日曜日の夜は、テレビっ子タイムである。
8時からはNHK大河ドラマ『天地人』。9時からはTBS日曜劇場『官僚たちの夏』だ。
この二つのドラマを観ていて、「志を受け継ぐ」ということの大切さを考えた。
豊臣秀吉が成し遂げた天下統一。その後のまつりごとを託された石田三成だが、その前には徳川家康が大きく立ちはだかる。
三成は家康から蟄居させられ志を失いかけていたが、盟友である直江兼続によって、自分自身が為すべき大事に気づき、立ち直る。そして平和が訪れたあとの国づくりを、兼続とともに熱く語り合う。
兼続は、「武士だけでなく、百姓、町民の子供たちにも字を習わせ、書を読ませ、互いを思いやることのできる、愛と慈しみにあふれた国にしていきたい」と語った。
上杉謙信から受け継いだ「愛と義の精神」そのものだ。
いいねぇー。
通産官僚の風越慎吾(佐藤浩市)は、自身の国家作りのポリシーを、こう熱く語る。
「弱者を切り捨て、強者だけが生き残るような国にはしたくない」
そんな青臭い考えを嫌った総理大臣の池内(北大路欣也)やライバルの玉木事務次官(船越栄一郎)も、風越の私利私欲のまったくない国づくりへの情熱や志に、次第に心を動かされていく。どんなに論理的で効率的な仕組みであっても、そこに情熱や志がなければ物事は進まないし、人は動かないことを教えられる。
そして池内総理は、それまでの政敵だった須藤前通産大臣(長塚京三)に総理の座を譲る決心をする。玉木次官も、(次官コースをはずれたはずだった)風越に次官の座を譲る決心をする。
いいねぇー。
世の中にとって本当に大事なことは何なのか。それを実現させるために必要なことは何なのか。そしてそれを実際に(ヒトやモノやコトを)動かせるリーダーは誰なのか。
政治のリーダーにも、経済のリーダーにも、企業のリーダーにも、こんなことを考えながら(保身や権力や意地やプライドに囚われることなく)、次代にきっちりとバトンタッチできる人物であってほしい。
もちろん自分も。