先週のお盆ウィークは、実に変化が激しく、日々の出会いや語らいが楽しい一週間だった。
すでに日記に書いたものもあるが、あらためて。
月曜日は映画「謝罪の王様」を通じての出会いと中目黒での語らい。火曜日は「うまれよ塾」の塾生との駿河台味噌料理やでの語らい。水曜日は長年パフのシステムを見てきたパートナーとの焼肉屋での語らい。木曜日はプレモルキャンペーン応援者との祝勝会があった。
お盆とはいえ、いやお盆だからこそ、アルコールを摂取する日が続いた。
そして極めつけは金曜日。2か月前から極秘裏に準備をすすめていたDプロジェクトのキックオフの日だった。
まずは御茶ノ水の居酒屋で関係者の会合が始まった。
会合が始まってからほどなくして、あっけないくらい簡単に方針が決まった。そしてそのことを祝うために、もう一軒ということになり、タクシーに乗って新富町の「のろ」に向かった。このとき、すでにかなり酔いが回っていたようだ。翌日が土曜日ということもあり、「のろ」でもずいぶん飲んだ。唄も久々にたくさん歌った。
そして午前零時。夕方6時すぎから始まった宴席もついにお開き。皆タクシーに乗って散り散りに帰って行った。
僕だけは酔い覚ましも兼ねて歩いて帰ることにした。
当然、家に帰るなりバタンキューだった。
翌朝。いつもより遅めの7時ころ起きた。日課の早朝ランは二日酔いのためお休み。
ちょっと気になっていたメールを確認しようと思って、カバンからノートPCを取り出そうと思ったのだが……。
ない。
カバンに入っているはずのノートPCがないのだ。
すっかり酔いが覚めた。
さらに、青ざめるような出来事が……。
ない。
PCだけではなく、財布もないのだ。
いつもは上着の内ポケットに入れるのだが、猛暑のため最近は上着を着ないことが多い。なので財布はカバンのなかに入れることにしていた。
その財布がないのだ。
どこかに落としてしまったようだ。
僕は現金はあまり持ち歩かないのだが(とはいえ3万円くらいは入っていたかな?)、代わりにカードが10枚以上入っていた。紛失したとなると手続きがものすごく面倒なのだ。それ以上に、不正に利用されていたらと思うと、すごく憂鬱な気分になった。
そこから大捜索活動が始まった。
しかし一軒目の店に連絡するも、つながらず(居酒屋だもんね)。
二軒目の「のろ」は、眠そうなマスターが電話に出てくれた(どうやら朝まで営業していたようだ)。マスターに店内を隅々まで探してもらったが、ノートPCも財布も見当たらなかった。
少し冷静になって前夜のことを考えてみた。
一軒目の店で、ノートPCをカバンから取り出して皆で調べ物をしていたことを思い出した。たぶんノートPCは一軒目の店に置いてきたのだろう。
問題は財布だ。
僕は前夜どの店でも、お金を払った記憶がない(一軒目はご馳走になったし、のろはいつもツケ払い)。だから財布もカバンから取り出していないはずだ。
それを確認するために、前夜いっしょだった人たちに電話してみた。
「あのさ、おれ昨夜どこかで金払ってた? え、御茶ノ水からのタクシー代は俺が払ってたの? え、マジで?」
なるほど。
どうやらタクシーの支払をしようとして財布を取り出したようだ。
ということは、落としたのはそのタイミングだ。
領収書がどこかにないかと、懸命に探した。カバンの中、ワイシャツのポッケ、ズボンのポッケ、パンツの中(うそ)。
あった。
脱いでいたはずの上着の胸ポケットに、シワクチャになった領収書が入っていた。
領収書に記載されている番号に、すぐに電話してみた。
が、個人タクシーだったため、記載の電話は「個人タクシー協同組合」の番号だった。無機質な「本日の営業は終了しました。平日の朝9時から夕5時までの間におかけ直しください」という自動音声が繰り返されるばかり。
くそっ。なんとかしなきゃ。
スマホで、タクシーの財団法人の番号を探し出し、ダメもとで電話をしてみた。
すると、「こちらに問い合わせてみてください」と、領収書には記載されていない別の番号を教えてくれた。
つながった。その番号にかけたら、感じのいいおじさんが対応してくれた。
財布を車内に落としてしまったかもしれないことを伝えると、すぐに昨夜のドライバーの所属組合と連絡先を調べてくれた。
そして、ドライバーに確認取れ次第、折り返し電話をもらえることとなった。やった!
「落とした場所がタクシーの中でありますように。運転手さんがいい人でありますように……」
祈るような気持だった。
これ以上ジタバタしてもしょうがないと思い、ジムに出かけることにした。前夜の酒を汗にして出そうと思ったのだ。
ストレッチを開始して間もないタイミングだった。
ポケットのスマホがブルブルした。
慌てて電話に出た。
個人タクシーの運転手さんだった。
「あ、クギサキさん?よかった、つかまったあ…。 ありますよ、財布、安心してください」
よかった、よかった。心から安堵した。
すぐにジムを飛び出して、運転手さんの自宅の上板橋まで急行した。月島から上板橋まで結構な距離だったが、全然苦にならなかった。
運転手さんは上板橋の改札で待っていてくれた。
菅原文太似のダンディな初老の運転手さんだった。
財布は厚手のビニール袋にきちんと仕舞っていてくれた。まさに僕の財布だった。
「慌てる必要ないから、ちゃんと中身、確認してくださいね」
もちろん中身はまったく問題なかった。
「大丈夫だった?あー、よかった。じゃ、私はこれで!」
立ち去ろうとする運転手さんに、慌ててお礼の菓子折りを手渡そうとした。
「いいよ、いいよ。お宅の社員さんに食べさせてあげなよ。わざわざ取りに来ていただいただけでも有難いんだから」と、固辞されてしまった。「いや、それじゃ僕の気が済まないので」ということで、なんとか受け取ってもらったが、気風のいい昔気質の運転手さんだった。
財布を失くしたことに気づいたときには暗澹たる気持ちだったが、財布を運転手さんから受け取った時の、この清々しい気持ち。まさに天と地ほどの差だった。
そして夕方には御茶ノ水の一軒目の居酒屋で、ノートPCを無傷で受け取ることができたし。
終わってみれば、めでたしめでたしの結末だったのだ。
・・・と、ついつい長く書きすぎてしまったが、忘れないようにしなきゃと思って、日記に書き残そうと思った次第だ。
駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
そしてなにより、菅原文太似の運転手さん、本当にありがとうございました!!!
いやあ、やっぱり日本はいい国ですね。
さて、毎度のラン記録。
●8月18日(日)
4.24km 28:07 6:38/km
8.62km 51:30 5:59/km
+腹筋、背筋、腕立て20分間
●8月19日(月)
5.06km 30:30 6:01/km
+腹筋、背筋、腕立て10分間
●8月の走行距離の累計
108.19km
ついに100kmを突破した。目標達成まであと42km。
そして、アキ、夏ばっぱ、頑張れ!
さて、本日は大分プロジェクトの仕事を御茶ノ水でやらなければ。
では、準備して行ってきます。