晴海埠頭を疾走した日
2009年7月20日 (月曜日)
昨日の日記に書いたように、きょうは朝から読書をした。就職マニュアル本である。
案の定、気持ち悪くなってくるとともに、頭まで痛くなってきた。
気分転換に外に出かけることにした。
清澄通りを歩いていると、月島で評判の定食屋の前を通りかかった。
「特製うな丼ご用意しました」というチラシが貼られている。
そういえば昨日は土用の丑の日。時間も昼時だったので、ついふらっと入店した。
出てきた「うな丼」を見てびっくりした。
すごい!!
鰻が丼のすべてを覆い尽くしていて、ご飯が見えない。
というか、どんぶりを1.5倍くらい鰻がはみ出している。
吉野家が夏限定で販売しているうな丼の3~4倍くらいのボリウムだ。
すっかり満腹になって店を出る。
マニュアル本による胸のムカムカは消えたのだが、ちょっと食べ過ぎで体が重くなってしまった。
カロリーのバランスをとるために、喫茶店で小休止したあと、ジムに行って走ることにした。
が、ジムに行ってがっくり。
本日は祝日ということで、終日、『Kid’sDay』とのこと。つまり子供以外はお断りだとのことだ。
こっちは走る気まんまんなのに。
ということで、久々に、外を走ることにした。
で、出かけたのが晴海埠頭だ。
晴海埠頭は、我が家から歩いても20~30分ほどのところにある。
オリンピックの開催がもし決まったら、この晴海埠頭にスタジアムが建設されることになっている。
現在は広大な空き地と公園になっているので(しかも人気が少ないこともあり)、走るのに絶好のロケーションなのだ。
いやあ、気持ち良かった。
実際には、どたどた、よたよたした走りだったのだが、それでも、自分なりに全力疾走したつもりだ。
写真にもあるように、本当に人があまりいない。
景色もなかなかいい。
週末のトレーニングは、ジムもいいけど、こういう場所も、たまにはいいかもしれない。
気がつけば、マニュアル本によるムカムカも、食べ過ぎによるカラダの重さも、すべて吹き飛んでいた。
就職マニュアル本をまとめ買いした日
2009年7月19日 (日曜日)
きょうは午後から本屋に入り浸っていた。
目的の本は一冊だけだったのだが、ついついいろんな本に目がいった。
なかでも多くの時間立ち止ったのが、就職対策本のコーナー。
あるあるあるある。「これでもかっ!」というくらいにマニュアル本が並んでいる。
SPI対策本、面接対策本、エントリーシート対策本、自己分析本……。本のタイトルを見ているだけで気持ち悪くなってきた。
それでも職業柄、無視することもできないので、胸のムカムカを我慢しながら何冊かの本を手にとって読んでみた。
こりゃ酷い。聞きしに勝る酷さだ。
なかでも酷いのが面接マニュアル本。“すぐに使える回答実例付き!”とか、“わかりやすさNo.1”とか、表紙に書いてある。
中を読んでみると、確かに、ヘボ面接官がよくするような、ありきたりの質問が30問ほど並んでおり、その横には、“模範的な回答”が(「こう答えろ!」なんていうアドバイスとともに)書かれていた。
まいったね、こりゃ。
こんな本を読んで、真に受けて面接に臨んでいる学生がいるかと思うと、可哀想でならない。
これも勉強だと思い、胸のムカムカが酷くなるのを覚悟して、何冊かの本を買って帰ることにした。
エントリーシートのマニュアル本のなかで、もっともムカムカする見出しを付けて売っていた本が、我究館の杉村太郎氏が著者となっている、その名も『エントリーシート』という本。
そのムカムカする見出しをちょっと下に書き写してみる。。。
激戦を勝ち抜いたOB/OGがすすめる就職本ランキング1位。1人が10社以上の内定を勝ち取る秘密は、あらゆる業界・企業に通用する「魂のエントリーシートにあった!」
あー、もうだめだ。書き写すだけで吐き気がしてきた。
さすが世の中に『自己分析病』の患者を多数生みだした著者の本だ。健康なはずの僕までもが病気になってしまいそうである。
そうはいっても、きちんとした書評をするためには、すべてを読んだうえでじゃないとフェアじゃない。
明日の休みは、これらマニュアル本を、胃薬と吐き気止めを服用しながら読んでみることにしよう。
評価会議だった休日の日
2009年7月18日 (土曜日)
