ゴリラ的読書日記之3

こんにちは。早速ですが、徒然なるままのゴリラ的読書感想を…

 

著書:

山岸俊男(2015)『「日本人」という、うそ -武士道精神は日本を復活させるか』筑摩書房。

 

動機:

戦略が組織に従うのか。それとも組織が戦略に従うのか。…鶏が先か、卵…

(ダサダサの持論はあるものの)未だに明瞭な解は分かりませんし、多分に一生かけて、引退際にようやくその尾っぽを掴める程度の真に不可解なテーマであると思います。そしてこの面倒臭いテーマをフト連想する機会が有り、今一度考察してみようと考え、同書を手にしました。

 

所感:

日本人は実は集団主義でない?日本人は調和を重んじるといった民族性は幻想?日本人は欧米人より個人主義?…といった非常に面白い仮説を提示している同書は、ビジネスを経験し、人間が織り成す「商い」の真の姿を体験したビジネスマンであれば、何処か納得するだろう内容です。その説の背景にある概念が「臨界質量」(物事は「正しい」から進むのではなく、「多い」から進む(注:自己解釈!!))と呼ばれる理論で、結局は数(量)の理屈がヒトの歴史を紡ぐのだというものです。

その観点に立つと、冒頭の問いに対しては、組織の賛同を獲ない戦略は絵に描いた餅であり、戦略が組織に従うのであると解釈できます。でも偉大な経営者が掲げたビジョンが物事を動かすこともあるし…との意見も出てきそうですが、重要なことは「魅力的なビジョンが発信される」☞「多くの賛同者が集まる」☞「物事が動き出す」、といった流れであり、あくまで動き出すための直接的なきっかけは数(量)であると考える方が現実的です。

…少し文脈は異なりますが、昔読んだヘンリー・ミンツバーグの書籍を思い出し、本質って至ってシンプルなものかもしれない、と思う今日この頃でした。

 

お薦め本:

 

…ではまたの機会に。

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