週の始まりは豪雨だった日
2009年8月10日 (月曜日)
きょうから夏季休暇という会社も多かったようだ。
が、パフは普通どおりの営業日。パフの夏休みは、各自、自分の仕事やお客様の都合にあわせて、10月末までに取得するようになっている。
自分の好きな時に休めるので、自由度が高いといえば高いのだが、一斉休業とは違って、自分自身のコントロールがきちんとできないと、かえって休みづらい。なかなか大人なルールなのだ。
そんなわけで、パフにとっては普通の週の始まりの本日。東京は明け方から、とんでもない豪雨だった。朝5時に雨の音で目が覚めたくらいだ。
いつもは会社までの道のりを20分かけて徒歩通勤しているのだが、さすがに今朝は、バスを使うことにした。
しかしながら、バス停まで徒歩10分かかる。この10分だけで、下半身がびしょ濡れになってしまった。
きょうは外出する用事も来客のお客様もなかったので、会社では草履ばきを通してしまった(ホントはだらしなく見えるので、いかんのですよ)。
豪雨の原因は、突如、日本の太平洋側沖合いに発生した台風にあるらしい。昨夜までは天気図になかった台風のマークが今朝の天気予報ではしっかりと載っている。昨夜は大きめの地震があったばかりだし、なんだかここ最近の異常気象は気味が悪い。
自然に逆らってはいけない。「環境にやさしい」が最近のはやり言葉だが、自然は人間に優しくなんかない。というか、人間を特別扱いはしてくれない。
自然に順応しながら生きていくためには、自然な(無理をしない)生き方、暮らし方がいちばんなのかもしれないな。
でもそれは、決して流された主体性のない生き方ではない。自然に生きていくためには、強い信念を伴った志が必要なのだ。自然は甘くないのだから。
ともあれ、明日は豪雨にならないことを祈る。もし豪雨だったら、豪雨と仲良くなる道を探るとするか。
花火の翌日は社会人一年生との対談の日
2009年8月9日 (日曜日)
昨夜は夜7時から、『東京湾大華火祭』が僕の自宅からほど近い晴海で行われた。
この花火大会は、中央区が1988年から実施しているのだが、今年でもう22年目になる。第一回大会から第三回大会までは、僕は本当にすぐそば(勝どき二丁目)に住んでいた。このころは付近に高いビルもなく、よく見えたものだ。
しかし、21年経ったいま。花火の全景は、よほど近くまで(あるいは高い場所まで)いかないとなかなか見えない。高層ビルやマンションが、うじゃうじゃと建ってしまったからだ。見えるのは人の波ばかり。茶髪&ピアスの、わざとだらしなく着物を身にまとっている若者たちが群れをなしてたむろしている。
こんなんだから東京の花火大会は情緒がないんだよなぁ。
とはいえ、年に一度のご近所の花火大会。草履をひっかけて、良く見えるところまで散歩に出かけ写真を撮ってきた。せっかくなので、この日記にもアップしておこう。
花火の翌日の本日(日曜日)。僕は会社に出勤だった。
【職学校Web2011】の『校長が行く』という対談企画コンテンツの取材を行うためだ。
本日で第三回目を迎えるこの対談。第一回目は、今年就職活動を行っていた現役大学生。第二回目は、協賛企業の現役人事部長。そして第三回目のきょうは、今年就職したばかりの社会人一年生がお相手だった。
某製薬会社で研究職として勤務している真部唯(まなべゆい)さんと、某広告会社で営業職として勤務している小橋大祐(こばしだいすけ)くん。休日であるにもかかわらず、わざわざ築地まで来てくれた。聞けば、真部さんは、わざわざ研究所のある静岡から来てくれたという。ただただ恐縮&感謝である。
「校長が行く」っていう企画なのに、校長は行かずに、対談相手に足を運ばせてしまうという不遜な企画だったわけだ(苦笑)。
約90分の対談は無事終了。就職活動をしていたころの話、入社して4か月経ったいまの話など、いろいろ聞かせてもらった。
ふたりと最初に会ったのは、いまからちょうど2年前。パフのセミナールームで開催したイベントや塾でのこと。彼らが大学3年生の夏だった。それがいまでは立派な社会人。嬉しいもんだ。
対談終了後、皆で記念写真をパシャッ。
ウェブでの公開は8月末ころになるという。
乞うご期待です!!
