パフ代表の徒然ブログ「釘さん日記」

地道がいちばんと感じた日

2009年12月4日 (金曜日)

午前中、金沢の同業者、人材情報センターの夏至社長が来社。しばし情報交換したのだが、厳しい状況でありながらも、前向きな夏至社長の姿勢に感動。僕よりも5歳年上の夏至さんがガンバっている限りは、僕もガンバんなきゃと素直に思えてくる。

午後いちばんでタシロといっしょに、今年から新しく協賛企業に加わっていただいた新宿のJ社を訪ねる。J社の人事部長と担当の方々に、あらためてのご挨拶をするためだ。

きょうはこのJ社に訪問して感じたこと、というか、商売の原点として忘れてはならないことを書いておこうと思う。

 

J社は、二部上場の中堅どころのIT企業。今年から同社の新卒採用のほぼすべての部分をパフがお手伝いすることになった。

J社とパフとの接点は、もう3年以上も昔に遡る。

僕もその事実を把握していなかったのだが、タシロは地道にJ社に通い続けていた。すぐの受注に結び付かなくとも、J社のより良い採用のための提案や情報提供を欠かすことがなかった。この間、先方の担当者や責任者が交代になっているのだが、その情報も逃さずにいたし、前任の担当者も、パフのことを後任にきちんと引き継いでくれていた。パフが行っているセミナーにご招待したり、学生向けのイベントも見学していただいたりしていた。そして今年、それらのことが実って、大きな取引に繋がったのである。

これは営業としてとても大事なことである。基本であり当たり前のことなのであるが、なかなかできている営業担当者は少ない。自分の都合のいいとき(受注を獲得したいとき。パフのようなビジネスモデルであれば、採用計画を立案するとき)だけ、客先に足繁く通うものの、そこで受注できなければ(受注できた場合でも小額な取引だと)、一年間ほったらかしといったケースが、まま見受けられる。そんなことじゃあ顧客との信頼関係なんて、生れっこないのだ。

僕らが若いころは、取引まで少し時間がかかりそうな見込み客に対しては、最低でも一ケ月に一回は電話をかけたものだ。売り込みではない。“ハッピーコール”と呼んでいたのだが、「最近○○さん、なんかいいことありましたか?こちらではこんないいことがありました。じゃ、また!」という、ただそれだけの電話である。1社30秒もかからない。これをずーっと毎月毎月、繰り返す。すると、「最近ちょっと○○の件で困っててさぁ。クギサキさんの会社でなんとかならない?」なんていう相談ごとが先方から出てくる。「わかりました!すぐ伺います」となる。こっちは売り込みなんてしなくても、もう翌日にはスピーディーに商談が成立している。もちろん前提として、その顧客のことを徹底的に勉強して知り尽くしていなければ、よい提案などできないし、そもそも困りごとの相談に対して的確な回答ができないのだが。

 

今回タシロが、J社から大きな取引をいただいたのも、まさにこういうことが出来ていたからに他ならない。

いつかきっと芽が出て徐々に成長し、そして最後には大きな花が咲く。そう信じて、毎日毎日、地道に水を遣り続けること。愛をもって水を遣り続けること。それが大事なのだ。

先日の日記でも少し書いたが、我がパフでは、12月1日から本日までの3日間、知的障害者の方を2名、インターンシップ(職業体験生)として受け入れた。

名まえをY君とS君という。

Y君は軽度の障害、S君は重度の障害を持っている。

Y君の3日間の目標は、「上司の指示にきちんと従う」ということ。S君の目標は、「相手の目を見てコミュニケーションできるようになる」ということだった。

 

やってもらったのは、学生向けに郵送する封筒にラベルシールを貼る仕事と、イベントで配布する資料を作成する仕事(今度の日曜日に、パフLiveという大型のイベントが開催されるのだが、そこで配布する資料がたくさんあるのだ)。

普段は学生アルバイト諸君を中心にやってもらっている仕事なのだが、今回は、このインターン生2名にお願いすることにした。

サービスマネジメントグループ長であるホサカの指示に従って、この3日間、二人とも実によく働いてくれた。

 

Y君の目標である「上司の指示にきちんと従う」は、完璧だった。とても素直に、そして明るく元気に、ホサカから指示された仕事に取り組んでくれた。

僕は一緒に仕事をしていないのだが、3日間ともY君といっしょに昼休みにお弁当を食べた。Y君の質問力には驚いた。趣味や、好きな映画や芸能人、それから出身地の話などなど、話題は尽きなかった。僕自身、すごく会話を楽しめたし、とても心が癒された昼休みだった。Y君の底抜けに明るい表情と態度。それから周囲への細やかな気配りは、うちの社員にも見習ってほしいと思ったくらいだ。

 

S君の目標である「相手の目を見てコミュニケーションできるようになる」も、本日ついに完璧に到達した。最初の2日間は、いっしょにお昼ご飯を食べることに難色を示していたS君だったのだが、最終日のきょうは、僕の誘いに素直に応じてくれた。

もともと言葉を発することの少ないS君だったのだが、僕の質問にはきちんと目を見て相槌をしてくれた。そして初日にはほとんど出ていなかった声も、 「はい」と聞こえるように返してくれることが多くなった。

一緒にトイレに入ったときに、手の乾燥機から「ぶぉーっ」と風が噴き出すのを見て、二人で目を見合わせながら驚いたり喜んだりもした。 

 

そして何より感動的だったのは、すべての仕事が終了したあとに行った修了式でのこと。

まずはY君への修了証書の授与。

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なんと、Y君は授与のあと、僕に抱きついてきてくれた。Y君なりの、僕への茶目っ気を込めた思いやりなのだ。

