安定と3年
こんにちは。伊藤です。
ある調査では、社会人の転職理由1位が初めて「会社の将来に不安を感じるから」になったそうです。
学生の企業選びの基準も「安定している」が、年々高まっています。
安定。
それは、何を意味するのでしょうか。
日本は、第二次世界大戦で壊滅的な状態(それまでを「リセット」せざるを得ない状態。幕末と似てますね)になりながら、「奇跡的な」経済成長を遂げました。「右肩上がり」です。80年代には「Japan as No.1」と言われ、アメリカの経済学者や経営学者をはじめ、世界中から、特に企業経営について絶賛されました。(90年代に入って成長が止まる[失われた10年の時期]と、「やっぱりアメリカだ」「成果主義だ」に、より戻しが起こります)
「右肩上がり」の時代の、企業経営における産物の代表が、「年功序列」と「終身雇用」(それと「企業別労働組合」)です。
ある程度の年齢までは、同期は皆、同じように昇進する。
同期の間で将来、差がついたとしても、「年功」を「大きく越境」する「抜擢」は、企業内でさほど起こらない。「解雇」は考えられない。将来の収入が、よめる。
「将来の待遇・処遇」がある程度分かるから、個人は自分の将来設計ができる。車を買い、マイホームを買う。
これが、少なくとも大企業で働く人にとっては「普通」の時代でした。
でも、時代は変わりました。
個人が多様な働き方を選択できるようになり、イコール、企業も多様な雇用関係を結ぶ(結べる)ようになりました。
個人が「会社のための人生じゃない」という価値観を持ち、企業が「社員のための会社じゃない」という価値観をもっていても、あまり疑問をもたれなくなりました。
「相互依存」から「相互選択」へ時代は変わりました。
この時代において、「安定」って何でしょう。「安定」を手に入れるためには、どうすればいいでしょう。
やはり「選択される力」を自分が身に付けることだと思うのです。
それは「今、財務状況がいい、大企業」に入ることで手に入れられるとは限りません。また、やみくもに忙しい会社を選べばいいってものでもありません。
もうひとつ。
「仕事は協働作業」です。「個人の成長」を「実感」するまでには時間がかかります。「自分のアウトプット」(だと自分が思っていること)は、しばらくの間、多くの場合「チームの成果」として返ってきます。学生時代と大きく異なるひとつです(学生生活では、自分の努力は自分の成果として返ってきます)。不条理、と大人がよくクチにする世界です。
3年。
「この会社で頑張る。力を付けて、未来の安定を手に入れる。そのために3年は踏ん張る」
そんな学生さんと会うと、私は嬉しくなります。
がんばって「安定」を手に入れてください。応援しています。
次は、岩崎さんです。