同級生

こんにちは、高田です。

今日は友人の話。

埼玉県で、自分のピザ屋を営んでいる友人がいる。

名前をYという。

彼とは、小学校、中学校の同級生であった。同じクラスにも何度もなった。
いわゆる仲の良い友達の一人だった。

特に、目立つ友達というわけではなかったが、
子供らしからぬ譲れない意見のようなものを持っていた。

中学校を卒業して、別々の高校に入学した。
田舎の高校生であった僕らは、たまに集まっては、騒いでいた。
退屈しのぎに少しだけ悪いこともした。
そのころの地元の友達は、何でも分かり合える存在だった。

高校を卒業した。
私は大学に進学するために、予備校に行った。
彼は、料理の専門学校に進んだ。
そういえば、この時には自分の店を持つことを決めていたと、この間聞いた。

お互いの学校は近くにあったが、なぜかあまり会わなくなった。

翌年、私は大学へ進学。

彼は、都内のホテルへ就職。
そこにはあまり長く勤めず、別のイタリア料理店で働き始める。

夢に向かって進む彼と、お気楽な大学生であった私とでは、
お互いに距離を感じていた。
たまに会ったとしても、会話が噛みあわなくなった。

大学を卒業して、私が就職。

彼は、相変わらずイタリア料理店で働いていた。
開店資金を集めるため、土日も働くこともあったようだ。

サラリーマンである私。料理人である彼。
彼には、先に社会に出ている自負。
私には、負けたくないという意地。

お正月に会ったときも、昔のように無邪気に会話をすることはなかった。

昨年、彼が念願のお店を持った。手作りのピザとパスタがうりのお店。
仕事が忙しいという言い訳をしながら、すぐにお店には行かなかった。
正直に言えば、悔しさもあったと思う。

仕事が半人前の私。彼は自分のお店を開いている。
同級生として、男として、悔しくないわけはない。

年末、初めて彼のお店に行った。
地元の友人が何人も集まって、パーティーをした。

浴びるほどお酒を飲んだ。彼とも久しぶりに長く喋った。
酔っ払った私は、どうやら、泣きながら、おめでとうと言っていたようだ。
お酒の力を借りて、素直になれたのかもしれない。

今この瞬間にも自分のお店を切り盛りしている彼がいる。
彼のことを考えると、「自分はまだまだだ」と思う。
良い意味でのライバルなのだと思う。

ただ、しらふのまま素直になるのは、もう少し先になりそうだ。

次は、WBC熱が冷めてきた田代さんです。

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