『いい会社』を学んだ日(その2)
2009年8月8日 (土曜日)
昨日の日記の続きである。
伊那食品工業株式会社とは、寒天のトップメーカーである。トップメーカーとはいえ、資本金9,680万円、従業員数400名弱の中小企業である。しかも本社所在地は、長野県の伊那の山の中。
しかし、この中小企業が、いまとても注目を浴びている。
それは、まさに昨日書いた、『いい会社をつくりましょう』という社是に集約される。
同社は、『いい会社』のことを次のように説明している。
—–
「いい会社」とは、単に経営上の数字が良いというだけではなく、会社をとりまく総ての人々が、日常会話の中で「いい会社だね」と言ってくださるような会社のことです。「いい会社」は自分たちを含め、総ての人々をハッピーにします。そこに、「いい会社」をつくる真の意味があるのです。
—–
「業績を守る」という大義名分の下、従業員や下請けを不幸にしている会社が多い中、同社のこの社是がいま注目を浴びているのである。多くの大企業の経営者が、その真髄、真意を確かめるために、同社を訪れているという。
この社是を掲げ、同社を今日まで牽引してきたのが塚越寛(つかこしひろし)会長であるのだが、塚越会長は、創業者ではない。
塚越会長は高校生の時、肺結核を患い、高校をやむなく中退。病院での闘病生活を3年間過ごした。医学の進歩もあり病気は完治するのだが、世は大変な就職難の時代で、高校中退の学歴のものを雇ってくれる会社はほとんどなかったという。
そんな中、困窮した「塚越少年」を採用してくれたのが、伊那食品工業の親会社の木材会社だった。塚越会長が弱冠20歳のときである。 「拾われたようなものだが、働けるだけで幸せだった」と、本人は著書で語っている。
塚越会長が21歳のときのこと。社員数10名ちょっとの寒天を作る会社に行ってくれと、その木材会社の社長に言われた。ところがその会社(つまり伊那食品工業のことです)は、脆弱な生産設備しかない大赤字を背負った会社。「会社を健全な状態にすること」というのが、塚越会長に命じられたことだった。肩書きは「社長代行」。弱冠21歳の、寒天についても経営についてもまったく無知な若者の、実質的な社会人のスタートだったのだ。
あたりまえだが、とにかく大変だったそうである。「ほかの会社に転職したらどうだ」と周囲の人から勧められることもあったそうだ。
その時、塚越会長は次のように考えたそうだ。著書から引用する。
——-
人間どこで苦労するのも同じ。目先の利益を案ずるよりも、与えられた職業を天職と思い、とことん努力すべきではないか。精一杯努力してベストを尽くし、それでだめなら仕方ない。けれど、少し働いて上辺のつらさを垣間見て、あまり努力もしないで、あれが良い、これが良いと職を変えるべきではない。
(中略)
人と職業の出会いは、ほとんどが運命的なものです。だれもが一番望む職業についているわけではないと思います。
時代が変わって、「自分がやりたい仕事をすることが一番いいことだ」といまの若いみなさんは言いますが、何が自分に一番向くかということは、案外分からないものです。その仕事に精通し、その仕事が人一倍できるようになったとき、また自分の考えで仕事を進めることができるようになったとき、仕事は楽しくなるものだと思います。
積極的な気持ちで、「寒天屋」を自分の天職と考え、働いてきた結果として、いつのまにか業界のトップメーカーになっていたというのが、いまの実感です。
——–
まさに、僕たちパフが若者たちに伝えているメッセージと同じなのだ。だから僕は、このことを仰っている塚越会長にいちどお会いしたいと思っていたのだ。
今回の訪問は、塚越会長と以前から親交があったという、出版社の元編集者の方(中馬さんという、僕らと同年代の女性の方)のコーディネートで実現した。僕を入れて11名の経営者仲間が同社を訪問できることになったのだ。
バスに揺られること3時間半。お尻が痛くて我慢できなくなったころ、伊那市のバス停に到着した。そこからさらにタクシーで15分。ようやく伊那食品工業の広大な敷地に辿り着いた。
同社が運営するレストラン(一般市民にも開放されている)で昼食を済ませた後、本社事務所の立派な会議室に通された。
