パフ代表の徒然ブログ「釘さん日記」

僕が社会人向けのメルマガで書いているコラム、『どげえするんか』。今月号は、先週の金曜日に配信された。

きょう、とある大手企業の人事部長から、この『どげえするんか』に対して熱いコメントのメールをいただいた。

そのメールは次のような言葉で始まる。

 

> さて、今回の【Face to Face♪】の「どげえするんか?」
> を拝読し、無性に返信を書きたくなり、メールさせていた
> だいた次第です。

(中略)

> 私も「足軽」程度で良いから「サムライ」の一人と思って
> いただけてないかなあ、なんてことが妙に気になりつつ、
> 図々しいのは承知の上でちょっと偉そうに書かせていただ
> きます。
>
> --------------------------
> 私は人事部に異動になったのが平成5年の4月でして、早
> いものでもう16年が経過し、現在17年目となりました。
> 新卒採用活動を、今年も含めて17回もやってきたことに
> なります。
> (いつまでたっても、何回やってもレベルが上がらず、自
> 分の力量のなさを毎年痛感するのですが、また翌年同じこ
> とをやっているという情けない状況です。実は、正直、も
> う採用活動にはうんざりしているのですが・・・。)
> 単に長いことやってるだけ、と言えなくもないですが、そ
> れでもそれなりには採用活動に対する想い(こだわり)も
> 持てるようになりました。
>
> そんな者からすると、最近(と言うかここ6~7年ぐらい
> 感じていることですが)、世の中の採用担当者は弱くなり
> ましたね。(自分のことを棚に上げていることはお許し下
> さい)

 

このメールは、このあとさらにA4用紙で2枚分くらい続く。

多くの企業の採用担当者にもご覧いただきたい内容だったので、この人事部長に、僕のブログや次回配信のコラムで転載させてほしい旨をお願いしてみた。

すると、すぐに次のようなお返事をいただいた。

 

> 時間がかかった割にとりとめのない文章で、大変恥ずかしく
> 思っております。実は、先週金曜日夕方にメールを送信して
> から、あんな未熟な文章送るんじゃなかった、などと少々後
> 悔のようなものを感じておりました。お恥ずかしい限りです。

> そんな文章に対して、「転載」とは!
> もし私の考え・拙文がお役に立つのであれば、どうぞいくら
> でも転載していただいて結構です。名前も実名を出していた
> だいて結構です。「ことば」として発した以上、責任は取り
> ますので。

 

素晴らしい!「男」である。 「サムライ」である。 

ということで、まず本日は、この人事部長を触発(?)することになったコラムを先に転載しておこうと思う。そのうえで、この人事部長の熱いコメント(および人事部長の正体?)は、明日の日記でご紹介しようと思う。

では以下、僕のコラム「どげえするんか」です。

#「もう読んだよ!」っていう方も、ぜひ、もういちどお読みください。

 

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【01】釘崎の「どげえするんか?」

 第31回 時代は「破壊と創造」を迎えちょると思わんか?(前編)

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 パフ代表釘崎が、現在の採用市場、就職活動、世の中のあれこれについて、
  日々感じることを徒然なるままにお届けします。

  ※「どげえするんか?」=大分弁で「どうするんだ? どうしたいんだ?」
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 このところ私たちパフの周辺では、「破壊と創造」という言葉が流行ってお
 ります。

 パフの社員だけではなく、お取引先の人事のお客様や、いっしょにビジネス
 を展開しているパートナー様とのあいだでも、

 「やはり時代は『破壊と創造』ですよね?」

 「うん、そうですよね!」

 というやりとりが、まるで時候の挨拶のようになってきています。

 自民党から民主党に政権が移行した……ということではありません。

 私たちの事業領域である「新卒者の就職と採用」のカタチがいま大きく破壊
 され、あらたなカタチとして創造されるべき時代を迎えているのではないか
 ということなのです。

 ☆☆☆

 私はパフを創業した当初から、

 「こんな就職と採用のあり方はおかしい。企業も学生も、もっと本音で正面
 からぶつかり合える『顔の見える就職と採用』の世界を創り出そうぜ!!」

 ということを言ってきました。

 この考え方を広めていくために作ったコンセプチュアルな企画が「パフの職
 サークル協賛企画」というものでした。

 「顔の見える…」という趣旨にご賛同いただける企業様には、決して安いと
 はいえない参画費用を出していただき、その資金をもとに「顔の見える」を
 具現化するための場を(Webも含めて)多数、創り出してきました。

