いま、とある会社の障害者雇用のお手伝いをしている。正確には、グループ子会社(持分法適用会社まで含めると500社以上になる)の人事の方々に、障害者雇用に関心を向けてもらうための仕掛け作りを、親会社の人事部の方々といっしょに行っている。
その一環として、バスを一台借り切って、障害者(特に知的障害者)雇用に積極的に取り組んでいる企業の現場を視察するツアーを企画した。
きょうは、このツアーにご協力いただく、とある都内の役所に伺い、打ち合わせを行った。
打ち合わせのあと、「うちの事務所でもいま、2名の障害者の方が働いているので、よかったら見学していきませんか?」と言っていただいたので、「ぜひ!」ということで、事務スペースに入室させてもらった。
一人の方(40代男性)は、大量の書類を整理しながら、不要となった書類を黙々とシュレッダーにかけていた。
「こんにちは、御苦労さまですー」と声をかけると、「こんにちは!!」と、僕の声よりもずっと元気で大きな声が返ってきた。
もう一人の方(20代女性)は、大量の書類にスタンプを押す仕事を行っていた。男性の方同様、大きな、そしてとても気持ちのいい挨拶を返してくれた。
そして自分の仕事を、詳しく丁寧に、しかもとっても楽しそうに説明してくれた。
そのまっすぐな姿に、僕はいたく感動した。
知的障害者の方がオフィスで働く姿を見るのは、僕にとっては初めての経験だったのだが、良い意味でショックを受けた。
障害者雇用を阻んでいる問題の多くは、雇用者側の知識・意識不足にある。
もっともっと多くの経営者や人事責任者に、障害者の方々の「一所懸命はたらく姿」を見せてあげなきゃと思った。