ほどなくして、塚越会長と、息子さんである塚越専務が入室されてきた。
会長は72歳のはずなのだが、50代と言われてもおかしくないくらいに若々しい。エネルギッシュな方だった。
専務は40代なかばであろう。気さくで人懐っこい笑顔が印象的だった。
約1時間、塚越会長に講義いただいた。そしてその後、塚越専務にバトンタッチされ、さらに詳しい質疑応答や、敷地内のさまざまな施設を回りながら、懇切丁寧に僕らにご説明くださった。まるまる3時間以上を、会長と専務が僕らの為だけに割いてくださったことになる。
お話いただいたことは、(あたりまえだが)ほとんどが著書に書いてあることと同じではあるのだが、やっぱりご本人が目の前で語ると説得力がある。
塚越会長が繰り返し仰っていたのが、「企業としてあるべき姿を目指す」ということ。
企業の目的は「永続」である。だから、社員を大事にする。自分は臆病で会社を潰したくないから、社員を大事にする。あたりまえのことを淡々とやる。
急成長は会社をダメにする。誰かが急に伸びれば誰かが潰れる。だから、少しずつの末広がりの成長を望む。
こんなことを仰っていたのが印象的だった。
同社は、社員に数字目標を課していないという。また、年功序列を原則としているという。ただただ「いい会社をつくる」ために、「会社としてのあるべき姿を追求する」ために、社員には「ベストを尽くそう」と言っているとのことだった。
同社は、資本金が1億円にも満たないというのに、純資産は170億円もある。建物や工場・設備の資産も莫大だ。自己資本比率は74%。超優良企業なのである。
これだけの財務内容の会社だからこそ、理想を語れるのか。それとも、理想を語り続けたからこそ、これだけの優良企業となったのか。
前者のような見方をしてしまうのは寂しいのだが、でも、理想を語りたくても語れない会社や経営者が多い中、やっぱり、前者のような見方もあるだろう。
大赤字でニッチもサッチも行かなかった同社を、どうやってここまでの盤石な会社にすることができたのか。きっと綺麗事だけでは済まない、いろんな出来事があったのではないかと思う。そんな話も、(また機会があれば)次回はお聞きしてみたいと思った。
いやあ、それにしてもいい機会をいただいた。
企画してくださった中馬さん、ホントにありがとうございました。バスの中でいただいた手作りの「おにぎり」も、とっても美味しかったです。また有意義な企画を楽しみにしています。これからも、よろしくお願いいたします。
<追伸>
あえて説明はしませんが、宿泊先で撮影した写真(写っているのは誰だ?)と、翌日帰り道に立ち寄った凄い菓匠の店(Shimizu)の写真も載せておきます。
『いい会社』を学んだ日
2009年8月7日 (金曜日)
企業が掲げている理念や社是や社訓には様々なものがある。パフならば、『世界で、たったひとりのあなたのために』ということばが企業理念となっている。パフの価値観、企業活動のよりどころとなっていることばだ。
ところで、
『いい会社をつくりましょう』
ということばを、社是として掲げている会社がある。
この社是と出会ったのは4年前。この社是を考え、掲げ、実践している経営者が書いた書籍を4年前に読んだことがある。
すごい!びびっときた。パフも、こういう会社にしていきたいと思った。ぜひ一度、この会社に訪問し、この経営者にお会いしたいと思った。
そして4年越しの本日、その念願が叶うこととなった。
その会社とは、長野県の伊那食品工業という会社である。
朝、8時のバスに乗って長野県の伊那市を目指したのだった。
(この続きはまた明日の日記で書きます!あ、パソコンのバッテリーがなくなりそう)
久々にマンガを読んだ日
2009年8月6日 (木曜日)
講談社の雑誌『モーニング』に連載されている『エンゼルバンク』という漫画がある。
先日、とある書籍を買おうとしたときに、この漫画の単行本が目に留まり、ついでに買った。
きょう会議の休憩時間に、何気なく目を通していたら、なかなか面白い。
まずは表紙に書いてある見出しが興味深かった。
新卒採用とは新卒の学生のために行っているのではない!
