釘さん日記

それでもESや志望動機から逃げてはいけない

企業が採用選考のシーンで、(意味のない)エントリーシートを書かせたり、(応募初期段階なのに)志望動機を言わせたりすることに対して、僕は先日から異論を唱えているわけだが、現実には、これらがすぐになくなることはない。

いくらESや志望動機が無意味だからといって、当面は、学生からしてみれば避けては通れない関門なのである。「私はESを課す企業は受けません」とか「志望動機を聞く企業にはNGを突き付けます」なんてことを言っていたら、応募する企業がなくなってしまう恐れがある。

だから学生諸君は、ESや志望動機に対して、いまは逃げることなく正面から臨まなければならない。企業の採用に関わる者のひとりとして誠に心苦しいのだが……。

そこで、ちょっとだけアドバイス。

ESでは、(質問にもよるが)できる限り自分を主語にして語ること。評論家的な書き方は避けること。抽象的な言葉(「私は積極的な人間です」とか、「私の長所は協調性が高いところです」とか)をできる限り使わないこと。自分のことを、自分の言葉で(考え抜いて)語ってほしい。机やPCのまえでウンウン悩むだけではなく、時間があればESの質問について友達と語りあったり、清書する前に大きな紙に向かってフリーハンドで書き出してみよう。それからマニュアル本は、読んで参考にしてもいいのだけれど、そこに書いてある文例は真似しないこと。自分がなくなってしまうからだ。

応募初期段階で志望動機を聞かれたら(説明会を聞いただけだったり、ホームページを見た程度だったならば)、その会社を応募しようと思った“キッカケ”を正直に話してみるとともに、自分自身の会社選択の基準(「私は自分自身の選択においては○○を大切にしており…だから御社に関心を持ち、説明会にも参加させていただき御社のことをもっと知りたいと思いました」など)をしっかりと説明してみよう。決してその会社の説明(「御社は○○業界のなかでもユニークな存在で、○○に強みを持っていて、×××だからです…」とか)に陥らないこと。自分自身の考えを述べるのであれば、どんな業界のどんな会社であろうと、会社がいちいち変わっても、自分自身を変える必要もなくなる。

こんな感じかなあ。ちょっと分かりにくかったかな。

要するに、ESにしても志望動機にしても、「自分の頭でとことん考え抜いて、判断して、アウトプットする」ことが大事なのだ。会社がESを課したり志望動機を聞くことが道理に合っていないことだったとしても、いまは逃げずに、向き合うことが大事だということ。そして無事、社会人になったら(そしてもし採用の仕事に関わることになったりしたら、その時こそ)おかしな採用システムを会社の中から変えてみてはどうだろうか。

ということを、(あまり多くはないと思うけど)「釘さん日記」読者の学生諸君に伝えたい。

 

さて、本日は午後から雨らしい。実は本日はギターを抱えていかねばならないところがある。本日はミュージシャンとしての大事な仕事があるのだ。大事なマーチンのギター。濡らさないようにしないとな。

では、ギターを抱えて行ってきます!

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