戦闘から戦争へ
韓流ドラマから学ぶ
お世話になります、マジックドラゴンの坪内です。
ここしばらく韓流ドラマの中でも、戦国時代ものにはまっていました。ストーリー設定がとてもうまく、それぞれのキャラ設定が明確なのが面白い。それぞれのキャラに自己同一性を感じる何かがあり、それが中毒性につながっているのかもしれません。こういうドラマを作り上げる脚本家の才能を羨ましいと思うとともに、何かこの企画力のヒントとなるものを盗んでみたいと感じる今日のこのごろです。
国のリーダーは国を大きくすることに、すべての情熱と力を注ぎこみ、戦国武将は戦を勝ち続けるために、戦闘力の向上に日々鍛錬する。職人は技術力、商売人は交易を通じて財力をなす。極めてシンプルである。
伽耶(金官伽耶)初代王として国を立ち上げるキム・スロは鉄職人であった。彼は先祖から受け継いだ製鉄の技術を基盤として、鉄の製造と周辺各国との交易により、国力をつけていく。その当時の鉄とは、武器や鎧の材料であり、硬度の高い鉄を作ることができるキム・スロは最強の武器を作る、武器職人であった。地理的に海運に恵まれた地域にいたため、その鉄を求めて商人があつまり、そこに武器市場ができあがり、武器だけではなく、最終的にはさまざまな地域の特産品が手にはいる商業地として発展を遂げていく。
今のビジネスであてはめても、非常に面白い。
国を大きくするとは、会社を大きくすることにとても近いと思う。いろいろな均衡があり、国の領土は保たれているのであるが、基本的に戦国時代は戦の時代である。領土を守るためにも戦をするし、領土を広げるためにも戦をする。
戦で勝つためには、戦略や戦術も必要。軍隊の戦闘力を高めるための訓練や最新の武器も必要である。もちろん絶対数としての兵士数も必要である。兵士の少ない軍が兵士の多い軍と戦う時には、戦い方がある。逆もしかり。
軍事力= 戦略×兵士数×戦闘力
訓練や最新の武器は戦闘力を高める。戦いに兵士が必要な場合は、調達をする必要がある。優秀な兵士を調達するには、もちろんノウハウがあるし、手間もコストもかかる。最初から優秀な兵士を採用できない場合は、兵士をいかにして育てるかが重要になる。また当然軍隊も組織である以上は、組織としての軍隊が軍事成果を最大化するために、つまり戦を勝つために、戦略が必要になります。さて、兵士の調達が採用業務であることはいうまでもありませんが、兵士の戦闘力とは何かを少し掘り下げて書いてみたいと思います。
戦闘モードから戦争モードへ
現在のビジネスは戦闘モードからいよいよ戦争モードに入ってきたと言えます。グローバルで価格がフラット化し、ネットでどこでも、一瞬でビジネスができる。従来の長いサプライチェーンは、圧倒的な価格優位性を持つ、グローバルプレーヤーに完全に代替される。従来のメッセンジャーのような営業マンは、商品の価格を吊り上げるだけのお荷物となり、結果、ネットで自動化した購買フローの前で、存在価値を一切失う。我々のビジネスにおける障害は、グローバルの圧倒的に安い人件費との価格競争となる。
古いビジネスモデルから変革できない業界、変化したくてもイノベーションのジレンマで変革できなかった業界を中心に、一気に沈んでしまった。変化が起きていることに気付きながら、目を背けてきて、じわりじわりと体力を奪われていく。気付いた時には、もう手遅れ手前まで行って、市場から退場命令もしくは交代命令を出される。
ビジネスの現場の激しさは、年々厳しさを増していると思う。パイが減っている市場では特に顕著であると思う。現場の戦いなんて悠長なことが言えた時代があったが、今そのようなことを言うレベルではない。完全に会社-会社の戦いであろう。日本刀で必死に戦う現場部隊が、バズーカを積んだ戦車に戦いを挑まれる。たまに奇跡が起きるケースはあるであろうが、バズーカを積んだ戦車が勝つのがほとんどだ。
グローバル化とネット化が有機的につながる経済活動の現在のもっとも大きなトレンドであるとするならば、ほとんどの業界がこの環境変化から逃れることはできない。
戦争を楽しむ
我々のような営業部隊は、もしかしたら先祖が軍人なのか、おそらくこの戦争を楽しむ性格適性があるのだろう。捉え方によっては、危険な発想に誤解されてしまうかもしれません。ようは我々には戦うことを希求する何か本能的な感覚があるということでしょうか。マンモスがいたら誰よりまっさきに槍で刺しに行くし、強い相手がいたら真っ向勝負で戦いを挑みたくてワクワクしてならない。
この市場の変化はとどのつまり、既存の既得権者から領土をいっきに奪うチャンスに満ち溢れております。こんな変化に満ち溢れた時代でビジネスの最前線にいることを至上のよろこびと感じます。
変革期にはチャンスがいっぱい。面白さがいっぱい。
HAVE FUN CREATING A NEW VALUE
次は並木です。