パフ代表の徒然ブログ「釘さん日記」

先日の日記でも「職サークル推進会議」のことを少し書いたが、実は昨晩が正式な第1回目の会合だった(先日は事前の顔見せ会だったのだ)。

これから月に1回の頻度で開催されていく。

職会議1

茅場町の会議室に、協賛企業の人事担当者、パフの社員、総勢30数名が集合した。

今年のあたまから僕がひとりで騒いできた「職サークルルネッサンス」が、いよいよ本格的に始動したことになる。

「すべての社会人が 当たり前のように 若者たちを見守り 育てていく世の中」

これが「職サークル」の目指す世界である。

まずは新卒採用の仕事に携わる企業の皆さんと一緒に、この世界を築き上げるために必要な秘密基地をつくり、「ざわめき」を起こす。そして、いつしかこの「ざわめき」が、大きなムーブメントとなっていくのだ。

若者を育てるのは、大人たちの当然の役割、責務である。

しかし、残念なことに現在の日本の採用(雇用)システムは、若者たちに不信や不安を与え、彼らのせっかくの社会への巣立ちを妨害している。

世の中のすべての企業の、採用に携わるすべての人事担当者たちが皆、「目の前の若者たちを育てたい」という気持ちで採用の仕事を遂行することで、この状況は一変する。間違いのないことなのだ。

じゃあ、どうやってそのための「ざわめき」や、「ムーブメント」を起こしていくか。

それを考え、創りだしていくのが、この「職サークル推進会議」の役割なのである。

職会議2

職会議3
 

詳細はまた公式なレポートが作成されるのでそのときに。乞うご期待なのである。

↓ ご参考:職サークルの目ざす世界を表現した絵本です

 http://www.puff.co.jp/PictureBook/shokucircle-picturebook.pdf 

国内、海外、あわせて200社以上のグループ会社を擁し、従業員数も10万人を超す、とあるグローバル企業に伺った。

人事部門ではない。

訪問したのはCSR部門である。

僕のビジネス人生の中で、実はCSR部門に対して営業活動を行ったことはいままで一度もなかった。

考えてみたら不思議なことだ。

パフが取り組んでいる「顔の見える就職と採用」や「選ぶだけの採用から育てる採用へ」という事業コンセプトは、まさに、CSR(企業の社会的責任)を追求した活動そのものだからだ。

どんな感じで話が進むのだろうと心配していたが、それは杞憂だった。

嬉しいことに、事前にパフのこと(特に「職サークル」のこと)を調べてくださっており、最初から価値観共有&共感モードで話が展開していった。

そうかCSR部門か。

部門の性格上、効率とかコストパフォーマンスなんていう寂しい言葉はほとんど出てこない。

むしろ、やろうとしていることに社会性はあるのか。社会にどんな価値を提供するのか。目指す未来はなんなのか。持続性はあるのか

といったことに話の矛先は向かう。偽物の社会貢献をちらつかせても、すぐに化けの皮がはがれる。

物事の真贋、本質的な価値を見極めようとしているからだ。

やっぱりパフとの相性はすごくいいのかもしれない。

「職サークル」への協賛や賛助も、きちんと検討してくださると約束してくださった。

社会や企業や若者たちのあるべき姿を、いつも真剣に考えておられる方々は素敵である。自然と人が引き寄せられてくる。

CSR部門への貢献。

うん。他の就職会社ではなかなか実現が難しいことだが、パフの社員ならオテノモノだろう。たぶん。

CSR部門に貢献できるサービスメニューなど、ちょっと真面目に考えてみよう!

