者(キャリアアドバイザーなど)から言われているらしいのだ。
何がハラスメントなのかというと、二つの意味がある。
ひとつは、企業の採用担当者が被るハラスメント。企業は、8月以降に内定辞退を食らうであろう時限爆弾をたくさん溜め込んでいる。どの程度の学生が残ってくれるのかまったく読めず、精神的にとても苦しめられているのだ。
もうひとつは、学生側も、つきたくもない嘘をつかなければならない状態に追い込まれて、精神的に参ってしまうという意味でのハラスメント。とりあえず応諾しておかないと…という気持ちもよく分かる。
「大手企業の就活時期が繰り下がったことで、学生は嘘をつかなきゃならなくなっちゃったんだよね。嘆かわしいよね」
そう。ホント嘆かわしい。
企業も学生も、みんなを嘘つきにしてしまったこのルール、やっぱり速やかに撤廃したほうがいい。
さて、本日はすでに金曜日。あっという間の一週間だったな。
明日は、(シゴトノヲト制作にあたった)クリエイティブチャレンジ学生24名との入稿パーティー。今夜はその前夜祭?かどうかは分からないけど、なんだかそんな予感がする。
ではでは、とりあえず(笑)行ってきます!