釘さん日記

西暦2000年の暑い日を思い出した。

昨日は、15年来の付き合いをしているNさんが九段下の職サークルセミナールームを訪ねてくれた。このNさん、15年前はある大手素材メーカーの採用担当者。

今後のキャリアの話を色々としていたのだが、最後はパフとの出会いの日のことが話題に。Nさんと出会った西暦2000年の夏、Nさんは27歳で僕は39歳。電撃的かつ運命的な出会いだった。

この出会いをリアルに知っている社員はもはや少数派。現在の社員たち、未来の社員人たちにもずっと語り継いでいかなきゃなあ……ということで、昔書いたコラムを本日の日記に貼りつけておこう(手抜きじゃないよw)。

さて、本日はFネット(ふるさと就職応援ネットワーク)の2か月に一度の定例会議の日。パフからは総勢4名も参加させてもらう。

では、まずは茅場町に向かってウォーキングで行ってきます。もちろん「あさ」を見てからね(^o^)。

— 以下、「自転車操業物語」より転載—

第80話    「SS社のNさんとの出会い」(前編)    
 

2000年9月14日。

内定者のフルカワとボクは、朝のミーティングが終わってすぐ、 会社を飛び出した。

午前10時に、世田谷の用賀に本社のあるSS社の人事部にアポイントをもらっていたためだ。

SS社には、ボクも含めてパフの社員やインターンシップは、 それまで一度も営業訪問したことがなかった。

実は、1週間ほど前、フルカワが、パフの資料を「とりあえず」一式送っていた。

それを先方の担当者(Nさんという)が、ちゃんと目を通してくれており、“顔の見える採用”というフレーズに興味を持ってくださったのだった。

そしてSS社の方から「詳しく話を聞いてみたい」という電話を、 フルカワ宛にくれたのだった。

「フルカワァーっ!先方から電話がくるなんて、こりゃ、大いに脈ありだぞ、初受注行くぞ!」

大きな期待をもって、ボクも一緒に行くことにした。

しかし!

フルカワと一緒にSS社に向かうボクは、モーレツに機嫌が悪かった。

なぜか?

その1。

内定者4人は、いつも団子のようにくっついて仕事をしており、遊びやサー クル活動のように、ペチャクチャペチャクチャと、緊張感なく仕事をしてい た。そのことに堪忍袋の緒が切れたボクは、朝のミーティングで彼らに怒鳴り散らしたのだった。「仲良し倶楽部じゃないんだ!バカタレ!」と。

その2。

フルカワは、SS社まで「30分あれば着きます」と言っていたのだが、調べてみたら、月島駅から用賀駅までの所要時間だけで40分もかかる。そのことが判明したのが、朝のミーティング終了後の9時15分。
「馬鹿やろー!!遅刻じゃねぇか!何が30分だ!ちゃんと調べておけ!」と怒りまくるボク。

朝っぱらから完全にブチ切れた状態で、SS社に向かっていたのだった。

向かう途中、フルカワとは、ほとんど会話を交わさなかった。言葉を発すると、さらに怒鳴りつけそうな自分がいたからだ。

実は、このフルカワ、この日が内定者研修の、いったんのピリオドの日だった。

彼女(フルカワはいちおう女です)は、関西の大学に通っており、後期の授業が翌週から始まるため、大阪に帰らねばならなかったのだ。

まだ受注のなかった彼女にとって、この日のSS社が最初で最後の大きな
チャンスのはずだったのだ。

(それをよりによって俺を怒らせた上に遅刻までさせやがって…。
この物語を書いている3年後の今でも、ついつい頭にきてしまう…)

用賀駅に着いた。

時間はすでに約束の10時になろうとしていた。ここからSS社まで10分くらいはかかるであろう。

「おい、フルカワ!すぐにSS社に電話しろ!Nさんっていったっけ?担当の人に、『10分ほど遅れてしまいます。大変申し訳ございません』と丁重に詫びるんだぞ!」

フルカワはビビりながら、自分の携帯から電話した。

「く・クギサキさん、SS社のNさん、『大丈夫だから慌てずにおいでください』とのことでした」

“慌てずに”といわれても10分もの遅刻である。 出口から小走りでSS社に向かった。

・・・つもりだった。

(「つもり」って?…つづく)

以降は、以下のリンクからどうぞ。

第81話    「SS社のNさんとの出会い」(中編)

第82話    「SS社のNさんとの出会い」(後編)

第83話    「本日中のご結論をお願いします!」

第84話    「内定者の初受注」(前編)

 

 

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