あ、そうそう。

僕がこの会社のCSR部門にお邪魔させてもらったその直後、うちのヒラハラも同社の採用部門に訪問していたのだという。ぜんぜん知らなかった。

すでにパフは、大企業になってしまったのだろうか(苦笑)。

最近、急に新卒採用のあり方を問う議論が、あちらこちらでクローズアップされるようになってきた。すごい頻度だ。

13年前(パフの創業時)から、「おかしい、おかしい」「うそつくな、うそつくな」「姑息だ、姑息だ」「顔見せろ、顔見せろ」「うまれよ、うまれよ」と言っていた僕からすると、やっと時代が追いついてきてくれたか、という感覚だ(なあんて、エラソーに言ってみました)。

このところ、いろんな方々がブログやtwitterで持論を展開したり、新聞も大きく取り上げたり、テレビや雑誌も特集を組んだりしている。

きょうは新しく、日本学術会議から、「大学教育の分野別質保証の在り方について」(三部構成の第三部が、「大学と職業との接続の在り方について」)という政府への回答書が公表されたりもしていた。

さて。企業が変わるのか、大学が変わるのか、はたまた就職・採用業界が変わるのか。

でかい図体の組織は、なかなかすぐには変わらない。責任をとりたくない船頭がたくさん居すぎて変えられない。目先の利益(あるいはコスト)や競争ばかりが優先されて、わかっちゃいるけど変えられない。変えたくない人も多いから変えられない。

・・・というのが今までだったんだけど、なんだか今度ばかりは変わりそうな気がする。

急激な少子高齢化、労働人口の減少、経済のグローバル化……。もう、待ったなしである。

でも、ヘンな方向に変わらないようにしなくちゃいけない。

大きな勢力が、自分たちの保身や利益のためのズルをしないように、監視しなくちゃいけない。

10月上旬に、採用の仕事に携わる同志たちが集まって、あるべき採用の姿を議論したいと思っている。

就職(学生)と採用(企業)の現場にいちばん近い我々が、きちんとあるべき姿を考えて、誰かを批判したり非難したりするのではなく、自分たちの足で、あるべき姿に近づくための第一歩を踏み出すことが大切なのだ。

僕たちの主張は一貫している。

選ぶだけの採用から育てる採用へ。

企業と学生(若者)の間にある疑心暗鬼を取り除きたい。ギャップを埋めたい。信頼関係を取り戻したい。

すべての社会人が 当たり前のように 若者たちを見守り 育てていく世の中」が、僕らの目指す世界。

やっぱり鍵は、企業の採用担当者が握っていると思う。

これこそ最大のCSRであり、会社を存続、発展させるために不可欠なことだと思うのである。

ということで、続きはまた今度。上の回答書、読まなきゃ!

先日の日記で、CA養成講座のことを書いた

次回の講座は9月の中旬に行われるのだが、僕ら受講生は、この間、何もしないわけではない。

受講生には、「周囲の人の価値観を洞察する」という課題が与えられている。

対象者や、やり方(具体的なアクションプラン)についても、前回の講座の際にチームメンバーと一緒に話し合って決めている。

僕が、次回の講座までに実践すると約束したことは次のこと。

社員と直接、仕事以外の場で話をする機会をつくり、社員の抱えている課題(潜在的な課題も含めて)を発見する。具体的には、9月16日までに、計4回(4グループに分けて)、近場の飲み屋で飲食の場を設定する。その際、直属の上司や同じチームメンバーと一緒にならないようグルーピングを行う。

「なあんだ、単なる飲み会じゃないか」と言うなかれ。

単なる飲み会とならないよう、ちょっとした工夫を取り入れている。

本日は、この課題実践1日目。

お盆明け(まだ休暇中の社員もいる)最初の月曜日ということもあり、他の回より少ない3人だけ(僕を入れて4人)のグループだった。

しかも異色の組み合わせ。

パフ歴10年のヨシカワ、パフ歴1年のオオハシ(まだ内定者)、パフ歴1ヶ月のカトウ(インターン生)である。

これだけキャリアがバラバラだと話がまったく噛み合わないかと思いきや、逆に、とても意義のある話を、それぞれのメンバーから引き出すことが出来た。

特に、「価値観理解&共有」のために行ったワークが良かったのではないかと思う。

まだ参加していないメンバーがいるので詳細は割愛するが、これはなかなかのヒットだと自画自賛している。

日常の組織とは違うメンバー同士のグルーピングだったことも、功を奏したのではないかと思う。

全4回を終えたところで総括しようと思うのだが、第1回目の実施、まずは滑り出し好調だったということを書き記しておこう。

終戦の日に思うこと

2010年8月15日 (日曜日)