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そしてS君への 授与。

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S君はこのあと、僕と握手をしてくれた。人とのコミュニケーションが苦手だったS君が、僕の目をきちんと見ながら、しかも満面の笑顔で、かたい握手をしてくれたのだ。心が本当に通い合った気がして、思わずジーンと来てしまった。

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知的障害者の雇用に、二の足を踏む大企業が(特にホワイトカラー中心の事務所では)多いと聞く。 でもそれは、先入観や偏見が邪魔をしているだけのことが多いのではないかと思う。

パフのような(知的障害者に関する知識もなく専門スタッフもいない)零細企業であっても、きちんと彼らに日常業務をお願いすることができるのだ。しかも全体の生産性をあげるカタチで。慈善でも偽善でもなく、極めて経済合理性にかなった、民間企業としての雇用が成立するのだ。

 

いやあ、ほんとに素晴らしい経験をさせてもらった。

この機会を提供してくださった、福祉ベンチャーパートナーズ(FVP)大塚社長をはじめとするスタッフの皆さんに大感謝である。

そしてなにより、明るく楽しく真面目に、パフの仕事に一所懸命取り組んでくれたY君とS君に、心から「ありがとう」と言いたい

Y君、S君。またいつでも遊びに来てくれよ!ついでに仕事もしてくれると嬉しいね。

仮想空間に可能性を感じた日

2009年12月2日 (水曜日)

ちょっと前に、セカンドライフというWeb上の仮想空間のことが新聞紙上などでも、よく話題になっていた。

最近あまり聞かなくなったなぁと思っていたのだが、意外にも身近なところで、その存在感と価値の大きさを確認することになった。

現在の就職と採用を、この仮想空間を利用することで、学生にとっても企業にとっても、よりよいカタチにしていくことができる。そのことをビジネスとして展開しようとしている某社のS社長と、本日打ち合わせを行った。

S社長と僕がお会いするのは2回目。本日は、協業をより具体的なものにするために、商品企画と販促を担当しているホサカとナガサキも同席させた。

あらためてデモを見せてもらったのが、我々は皆、目がランランとしてしまった。これは面白い。いろんな応用が考えられる。まさに就職と採用のあり方を変えるための、大きな武器になるかもしれない。

来週早々、まずはパフのお取引先企業様にだけは、先にご案内しようということになった。きっと喜んでいただけるはずだ。

他にも新しい企画がいくつかある。いずれも新しい発想での企画だ。

・・・でも、引き合いがたくさん来すぎて、対応できなかったらどうしよう。

なぁんて、楽天的な心配をしている僕なのであった。

2009年の最後の月が始まった日

2009年12月1日 (火曜日)

きょうは12月1日。2009年も残すところ1ケ月。いやあ早い。実に早い。すごく早い。ホントに一年なんて、あっという間だ。

一方で今年は、1ケ月前の出来事が、数年前の出来事であるかのような錯覚に陥ってしまうほど、高密度にいろんなことが起きた一年だった。

なあんて書き始めると、まるで大晦日の日記のようになってしまいそうなので、一年を振り返る話題はまた今度。

 

きょうは、パフとして初めての試みがひとつ始まった日でもある。

それは、障害者雇用。

僕は今年、知的障害者雇用勉強会(バスツアー)を、某大手商社と一緒に企画・開催した(ということは、この日記にも何回か書いてきた)。

この勉強会がきっかけとなって、パフでも知的障害者の雇用を試みてみようということになった。

まずは2名の知的障害者の方を本日から3日間、インターンシップとして迎え入れることになった。

きょうはその初日なのだが、とってもいい感じで受け入れが行われた。

この話の詳細は、3日間が終わった段階で、また書こうと思う。

 

夕方、とある教育・研修会社の営業部長Tさんがご来社。少し前までは自らも営業プレーヤーとして動いていたということなのだが、なんと一人で全社売り上げの半分以上を稼いでいたというから驚きだ(営業メンバーは10人もいるのに…である)。

このTさんのお話を1時間以上かけて、じっくりとお聞かせいただいた。

ぬあるほど。さすが!である。まさに真理である。やっぱり圧倒的に優れた人の発想と努力と実行力は違う。

年齢を聞いてさらにビックリ。なんとまだ29歳なのだという。やっぱりデキル人というのは、年齢なんて関係ないのだ。

このTさんとの協業も、今後考えていきたいと思う。

 

そして夜は12月度のキックオフミーティング。まだまだ厳しい事業環境は続く。が、なんとか来年に繋ぐべく打ち手の議論を、短い時間ではあるが高密度&高速度で行った。もはや悩んだり、立ち止まったり、拘ったりしている暇はないのだ。与えられた制約条件のもと、最適なアウトプットを生みだすために、全社員がタッグを組んで、知恵を使いながら無理と無駄のない動きをするしかないのだ。

ミーティング後は、定例の乾杯。

本日は、お客様からいただいた、ボージョレーヌーボーで乾杯を行った。

しばし歓談をおこなっていたら、ローソク付きのチーズケーキが登場した。サプライズ企画である。

昨日誕生日を迎えた僕と、本日誕生日を迎えたヨシダを祝してのものだった。たしか一昨年もツーショットの写真を日記に載せたような気がするが、本日も載せておこう。

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一部の方々から、日銀の白川総裁に似ていると言われている僕であるが、なるほど、確かに似ているような気がするな(笑)。

 

ということで、あと一ケ月。明るい2010年を迎えるために、走りきろうと思う。