釘さん日記

新・パフの創業物語<第11話> 「宝塚月組のお姉ちゃんたちと…」

20年前(2000年7月から約1年間)メルマガで連載していた自伝(自虐?)のコラムを不定期で再掲しています。きょうは第11話です。

※第1話はこちら⇒新・パフの創業物語<第1話> 「最初の出会いは産婆さん?」

※原則として昔の原文のままですが、事実とは異なっていた内容、誤字も含めての不適切な表現、「てにをは」のおかしな個所は、修正しています。また当時の写真やイメージ画像等を追加で掲載しています。

※文中にある「今」の内容は、すべて執筆したとき(西暦2000年当時)のものです。


大学1、2年の頃は、学校と人形劇団とはとバスとで、24時間フル稼働の状況でした。

・日中は、比較的まじめに授業に出席(休講時はパチンコ、麻雀、ボウリング)

・昼休みは、大学本館屋上で発声練習(♪あえいうえお、あお、あいうえお…)

・午後5:30~8:00、人形劇団の公演稽古などの活動

・夜9:00~、はとバスへ。夜のコースの添乗・車掌業務

・深夜~、大学の仲間の下宿で酒盛り

というのが平均的な僕の毎日でした。

土・日は、はとバスの団体旅行(外人さんのツアーが多い)の添乗で、 鎌倉・箱根・富士山のどこかに毎週必ず行っていました。

はとバス(ホームページより)

そうそう、はとバスの仕事で一番記憶に残っているのが、宝塚歌劇団の送迎の仕事です。

僕が大学2年生の秋、新宿コマ劇場で宝塚(確か月組)の公演が2週間連続で 行われていました。

女優さんたちは、恵比寿にある宝塚の寮に宿泊しており、はとバスは、コマ劇場から寮まで女優さんたちを送り届ける仕事を請け負っていたのです。

バスの運転手さんは毎日入れ替わるのですが、僕は車掌としてほぼ毎日女優さんたちをコマ劇場の通用門まで迎えに行き、そこからバスの駐車場まで誘導し、発車オーライして一路、恵比寿までの運行を繰り返していました。

僕のようなチンピラ学生にとって宝塚の女優さんなんて高嶺の花もいいところ。「挨拶以外は絶対に自分から話しかけるなよ!」と会社の人からも言われており、僕が彼女らに発する言葉といえば「お疲れさまでした」の一言だけでした。

一週間ほど車掌業務を続け、女優さんたちとも目で「ニコっ」と挨拶できるようになったある日の車中での出来事です。

「ねえ、お兄ちゃん!そこのマイクとって」

リーダー格の大物女優(あとで調べて分かったんですが、当時のトップスター、榛名由梨さんでした)から声をかけられ、「は、はい、ただいま!」と、その大物女優にマイクを渡そうとしたところ……、

「ちゃうちゃう、マイクはお兄ちゃんが持つんよ、いまからウチらがいろいろインタビューするから、お兄ちゃんがそれにマイクで答えるんや」

「へ? は、はい」

新宿から恵比寿までの約30分の間、僕はにわかアイドルみたいな立場で、女優さんたちにいろいろ弄(いじ)られており、ついには当時僕が作っていた人形劇の主題歌(ガンバの冒険やブレーメンの音楽隊の主題歌でした)まで歌わされてしまい、車中はもう「バカウケ」状態でした。

そして、その翌日からすっかり女優さんたちと打ち解けて、「お兄ちゃん、この後どう?」なんて誘惑されたらどうしよう…なんて毎日ドキドキしながら劇場まで迎えに行ってましたが、どうやらその心配は杞憂に終わったようで、いつの間にか公演最終日を迎えていました。

最終公演を終え、恵比寿に向かう送りの車中。例の大物女優が、おもむろに立ち上がり、「えー、はとバスのお兄ちゃん。今までの2週間、わがままな私たちにお付き合いいただき、1日も休むことなく恵比寿まで送ってくれてありがとう」と、お別れの言葉を喋り始めたのです。

そして、大きな花束と、靴下の詰め合わせと、寄せ書き(色紙)を贈呈され、最後にみなさん揃っての大拍手。いやー、これは感動ものでした。

(「立派なはとバスの運転手さんになってください」という色紙のコメントにはちょっと焦りましたが笑…)

バスの送迎の車掌の仕事で、こんなに感謝されるだなんて…。

「人と接する仕事、人に感謝される仕事っていいなー…」と、心から感じられた出来事でしたね。

この「はとバス」のアルバイトは、大学3年の秋まで、ずっと続けたのですがいろんな人(わがままなお客さんや気むずかしい運転手なども含めて)とのつきあい方を学んだ気がします。

そして、1982年12月(僕が大学3年生の時です)、運命的な会社との出会いが訪れたのでした。

その会社の名は「株式会社日本リクルートセンター」。

なにやら怪しい名前の会社ですが、この会社の人事担当者だった兄の口利きで「情報誌の営業アルバイト」の試験を受けることになったのでした。

つづく


 

ついにリクルート神田営業所との出会いですね。あとから思えば僕の人生にとって最大の出会いでした。ムライさんとの愉快な話も登場します。

さて、本日僕は終日在宅です。課題図書を読むことにしましょう。では朝食&エール後、行ってきません!

モバイルバージョンを終了