早くしれ
こんにちは。長崎です。暑いですね。
歌丸風に言うと、「猛暑の年は 夏太る 長崎です」。
このブログをご覧いただいている皆さまの中で、どのくらいの割合の方が
地方出身(もしくは在住)なのでしょうか。そして、その中のどのくらいの
割合の方が、方言を愛用されていらっしゃるのでしょうか。
私は北海道出身ですが、18歳で関東へ上陸。今でこそ北海道弁も素敵だと
思えるようになりましたが、上京したての頃は訛っていることがコンプレックス
で仕方ありませんでした。
時は1999年。
ガングロギャル(もしくはヤマンバギャル)の全盛期で、とにかく皆に同化
するために「超」と「~って感じ」という言葉を、私の中に導入しました。
すると、なんということでしょう。
少しは都会人になった気がするのですよね。皆と一緒である安心感も得ること
ができました。一人前になったような、ちょっとした快感もありました。
しかし、そのうち北海道弁で話そうと思っても、話せなくなっている自分が
いることに気づきます。本当の自分がどこかに消えてしまったような喪失感
を味わうのでした…。
まるで、就職活動準備のために黒いスーツを買いそろえ、自己分析をし、SPI
対策をし、皆と一緒であることに安心したものの、「自分って、本当はこんな
予定調和な人間ではないのに」と思い悩む就職活動生のようです。
しかし、最近、自分の発する言葉が一部おかしいことに気づきます。
「もー!早くしれ!」
と、「早くしれ」を連呼している自分が、そこにいました。
正確には「早くしろ」ですよね。北海道では、「~する」の命令形は「~しれ」
と言うんですね。「早くしれ」の他にも…
「もっと部屋を明るくしれ」(もっと部屋を明るくしてね)
「もっとカレーを辛くしれ」(もっとカレーを辛くしてね)
「その企画、もっとすごくしれ」(その企画、もっとすごいものにしてね)
「君、彼女にはもっと優しくしれ」(君!彼女にはもっと優しくしなさい)
私、日常から「しれ」を連呼していたのです。
私は「超」や「~って感じ」の威力に負けず、この12年間ずっと「~しれ」を
守り続けていたのです!「~しれ」の地味さと、根気強さの勝利!
他にも調べてみたところ、動詞活用に関する方言は守り続けていたようです。
高校卒業したてのころはコンプレックスだった方言も、本当は捨ててはいけない
ものだったのかもしれません。少しでも自分の中に生き続けてくれていた方言
にこんなに喜びを感じるとは思いませんでした。
皆さんが、今隠したい思っているコンプレックスがあるとしても、それは
他の人から見たら「個性的で素敵じゃない」というものかもしれません。
隠したり、捨てたりする必要はないのかもしれません。
私は森三中にシンパシーを感じると同時に、ものすごく尊敬しているのですが
それは、「デブなのに卑屈じゃない」から。
自分の個性を認めてあげましょ!
全ての人に受け入れてもらえるわけじゃないけど、「それもいいんじゃない?」
という人、会社が必ず存在します。そして、受け入れ、認めてくれる場こそ、
あなたの実力が発揮できる場所ではないでしょうか。
夏です。暑い。
「皆と一緒じゃなきゃ」「普通じゃなきゃ」という服を脱ぎ捨てようじゃない
ですか。コンプレックスなんて、ごくごく飲んで、汗にしてしまえ~!!
もっと楽に就職活動ができるようになるかもしれませんよ♪
次は、夏女平原です。