パフ代表の徒然ブログ「釘さん日記」

いま「釘さん日記」の管理画面をみてみたら、昨日から急にアクセスが増えていた。何があったのかなとアクセス元を調べたら、常見陽平さんが僕のブログを紹介してくれていたのが原因だった。

常見さん、影響力あるなー。AERAにも美人妻とのツーショットがいい感じで掲載されていたし。いや、まじめに素晴らしい写真でしたよ。

常見さんが紹介してくれたのは2つ。ひとつは昨日徹夜明けに書いたタイガーマスクのコラムに関すること。もうひとつは、昨年の今頃、就職人気ランキングのことを批判したこの日記 ⇒ 「就職人気企業ランキングのことを書く日」

あいかわらず就職人気ランキングを高めることをモチベーションにしてらっしゃる採用担当者も多いのだけれど、そして気になるのも分かるのだけれども、みんなで無視する(あるいは、あんなの意味がない!と声を上げる)のもいいんじゃないかと思う。

ところで、タイガーマスクのことを書いたコラムを以下、転載しておこう。

コラムの中では書けなかったのだが、タイガーマスクをはじめとする昔のヒーローたちに僕らが共感したのは、単に正義の味方だったり、カッコよかったりという理由だけではない。

彼らは皆、「苦悩」していたのだ。人間の弱さと必死に戦っていたからなのだ。だから僕らは感情を移入しながら、頑張ってくれ、勝ってくれ!と応援しながら観ていたのだ。

では以下、「どげえするんか?」よりの転載です。

 

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【01】釘崎の「どげえするんか?」

 第47回 タイガーマスクを、見習ってみんか?

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  パフ代表釘崎が、現在の採用市場、就職活動、世の中のあれこれについて、

   日々感じることを徒然なるままにお届けします。

  ※「どげえするんか?」=大分弁で「どうするんだ? どうしたいんだ?」

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  寒い日が続いていますが、心の温かくなるニュースが、この3連休のテレビ

 や新聞で報道されていました。

 

 そうです。タイガーマスクです。

 

 養護施設で暮らす児童たち。特にこの春、新小学一年生になる子供たちに、

 ランドセルや文房具やお金を寄付しているのです。

 

 しかも、全国いろんなところで……。

 

 昨年のクリスマスに、群馬県前橋市で確認されたのを皮切りに、これまでに

 全国14か所で確認されているそうです。

 

 全員がタイガーマスクである伊達直人(だてなおと)を名乗っているという

 ことですが、もちろん全員、本名ではありません。

 

 また、全国14か所のタイガーマスク(伊達直人)は、(たぶん)同一人物で

 もありません。

 

 前橋の「タイガーマスク第一号」に影響を受けた全国のタイガーマスクたち

 が、続々と立ち上がったのでしょう。

 

 昨年のクリスマスのニュースを聞いたときにも、「へー、なかなかやるなあ」

 と感心したものですが、この連日のニュースを聞くにつけ、感心から、すっ

 かり感動に変化しました。

 

 ☆☆☆

 

 この(タイガーマスクが全国各地に続出しているという)ニュースを聞いて

 すぐに思い浮かんだのが、『ペイ・フォワード』という映画です。

 

   ・・・・・

 

   人から受けた親切を、その人に返す(Pay Back)のではなく、次の人

   に渡す(Pay it Forward)ことで、次々と善意の輪が広がる。自分が

   行った親切に対して見返りを求めるのではなく「次に渡してほしい」

   と、ただ願うだけ。

 

   そうすることで、ついには世界をも変えることができる。世界中を温

   かい人の善意の心で包み込むことができるはず。

 

   ・・・・・

 

 『ペイ・フォワード』は、こう信じた主人公の少年が、心に傷を負った大人

 たちを癒していく、という映画でした。

 

 ☆☆☆ 

 

 私たちは、何か行動を起こすとき「それは自分にとって、どんな見返り(メ

 リット)があるのか」と先に考えてしまうことが多いのではないでしょうか。

 

 効率的な仕事や、合理的な考え方が求められるビジネス社会において、それ

 はある意味、自然な思考なのかもしれません。

 

 しかし、それが行きすぎると、「私は、あの人にこんなによくしてあげてい

 るのに、あの人は私に何も返してくれない…」といったような、恨みや怒り

 にも似た、寂しい感情に支配されることになります。

 

 ひょっとすると、いまの世の中を支配している閉塞感は、こういうところか

 ら生み出されてしまったのではないかと思えてきます。

 

 「行動しても見返りがないのであれば、何もしないほうが得だ」という考え

 が、私たちのどこかに巣食っているような気がします。

 

 ☆☆☆ 

 

 そんな私たちに「爽快なる往復ビンタ」をくれたのが、今般のタイガーマス

 クでした。なぜなら今般のタイガーマスクは、完全なる匿名での行為で、何

 の見返りも求めていないからです。

 

 推測ですが、全国に続出中のタイガーマスクは、私とほぼ同年代(あるいは

 少し上)ではなかろうかと思います。

 

 私たちが小学生だったころ、クラスのほぼ全員がブラウン管に食い入るよう

 に、タイガーマスクのテレビアニメを観ていました。

 

 毎週、番組最初のテーマソング(行けっ行けっ、タイガー、タイガー、タイ

 ガーマースークー♪)に胸躍らせて、番組最後のエンディングテーマ(温か

 いー人のー情けーもー、胸を打つー熱いー涙もー♪)で涙を流していました。

 

 私たちは、このテレビアニメで、人が人を思いやる大切さを学んでいたよう

 に思います。

 

 

 「強いものは、弱いものを助けるものだ」

 

 「大人たちは、子供たちを見守り育てるものだ」

 

 「何よりも大切にしなければならないのは、正義だ。どんな苦境に陥っても、

  フェアプレイだけは失ってはいけない」

 

 

 そんなメッセージを、このテレビアニメから強く受け取ったのが私たちの世

 代なのです。

 

 だから、今般のタイガーマスクたちは、40代後半から50代半ばくらいの年齢

 なのではないかと思うのです。あのころ、私たちに夢や希望を与えてくれた

 タイガーマスク。私たちに、人としての大切なことを教えてくれたタイガー

 マスク。そんなタイガーマスクを、もういちど世の中に復活させたいと考え

 たのではないかと思うのです。

 

 私も、いつかどこかで、タイガーマスクになってみたいと思うこのごろです。

 

 

 ☆☆☆

 

 【今回のどげえするんか?】

 

  いやあ、素敵やのう、タイガーマスク! 本当に偉いで、タイガーは……。

 

  タイガーの今回の善意によって、ランドセルや文房具をもろた子どもたち

  は、きっと大人になったら、タイガーのような優しくて勇気のある大人に

  なってくれるんやないかと思うよ。

 

  そういう意味では、40年前、テレビアニメの制作に携わったスタッフの皆

  さんも偉かった。あん人たちがおったけん、今般のタイガーマスクがおる

  んやもんな。いやあ、40年の歳月を経て繋がるもんやのー。

  

  さあ、あんたはどげえする?どげえするんか?

 

 

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