パフ代表の徒然ブログ「釘さん日記」

健さん、かっこいい

2012年9月5日 (水曜日)

いま公開されている映画「あなたへ」が、モントリオール映画祭で、特別賞を受賞したという。ご存じ、高倉健が6年間の沈黙を破って主演した映画である。

高倉健といえば、僕らより上の世代の方々にとっては、東映の任侠映画(網走番外地とか)のイメージが強いのではないかと思う。僕は任侠映画はテレビでしか観たことがないが、このころの健さんは、確かにカッコよかった。

でも僕にとっての健さんは、なんといっても1978年に公開された映画「野生の証明」である。健さんは、自衛隊特殊部隊の有能な隊員役として主演していた。薬師丸ひろ子のデビュー作で、彼女の(義理の)お父さん役を演じていた。僕はこのとき高校3年生だったのだが、健さんがカッコイイのと薬師丸ひろ子が可愛いのとで大ファンになり、3回も観に行ったことを覚えている。

それから、(実際の公開は「野性の証明」の前年の1977年だった)「幸せの黄色いハンカチ」、1980年の「遥かなる山の呼び声」、1981年の「駅STATION」。いずれも僕が大学生のころの映画だ(「幸せの…」は、浪人時代に高田馬場の名画座で観たんだけど)。

最近では、1999年に公開された「鉄道員(ぽっぽや)」を観たのが最後だった。

いずれの映画でも、共通して僕が痺れたのは、健さんの「男らしさ」である。

寡黙でぶっきらぼうなんだけど、男の優しさと、寂しさと、厳しさが滲みでている。あの存在感の大きさ。そして、自分のことよりも周りのことや相手のことを真っ先に考える男らしさ。まさに僕があこがれる「日本の男像」である。自分の権利ばかりを主張する連中には、健さんの爪の垢を煎じて飲ませたい。

でも最近、まったく健さんを映画で観ることがなくなってしまっていた。マスコミの前にも一切姿を現さなくなっていた。

高齢(81歳)であることから、もう映画に出ることができなくなったのだろうか…と、心配していた。

そんな矢先の、今回の映画「あなたへ」。

僕は公開直後に観に行った。ストーリーそのものは凝ったものではないのだが、健さんのカッコよさは、昔のままだった。とても81歳とは思えない。実際、映画のなかでは65歳前後の役だったが、ぜんぜん不自然ではなかった。

そんな健さんの映画が、モントリオール映画祭で評価された。嬉しいじゃないか。

健さんは私生活でも、とても礼儀正しい方らしい。これだけの大物映画スターでありながら、撮影初日には自分からスタッフの方々のところに出向き「よろしくお願いします」と挨拶に回るらしい。とても謙虚な性格で、筋を大切にする人らしいのだ。

健さんは今回の映画祭の受賞で、鳴りやまぬ場内の拍手に対して、手を合わせて応え、涙を流したらしい。

高倉健、81歳。人生の大先輩であるが、僕ももし長生きするなら、健さんのような(役の上でも私生活でも)生き方を見習いたいものだ。

さて、本日は早朝会議。

朝ごはんを男らしく(?)食べてから行ってきます!