釘さん日記

うそをつくな

パフの社訓は「うまれよ」。

うそをつくな(うらみつらみを言うな)

まけるな(ま正面から勝負しろ)

れいぎただしく(練習しろ)

よのためひとのため(よのなかに価値ある人材となれ)

で、ある。

これ、あらためて読むとすごい社訓だと思う(自分で言うなよって笑)。

このことを守り続けていけば、大企業にはなれなくとも、潰れる企業にはならないのではないか。最近の出来事を見ていてそう思う。

昨日の自動車関連企業倒産のニュースだけではない。政治家や官僚も含めて、大きな組織にいる人にとっては組織を守るための「うそ」が、どうやら「正義」と同義の意味合いになってしまうようだ。

経団連に属する大企業の人事担当者が、嘘をつきながら採用を行っている姿はまことにもって滑稽なのだが、「競争に勝つため、成果を出すため、出世のため」という大義で、嘘をつくという行為の罪悪感が打ち消されているようだ。

河合薫さんが日経ビジネスオンラインの「噓と無責任こそ、出世へのファストパス?!」というコラムのなかで、「大企業の昇進」のことを調査・分析した論文を紹介していたのだけど、「責任感」と「几帳面さ」は昇進を妨げるファクターらしい。どうやら嘘をつかない正直者は、大企業では昇進できない、という悲しい現実があるらしいのだ。

もうちょっと河合薫さんのコラムを引用してみよう。

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 確かに責任感の高い人は正義感も強いため、自らの責任に加え、他者への責任追及も厳しいので、やっかいな存在といえなくもない。
 組織でおこる問題の多くは、たったひとりの人物が原因である場合はごくまれ。ひとりが正直に告白することで困る人も少なからずおり、実際には嘘をつきとおす人のおかげで責任追求を免れる人も存在する。

 多かれ少なかれ日常の業務の中にも、嘘や責任逃れは横行しているので、そういう人は案外、上司や周囲から重宝がられ、良い意味での忖度ができる“使える人”に成り上がる。
 組織の不正をリークした人が社内では悪者扱いされたり、左遷されるのとは対照的だ。

 いずれにしても冒頭に書いたとおり、「無責なヤツほど出世する」という結論は海外の多くの研究で示されていて、この論文結果はそれらを追証しているのだ。

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これは、統計データから導き出された研究論文の中での話なので、例外となる組織や個人もたくさんいるのだろうと思うが、まあ残念ながら現実を見回すと納得できる論文だ。

でも近年、報道で話題になっている大企業の最初の躓きはいずれも「嘘」や「無責任」や「自己保身」であることも事実。

河合薫さんはこのコラムを次のように締めくくっている。

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 私たちは嘘を嫌い、無責任な人を嘆く一方で、嘘をつく人の高圧的な態度に信頼感を抱くという、極めて矛盾する心も持ち、それが結果的に嘘つきに増々力を与え、権力者の足場を強固にしてるってことなのだろうか。

 ただ、そういった危険サイクルに入った組織は、必ず滅びることは歴史が語っている。

 そして、自分は無責任に嘘をつくより、バカ正直に生きたいと願っている。噓は泥棒の始まり。人生において大切なことは、やはり幼稚園のときに習っているのだな。うん。

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なかなか考えさせられるコラム。特に大きな組織に入社する学生の皆さんには読んでおいてもらいたい。

やっぱりうちの会社は「うまれよ」。特に、「うそをつくな!」だ。

さて、ではぜったい嘘をつきそうもない「みね子」を見た後に行ってきます!

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