いまから12年前。西暦2004年のちょうど今ごろ、3名の学生をインターン生としてパフに招き入れていた。
当時の本社事務所は月島で、社員は新卒一期生と二期生プラス入社直前の三期生が内定者として働いていたころだ。
そんななかで入ってきた3名のインターン生。
期間はちょうど一週間。仕事内容は新規テレアポ。
まだ誰も訪問したことのないド新規企業に対してひたすら電話をかけまくり、アポイントを取り、営業訪問をするという(当時の)社員たちと全く同じ仕事だ。
3名の学生というのは、お茶の水女子大の3年生、京都大学の4回生、東京工業大学博士課程2年目の学生…というより研究員。
とてもユニークな学生たちだった。
なかでも最もユニークだったのが東工大の博士課程2年目の学生。名前はノトヤ。年齢はすでに30歳に近かった。
ノトヤは朝から晩まで電話にかじりつくも、インターン最終日前日まで一件もアポを取ることができずにいた。
僕はもちろん社員は全員、ノトヤのことが気になって、仕事が手につかずにいた。みんな仕事をしているふりをして、ノトヤの電話にじっと耳を傾けていた。
最終日前日の昼過ぎだった。
いつもは瞬間でガチャ切りされていたノトヤなのだが、ある企業に電話をした際に珍しく粘っている。
周りの社員たちは固唾をのんで見守っている。
「は、はい、はい、はい。で、で、では、明日の○○時にお邪魔いたします。ど、どうもありがとうございました」
と受話器を置いた瞬間、ノトヤは椅子を一回転させて拳を振り上げてのガッツポーズ。社員は全員立ち上がって拍手喝采。
いま思い出しても目頭が熱くなるような感動のシーンだった。
そのノトヤ。
翌年、神戸に本社のある医療関連の企業に研究者として就職した。この10年で急成長した、世界的にも著名な大手企業だ。
以来、一度も会えていなかったのだが、凄いことが起きた。
実はこの神戸の企業に、当時のインターン同期生の(京都大学4回生だった)ダイサクが人事マンとして転職したのだ。
僕はダイサクとは縁がずっと続いており、ちょくちょく会っていた。
ダイサクが転職する旨を僕に報告に来たとき。
「えっ?その会社って、ノトヤが就職した会社じゃないか?」
「えっ?そうでしたっけ?」
「うん確かそうだよ。入社したら人事なんだからすぐ調べられるだろ?」
という会話を交わしていた。
で、まさにビンゴ。
なんという偶然、。なんという縁だろうか。
パフという小さな小さな会社でインターン生として働いていた学生が12年の歳月を経て、一緒の会社で働くことになるとは!
で、このたびの週末の大阪出張のついでに神戸まで足を延ばして、このノトヤとダイサクと3人で12年ぶりに酒を酌み交わした、というわけである。
いやあ、人生ってホントーに面白いですね!
おっと、思い出話を書いていたらもうこんな時間だ。
いかんいかん。
きょうは大事なイベントの開催日だし。
朝食&あさ後、大急ぎで行ってきます!