採用力向上に必要なことを考える
こんにちは。マジックドラゴンの土田です。
先日のニュースで、服部泰宏・横浜国立大学准教授が「採用学」なるものを確
立するべく研究を進めていらっしゃる、と言う記事を目にしました。
記事を拝見して、採用学とは「どうしたら採用活動がうまくいくか、体系的な
理論を確立しよう」「採用活動の効果検証方法を確立しよう」という学問であ
ると解釈しました。
我々はともすれば「採用って効果が分かりにくいですよね」というのを隠れ蓑
にして「採用がうまくいくというのはどういうことなのか」「今年の採用活動
は果たしてうまくいったのか」という難しい問いから逃げてしまいがちである
と思います。そこから逃げずに研究をされている服部准教授に深い尊敬の念を
抱かずにはおれません。
採用は確かに、数字で効果が図りにくい。また、景気などの影響を受けやすい。
入社後も研修、配属部署の業務との相性、上司や同僚との相性といった様々な
変数の影響を受ける。なので「採用って効果検証できないよね」「採用って正
解が無いよね」と言うことにしておいた方が楽なのだと思います。
弊社もお客様にアドバイス申し上げる際に「学生に向き合う」「採用活動に真
剣に取り組む」といった「空気語(=何か言っているようで実は何も言ってい
ない言葉」を使っていると深く反省しました。
そこで「ここはひとつ、採用がうまくいくために必要なことを、当社なりに体
系的に言語化してみようではないか」という動きが始まりました。
まだまだ手探りではありますが、下記に述べてみたいと思います。
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●そもそも採用活動のゴールとは?
必要な質の人材に必要な数入社してもらうこと
●そもそも「採用競争力」とは?
採用競争力=企業力×採用担当の能力
●企業力とは?
―企業知名度(学生に就職先候補として認知されている度合いの高さ)
―待遇(給与や福利厚生・研修等の充実度)
→ただし、企業力は一朝一夕に変えることが難しい。
採用競争力を上げるには、必然的に採用担当の能力を向上することが
必要となる。
●採用担当の能力とは?
採用担当の能力は以下の要素に大別される。
(下から第1層~第5層と言う風にピラミッド構造になっているイメージ)
≪第1層:知識≫
・(他社と比べた上での)自社の特徴理解
・(自社の応募者に限らず幅広い層を対象とした)学生の心理・行動理解
≪第2層:マーケティング力≫
・ターゲット学生像を設定する力
・自社の採用市場におけるポジショニングを決定する力
・ターゲット学生が自社に入社するまでのストーリーを作成する力
―ターゲット学生はなぜ自社を就職先として認知するか?
―ターゲット学生はなぜ自社に応募するか?
―ターゲット学生はなぜ自社に入社するか?
≪第3層:プロジェクトマネジメント力≫
・上記ストーリーを現実にするための具体的な、アクションプラン(施策と
スケジュール)を作成する力
・決められた納期どおりにアクションプランを推進する力
・臨機応変にアクションプランを修正・再度作成する力
≪第4層:営業力≫
・採用活動で接する学生の特性、ニーズを正確に把握する力
・その上で自社に合うかを見極める力
・自社に合う学生に対し「自社が他社と比べてなぜ合っているか」
「相手のニーズにどれだけマッチするか」をわかりやすく伝える力
≪第5層:スペシャリティが必要なスキル群≫
・イベント(説明会・グループワーク選考等)企画スキル
・イベント(説明会・グループワーク選考等)運営スキル
・クリエイティブ(デザイン・コピーライティング等)スキル
・事務処理力
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●採用担当の能力向上のために
・第5層は、外部のプロフェッショナルにアウトソースすることが主流
・第4層(会社説明会のプレゼン、面接会場でのアテンド、電話での合否連絡
等)、第3層(業務スケジュール管理と業務品質管理)、第2層(採用活動
の戦略設計)についても、今後アウトソースが進む傾向。
<背景>
景気の変動や、採用活動の時期変更により、かつてないほど頻繁に採用活動
のトレンドが変化する状況が続いている。
また、新卒採用活動は人事のエントリー業務という位置づけの会社が多く、
新卒採用担当は2~3年で担当変更となる。
その状況下で「新卒採用のプロ(第4~2層の能力を持つ人材)を自社で育
てる」事が困難、あるいは合理性が薄いと判断されるケースが多いと考えら
れる。
・第1層:知識がすべてのベースであり、採用活動に関わる外部アウトソーサ
ーに対し、前提情報を的確に伝えるためのキモとなる。ここだけは
アウトソースすることが難しい。
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●採用活動を営業に例えると
・第1層:知識は、(競合商品と比べた)自社商品知識、顧客理解に相当する。
ここが抜けていると、商品力が髙くとも売れない。
・第2~第4層を改善するところにとらわれてしまい、第1層の強化がおろそ
かになるのは「顧客ニーズヒアリングや、他社営業との情報交換は全く行わ
ず、ひたすら営業戦略を立て、スケジュールを作成し、営業ロープレだけを
行っている」ようなものであり、本来目指すべき成果に結びつきにくい。
・第5層を内製化することは、サービス企画書やカタログを自社で手作りする
といった行為に等しい。
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●つまり
・「採用競争力」を構成する要素は、企業力と採用担当の能力であるが、
企業力を個人の意思で一朝一夕に向上させることは比較的難しい。
・したがって「採用競争力」を向上するには、採用担当の能力向上が必要となる
・採用担当の能力向上のためのキモ
-(他社と比べた上での)自社の特徴理解
-(自社の応募者に限らず幅広い層を対象とした)学生の心理・行動理解
以上
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なかなか体系的に言葉で表すというのは難しいですね…
これからもどんどんブラッシュアップしていこうと思います。読者の皆様から
もぜひご意見を賜りたいと思います。