8月15日は、お盆であり終戦記念日である。

毎年この時期になると、テレビや新聞では戦争を題材とした特集が組まれる。

が、最近その分量が少し減っているような気がする。

データを調べたわけではないが(そんなデータあるのかな?)、戦後30年から40年を過ぎたあたりから、だんだんと少なくなってきたような気がする。

僕らの親の世代は皆、戦争を体験している。空襲にあった人たちも大勢いる。僕の父親などは、予科練に志願し、終戦がもう少し遅かったら、零戦に乗って米艦に突撃していたかもしれなかったという。もし父親が米艦に突撃していたら、僕がこの世に生まれることはなかった。

僕らが子供のころは、親や祖父祖母、親戚、友だちのお父さんやお母さんから、よく戦争の話を聞かされたものだ。

8月6日、9日、15日は小学校の登校日で、平和授業が行われていたりもした。

僕らは戦争を知らない世代ではあるものの、ある種のリアリティをもって戦争を感じることのできた最後の世代なのかもしれない。

しかし、いま世の中の第一線で活躍している社会人(30代~40代前半)にとっては、戦争はかなり遠い存在ではないかと思う。核家族化が進み、お祖父ちゃんやお祖母ちゃんから、昔の話を聞くことも減っただろうし。

マスコミで働く第一線の人たちは30代~40代が中心だろう。それが戦争の特集が少なくなってきている理由だとすれば残念なことだし、危険なことだ。

戦争の悲惨さを、リアリティをもって語ることのできる人たちは皆、高齢である。終戦時に15歳だった人たちは、もう80歳である。いまのうちに、もっともっと取材して、映像にして、記録に残しておかなければならないのではないかと思う。

昨夜、TBSで、「歸國」という終戦ドラマスペシャルが放映されていた。脚本は倉本聡氏の書き下ろしである。

戦争末期、南の海で玉砕した幾万もの兵士たち。その兵士のうち、あるひとつの部隊が65年ぶりに帰国した。南の海にまだ漂う仲間たちに、現在の(豊かになったといわれている)日本の様子を報告するためだ。

日本のために死んでいった英霊たちの目には、いまの日本が本当に豊かになったと映ったのだろうか。

なかなか深く考えさせられる脚本だった。

「いまの日本人は“豊かさ”と“便利”とを勘違いしている」

「便利というのはカラダを動かさないことだ。汗をかかないことだ。楽をすることだ。そんなのは豊かさではない」

ビートたけしが演じた上等兵の台詞である(記憶で書いているので正確ではありません)。

ギクッとした。

戦後我々は、便利なモノやサービスを多数生み出してきた。確かに便利になった。でも、それと引き換えに、「豊かさ」を犠牲にしてきたのかもしれない。

クルマにしても、新幹線にしても、飛行機にしても、携帯にしても、パソコンにしても、インターネットにしても、便利で便利で、もう手放せない。

企業の採用や学生の就職だってそうだ。ナビや情報誌のおかげで、便利で便利で仕方がない。汗をかかずに楽ができる。

倉本聡氏は、ドラマのホームページで、次のように語っている。

これは鎮魂のドラマであり、怒りと悲しみのドラマでもある。もう先のない僕らの世代が、一つの時代の小さな証人として遺しておかねばと思い、書き下ろしたものである

倉本聡氏は現在75歳。

この世代より上の方々には、若い世代に残しておいていただかなければならないものがたくさんある。まだまだ老兵は去ってはいけないのだ。

給与を決めた日

2010年8月13日 (金曜日)

パフは年に2回、昇給が行われる。半年間の、会社の業績、チームの成果、個人の成果、個人の仕事への取り組み(プロセス)、といった項目を総合的に評価したうえで、昇給額を(あらかじめ定められたルールを基にして)決定する。

昨日は、今年の1月から6月までの半年間の全社員の評価を確定させ、昇給額を決定し、本人に通知した日だった。

会社をつくって13年。起業前と起業後とでいちばん違うこと。それは「給料をもらう権利を持った人」から、「給料を払う義務を負った人」になったことだ。

会社の経費のなかでもっとも比率が高く重たいものが人件費。会社をひとりでやっているときは、ある意味とても楽。売上があがらないとき、資金繰りが苦しいとき、黒字を出したいとき、自分に給料を払わなければそれで済むからだ。