今いる社員を成長させるために行われているんだ!
人は変われる、成長する!!
ふむふむ。なかなか本質的なことを言っているじゃないか。
このコミックの存在は、かなり前から知っていたのだが、なかなか読む機会がなかった。
きょう初めて読んでみて、「なるほどね♪」と思わせるところがずいぶんとあった。
なかなか、いいじゃあないですか。
実はこの本を生み出した人たちは、間接的ではあるが、縁のある方々でもある。ここに書かれているようなことも、パフのセミナーの時には紹介してみようかなと思った。
ところで、本を読み終え、気がついたら会議の休憩時間を過ぎてしまっていた(一冊読んじゃったんだから当たり前か、苦笑)。関係者の皆さん、失礼しました!!
真珠ケーキをもらった日
2009年8月5日 (水曜日)
昼食を終えて、仕事に取り掛かろうとしたときだった。
クール宅急便が僕のもとに届いた。差出人を見ると、盟友M社のI社長。
「なんだっけ?」と思って包を開けてみた。
ん?
真珠ケーキと書いてある。
なんじゃらほい?
盟友I社長は、折に触れて贈り物をしてくださるのだが、その贈り物には、いつも『意味』が込められている。
先日は、『景気回復ケーキ』をいただいたのだが、これは文字通りの意味だったので、解釈に苦労しなかった。
しかし、今回は『真珠ケーキ』。
どんな意味だ?
しばし考えた。
うちもM社も、今般の景気の悪化には、苦戦している。
まさか、 『心中しましょう』じゃあないだろうな(苦笑)。
あ、そうかと、閃いた。
実は、I社長とは明後日の金曜日、早朝に新宿駅で待ち合わせしている。I社長は、僕がちゃんと新宿駅に忘れずに来るように、 『真珠ケーキ』、『しんじゅくぇーき』、『しんじゅくえき』『新宿駅』と、オヤジギャグ張りをやらかしてしまったんだと思った。
我ながら、この謎解きは凄いと思った。
本人に確かめてみたくなった。
結果。
ぶぶー。
I社長から届いた正解は、次の通りだった。
| 正解を申し上げます。
| 二つの意味で送りました。
|
| 1.景気回復ケーキは前回送ったので、別のものをと思ったのですが、何しろ素材が
| よくて元気の出るものと思い最高の食材である「真珠ケーキ」を選びました。
| 真珠がサプリになっているとは知らない人が多いでしょう。
|
| 2.社員を信じて(真珠て)、厳しい状況を乗り越えましょう。
| ということです。
そうだったんだ……。
2番目の意味は、オヤジギャグと言えばオヤジギャグだが、「しんじゅくえき」より、ずっと高尚なものだった。
それにしてもこのケーキ、抜群に美味かった。「おおっ」と唸ったくらいだ。
ともあれI社長、元気の出る贈り物をありがとうございました。金曜日は、「しんじゅけーき」でお待ちしています!!
<翌日の追記>
M社のI社長から、「参りました」という感想のメールをさっきもらった。
ばらしたのがマズかったのかなと思ったら、“しんじゅくえき”が面白くて「感服」したとのこと。秘書のKさんは笑いを堪えるのに必死だったとか。
※ I社長の正体は、昔からの日記読者の皆さんにはバレバレでしょうが、念のため名前のところからリンクしておきました。そう、MSPのMのことでした。
言えないことは言えない日
2009年8月4日 (火曜日)
昨日の日記で、自分には「隠れた一面がない」と書いたが、社長という仕事柄、言いたくても言えないことはたくさんある。
自分の性格上、これは結構、苦痛なのである。苦痛というよりも隠すのが苦手なのである。本当はなんでもオープンにしたい。
でも、苦痛でも苦手でも、やっぱり言えないものは言えない。少なくとも時が来るまでは。
こうしてみると、僕は案外、もともと口が堅い性格だったんじゃないかと思う。
おっ。これはひょっとしたら、自分の「隠れた一面」なのかもしれないぞ。
そこのあなた。僕がなんでもかんでも日記に書くと思ったら大間違いですよ。
だから、きょうの出来事は言わない(書かない)ぞっと。