 この「職サークル」に協賛企業として参画してくださった企業の人事担当者
 の方々は、本当に素晴らしい方々でした。

 自分の所属する会社のミッションを遂行しながらも、

 「このままでは良くない。何かを変えていきたい」

 「何かを変えていくためには、旧来の枠組みではない新しい枠組みが必要」

 「その枠組みを作るには、自社の損得を超えたところからの発想が必要だ」

 といった、高い志をお持ちの、いわゆる「サムライ」が揃っていたように思
 います。

 このころは“超就職氷河期”と呼ばれていた時代です。大企業や有名企業で
 あれば、さほど苦労せずとも、お金をかけずとも、新卒者の採用ができてい
 た時代です。

 そんな時代に、できたばかりで何の実績もなかったパフという会社と一緒に
 行動をともにしてくださった協賛企業の人事担当者の皆さまのことを、私は
 いまでも尊敬してやみません。

 ☆☆☆

 しかし、時代が超就職氷河期から学生の売り手市場になるに従って、私たち
 の唱える理念が、「そんなの、よその就職情報会社でも言ってることですよ。
 パフさん、マネしてるだけじゃないんですか?」と言われることが多くなり
 ました。

 創業当初に協賛企業として参画してくださった気骨ある人事の方々も、他部
 署に異動されたりで、取引が継続しなくなるケースが増えてきました。いわ
 ゆる「サムライ魂」が引き継がれなくなってしまったのです。

 一方で、パフに近い立場にある人間からも、「そんな理念先行型のビジネス
 で会社を成長させようだなんて甘いんじゃないの?」という批判的な声も聞
 こえてくるようになりました。

 実際問題、社員が増え、事務所の面積も大きくなり、セキュリティ対策や個
 人情報保護対策のための経費が増大する中で、利益を確保することがとても
 難しくなってきました。

 それまでのパフは、「お客様になっていただくためには、まずはパフの協賛
 企業になっていただくことが大前提」というスタンスを堅持してきましたが、
 取引企業を拡大するために、このスタンスを緩め、「協賛企業」の基準も緩
 めることになりました。

 いま振り返ると、この時の判断は間違っていたのかもしれない……と、思う
 ことがあります。

 ☆☆☆

 学生の売り手市場が数年続き、「就職と採用のカタチ」は、ますます歪(い
 びつ)なものになってしまいました。

 私たちも、その歪なカタチを完全に否定することができず、閉塞感を抱きつ
 つも、現実との折り合いをつけながら事業を運営してきました。

 しかし、やはりこのままでは良くない。

 この変な、我が国の「就職と採用のカタチ」を変えていかなければならない。

 長いものに巻かれながら、大きなものに迎合しながらの生き方は、自分らし
 い生き方ではない。

 自分がパフという会社を作った意味を、いま一度考え直したい。

 50歳にリーチがかかったいま。自分の人生のクライマックス=最後の挑戦
 のタイミングを迎えたいま。そのような気持が日増しに強くなってきている
 自分に気がつきました。

 いまいちど、この時代に即した新しい「職サークル協賛企業」のネットワー
 クを立ち上げる必要があるのではないかと思っています。
 
 ☆☆☆

 この思いを加速してくれたのが、昨今の景気後退による「就職難」の再来で
 す。しかも、この「就職難」は、かつての「超就職氷河期」とはかなり違う
 もっとやっかいな性質を含んだものであると思われます。

 10年前の「超就職氷河期」の時代には、たくましい学生たちが先頭に立って
 時代と力強く戦っていました。でもいまは、隅々まで蔓延ってしまったマニ
 ュアル本と就職情報会社の似非キャリアコンサルタントたちが、学生の(本
 来は持っているはずの)戦う力を奪っているような気がします。

 企業側も、今回の景気後退による予算の締め付けや人員減によって、採用手
 法の自由度を相当に奪われてしまっています。

 また大手就職情報会社同士が繰り広げている(彼らも相当に厳しい状況に追
 い込まれているからだとは思いますが)なりふりかまわぬ営業競争も、目を
 覆いたくなるものがあります。

 いったい、どうすればいいんでしょうか。

 そんなときに突如として出現したのが、冒頭に書いた「破壊と創造」という
 キーワードだったのです。

 (後編に続きます)

 【今回のどげえするんか?】

  就職活動を終えた学生が先日パフに来て、うちの社員にこう漏らしておっ
  たそうじゃ。

  「○○ナビの就活支援は間違っている。学生が人生と向きあわなければな
  らない場を、お祭りのようにしてはいけない」

  「僕たちには(○○ナビが与えようとしている)ノウハウより、もっと仕
  事について考えなきゃいけないことがたくさんある」

  多くの企業が欲しがるような、とても優秀な学生だったそうじゃ。

  学生のほうが○○ナビの運営者よりも、よっぽど本質を捉えちょるよう
  じゃの。

  さあ、ここで我々社会人としての先輩たちは、どげえする?

 
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