今夜の『天地人』(NHK大河ドラマ)は、石田三成が話の中心人物だった。
石田三成の人柄や能力については諸説あるようだ。
数ある説の中でも、「きわめて有能ではあるのだが、対人的には冷徹で、不遜で、横柄なところから、人望はなかった」とする内容が多いようである。
今夜の『天地人』でも、そのような石田三成を、小栗旬が好演していたように思う。
小栗旬は、13年前の大河ドラマ『秀吉』(秀吉を演じたのは竹中直人だった)でも、子どもの頃の石田三成を演じている。
今夜の放送では、その13年前のシーンを白黒で流していた。NHKのキャスティングや演出の妙に感心した。
脱線したが、石田三成のような人材って多いような気がする。「有能ではあるのだが人望がない人材」である。
そもそも人望のない人材を、「有能」と呼んではいけないのかもしれないが、それはともかく。
せっかくの優秀さを、人望のなさ(対人関係の未熟さ)のために生かし切れていない人材。仲間となるはずの者が、いつしか気がつけば敵に回ってしまい、滅ぼされてしまう(あるいは窮地にあっても助けてもらえない)ような人材。そんなもったいない人材が、最近は多いような気がする。
では、人望のある人材となるためには、何が必要なのか。
いろいろあるとは思うのだけれど、いちばん大事なのは、「アホになれること」なんじゃないかと思う。
中途半端に有能な人材は、自分の足りないところを隠すのに一生懸命だ。アホなどやる余裕がない。だから、必要以上に人に厳しかったり、理不尽に高圧的だったりする。つまり、アホのできない人材は、本当の意味で「有能」ではないのだと思う。
今夜の石田三成(小栗旬)は、そのことに少し気づいたようだ。アホのできる直江兼続をみて、そう理解したようだ。
アホのできる有能な人材。僕も憧れる。
少なくとも、「無能なくせに、アホになれない(無能を隠す)人材」ではなく、「無能を隠さず、アホになれる人材」のレベルはキープしていたいものだ。