しかし従業員が一人でもいると、そういうわけにはいかない。従業員への給料は経営者にとってもっとも優先度の高い債務。支払わないなんてありえない。サラ金だろうがマチ金だろうがヤミ金だろうが、どこからであっても、なんとしてでも工面して、絶対に支払うべき債務なのである。

一方で、給料を払えるというのは、経営者にとって幸せなことである。「ああ、今月もちゃんと給料を支払うことができた」という、ちょっとした幸福(というか安堵かな)がある。その金額が大きければ大きいほど、幸せ度は増す。

・・・この気持ち、わかんないだろうなあ。

多くの経営者は(すべてではないだろうが)、「社員にはできるかぎりの給料を払って、いい暮らしをしてもらいたい」と思っているものだ。

かといって給料をたくさん払い過ぎて、会社を赤字にさせるわけにはいかない。もちろん潰すわけには絶対いかない。ちゃんと利益を確保して、株主や国に、配当金や税金として還元させる義務も持っている。

このバランスをどう組み立てていくか。

こういったところにも、(なかなか外からはうかがい知ることのできない)経営の思想があったりするものなのだ。

昨日、就職活動中の学生がパフの事務所まで相談にやってきた。

パフを知ったのはつい最近。お父さんに勧められたのだそうだ。

名前はK君。某大学の体育会で副委員長をやっている学生だった。

僕のイメージする体育会系の学生というのは、肝が据わっており、「押忍っ!」と大きく野太い声を出すような粗野な奴。殴ろうが蹴飛ばそうが、「ありがとうございます!」と言ってすぐにこちらを真っ直ぐ向くような奴。

ところがK君は、「おまえは手芸部の部員か?」と思うくらいの繊細な学生だった(スミマセン。「手芸部が繊細」というのも僕の勝手な先入観です)。

とにかく声が小さい。至近距離にいるのに聞き取れない。極度に緊張している。

「面接じゃないんだから、そんなに緊張しなくていいよ。そのリクルートスーツも脱いじゃえ。ほら、まずは麦茶を一杯飲みなよ」

なんとか話ができる状態になった。

話を聞くと、K君の就職活動は、体育会系専門のイベントに参加したり、体育会系専門の紹介会社から企業の紹介を受けたりしながら行っているらしい。

結果は推して知るべし。まったくうまくいっていない。

それはそうだろう。体育会系のイベントに参加する企業は、「体育会系っぽい」学生との出会いを期待しているわけなのだ。求人企業には、僕のように勝手なイメージを持っている人事担当者が多いはずだ。

K君にじっくりいろんな話を聞いてみた。

見た目はおとなしく、いまふうに言えば典型的な“草食系”なのだが、実はかなり硬派なのだ。ひとつのことを辛抱強くやり続けてきているし、後輩の面倒見もすごくいい。アルバイト先(スーパー)でも、違う世代の方々から可愛がられている。

“体育会系”というイメージと“見た目”とのギャップ。そして、実際の中身と“見た目”とのギャップ。

これがK君が、面接で思うように評価されない理由なのだろう。

これを少しでも埋めることがK君のいちばんの改善ポイントだと思った僕は、残された相談時間を訓練時間に充てた。まずは元気な声を出すことを習慣化させることだ。

「いいか、K君。とにかくキミのその声の小ささ。か細さ。それを直すぞ」

といって、声を腹から出させる練習をした。「あえいうえおあお、あいうえお」と、口を大きく開けさせる練習もした。「こんにちは!」と、何回も何回も発声させた。

結果、来たときとは比べ物にならないくらいの元気な声で会話ができるようになった。

「いいか、K君。家に帰ってからも、親と話をするときも、いつでもこんな感じで話をするんだぞ。大げさなくらい、でかい声を出すんだぞ」

そういってK君を見送った。

明日、とある企業の面接があるそうだ。昨日の練習の成果が発揮されることを祈る。K君、ガンバレ!!