ドラマ『LEADERS』をみた。
2014年3月24日 (月曜日)
一昨日、昨日と、2夜連続で放送されたTBSのスペシャルドラマ『LEADERS』。トヨタ自動車の創業者、豊田喜一郎をモデルとして描いた骨太なドラマだった。
ドラマなので全部が全部、史実通りではないのだろうが、「世界のトヨタ」をゼロから築きあげた男たちがいたということに違いはない。この男たちがいなければ、戦後日本の奇跡の復興はなかったかもしれないのだ。
ところで、「機屋(はたや)に貸せても、鍛冶屋には貸せない」とは、住友銀行(ドラマの中では西国銀行)の名古屋支店長が倒産の危機に瀕していたトヨタ自動車の経営陣に言い放った台詞だ。ちなみに機屋というのはトヨタの母体である豊田自動織機のこと。
「お前らは機織り機だけ作ってればいいものを、自動車なんかに手を出すからこんなことになるんだ」という、(必死に踏ん張っていたトヨタ自動車の経営陣にとってみれば)最大の侮蔑の言葉だった。資金繰りを任されていた経理部長はその後、心労で命を落としてしまった。
これは実際にあったことらしく、トヨタ自動車の歴代の経営者は、この時のことをずっと恨みに思っており、住友銀行との取引を(三井と合併して三井住友銀行になるまでの長い間)ずっと拒み続けてきたらしい。規模こそ違えど似たような経験のある僕は、なんだかとても共感してしまった(苦笑)。
結局、日銀が(中央銀行としては異例のことだったのだが)救済に乗り出すのだが、その条件が社員の解雇。1,600人の社員たちの首を切らなければ融資を受けることができない。副社長、総務部長は「会社存続のためにはやむを得ない」と、解雇者のリスト作りを進めるが、その作業が組合員に漏れてしまう。そして、元々仲間同士だった社員たちが経営側と組合側に分かれて大きな労使紛争に発展。「家計が厳しいからと言って家族を追い出す家がどこにある!」と、社員の解雇を拒んでいた喜一郎だったが、最後は自ら断腸の思いで希望退職者を募ることに。そして自分自身も社長の職を辞することを決断する。
事業に情熱を燃やしてきた創業者。会社存続の責務を負う経営陣。会社生き残りの鍵を握るバンカー。事業をゼロからつくってきた古参社員。従業員の雇用を守らなければならない組合幹部。解雇される側の従業員…。
それぞれの立場になってこのドラマを眺めてみると、それぞれ違った見え方となるかもしれない。誰のための何のための会社なのか、事業なのか、銀行なのか。そんなことを考えさせられた。ひとことで言うならば「人の幸せのため」ということになるのだろうが、企業の大小に関係なく、経営や人事に関わる人たちの共通の課題だろう。
そういえば先週、非正規社員1万6,000人を正社員化すると発表したユニクロ(ファーストリテイリング)の柳井さんが社員に語った長いスピーチも、同じようなことを考えさせられる内容だった(全文がこちらに掲載されている⇒ http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20140319/261421/?P=1&rt=nocnt )。
おっと珍しく朝っぱらから真面目なことを書いてしまった。ちょっと似合わないな(笑)。
さて3月も大詰めの週。春に切り替わる週。プロ野球も開幕する週。節目の週の始まりだ。実は、鼻風邪なのか花粉症デビューなのか、よく分からないけど鼻水が大量に流れており、鼻の頭が赤くなっている。とりあえずマスクで鼻を隠したうえで行ってきます!