取引銀行とのお付き合いで、マネジメント研修3日間コースを受講した。1月に一回、2月に二回の研修で、昨日が最終回だった。
「社長」という立場で参加していたのは僕だけだったのだが、普段では味わえないような気付き・学び・発見・体験をすることができた。
グループワークを交えながらの座学だったのだが、僕以外の方々は大企業の部課長連中。経営と現場のハザマにあって日々悩みながら職務を遂行している皆さんの生々しい話を聴かせていただくことも、講師から学ぶこと以上に勉強になった。
最終回だった昨日は「行動科学による人材マネジメントと組織活性化」というタイトルの研修。
経営における人間観には三段階あって、第一段階として「工学的視点」(人を「モノ」としてみる)、第二段階として「財務的視点」(人を「コスト」としてみる)、そして第三段階として登場したのが「心理学的視点」(人を「ヒト」としてみる)なのだそうだ。
心理学には2系統あって、その一つが精神分析学。ユングやフロイトや今流行りのアドラーなんかはこの系譜だ。そしてもうひとつが行動分析学(いわゆる行動科学)。行動分析学とは「人間の行動の原因を解明し、行動に関する法則を見出そうとする科学」であり、人間の行動と制御を可能とする。そして特徴的なのは、「行動上の問題の原因を、性格・人格に帰さない」ということだ。
なので人の問題行動を「あいつは元々ああいう性格だからしょうがないよ」ということは、行動分析学では許されない。「あいつの問題行動を弱め消失させるためには…」というアプローチをする。あるいは「会社にとって望ましい行動を強化させるためには…」というアプローチをする。
これを利用すれば、組織文化をマネジメントすることができる。
たとえば「偉い人が集まる会議で(先行条件)、突拍子もないアイデアを言う」という行動があるとする。これに対して「白い目で見る」という結果(働きかけ)を繰り返していくことで、この組織には「保守的」な文化が生まれる。逆に、「面白がる」という働きかけを繰り返していくと「革新的」な文化が生まれる。なので、保守化した組織を変革していくためには「突拍子もないアイディアを尊重して面白がる」というルールを(特に上層部)に徹底していく必要がある。
なーんてことを学んだわけだ。
で、もろもろ割愛するが、最終的に講師が強調したことは「経営者やマネージャーは自己強化が大事だ」ということ。上の立場になればなるほど他者から責められることはあってもモチベートされる機会は極めて少なくなる。なので、自分で自分を褒めてモチベートし、自分自身の望ましい行動を強化する必要がある、ということだ。
なるほどね。
あらためて、うちのマネージャー陣を思い浮かべてみると、それが得意な連中が集まっているような気もするが、問題は経営者ですな(笑)。
もっともっと自分自身を褒めて、モチベートして、望ましい行動を強化しよう。音楽ライブとかマラソンとかの行動ばかりが強化されたりしたらゴメンナサイ(^_-)-☆
では、望ましい行動のために自分を褒めながら行ってきます!