きょうは土曜日なので、本来は休日なのだが、パフのグループ長たち(3人)は全員が出社していた。
会議を行うためだ。
何の会議を行ったかというと、社員全員の「評価会議」。
パフでは半年に1回、昇給・昇格のチャンスがあるのだが、それを決めるための会議が、この評価会議だ。
このことについては、今年の1月の日記でも書いているので、気になる方はこちらをどうぞ。
⇒ 2009年1月29日 (木) 半年に一度の評価会議だった日
午後一時から始まった会議は延々と続き、終了したのは夜の八時だった。
七時間ぶっつづけの会議。終了したときには、さすがにフラフラした。
しかし、達成感はある。
社員一人ひとりの半年間の仕事を振り返ることで、その社員の変化や成長をあらためて実感することができる。評価の点数だけ見ると無味乾燥なものなのだが、その点数の裏側には、とても真剣で温かな意見交換が存在しているのだ。
評価会議が終了した後、近くの安い居酒屋で一杯やって帰った。
この居酒屋の料理と酒がとても美味しかった。加えて、従業員(学生アルバイト)の対応が素晴らしかった。大仕事を終えたあとの酒は旨い。
なかなか充実した一週間の締めくくりなのであった。
商道徳を考えた日
2009年7月17日 (金曜日)
世の中、「競争に勝つためには手段を選ばない」という連中がいる。
「法律に触れていないのだから、自分たちのやっていることは何の問題もない」と嘯(うそぶ)く連中がいる。
競争に勝つためなら何をやっても構わない?
法律に触れていないのだから問題ない?
「ふざけるんじゃない!!」 と、言いたい。
「恥ずかしくないのか!?」 と、問いかけたい。
こう言われて逡巡するようなら、まだ救いがある。
しかし、 「結局、それはお客様が決めることですから」と言い訳するようなら、もはや見捨てるしかない。お客様を悪者にして、「自分はその悪者に従っただけ」という詭弁に正義があるとでも考えているのか?
目の前の競争には勝てたとしても、長いビジネス人生の中で、その輩は、「信用、信頼という大きな財産を失う」ことになる。
自分の行いが、人としての道を踏み外しているということに早く気付いてほしい。
お客様が正義であるとは限らない。お客様が間違っている場合には、「それは違います」と言って差し上げられることが、本当の顧客志向ではないだろうか。
そんなことを考え、憤りを感じた一日だった。
芸術家との対談みたいだった日
2009年7月16日 (木曜日)
大学3年生が読者の中心である、パフの就職活動応援サイト『職学校Web2011』のプレサイトがいまオープンしているのだが、そのなかのコンテンツに【校長が行く】という読み物がある。
これは、僕と、学生や企業のエライ方とが一対一で対談し、その模様をWebに掲載するというもの。わりと昔からのコンテンツで、5、6年前までは、【釘さん対談】とも呼ばれていた。
現在はプレ企画第一弾として、学生代表のヨロズ君(青山学院大4年)が、僕にインタビューしてくれた内容が掲載されている。
なかなか面白いので、ご確認あれ。⇒ 【校長が行く】
そして、本日はこのシリーズの対談の二回目。松竹の人事部長(執行役員)のセキネさんと僕との対談だった。
対談の中身は、Webで公開されるまでは(ネタバレになるので)あまり書けないが、とても愉快なものだった。
セキネさんの中学時代、高校時代、大学時代の話。そして、若手社員時代の話をじっくりと(思いっきり脱線しながら)聞かせていただいた。
なかでも、芸術関連の話は興味深かった。画家の大家、カンディンスキーの話から始まり、哲学者のショーペンハウアーの話まで広がったときには、面白い一方で、どうやって話を畳んでいこうかとヒヤヒヤしながら進めていった(苦笑)。
最長1時間の予定で始まった対談だったが、結局30分延長。全90分の対談となった。
こりゃあ、Webの編集者(ナガサキ)は、この原稿をまとめるのは一苦労だろうなあ。
思わず、机に置かれていたボイスレコーダーに、「ナガサキさん、長くなってごめんなさい」と、セキネさんと僕とで交互に謝ったくらいだ。
Webでの公開は7月末ころになる予定だ。この夏話題の映画、「HACHI 約束の犬」の公開が8月8日なのでちょうどいいかも(実は、HACHIといっしょに写真を撮っており、この写真も公開される予定だ)。
みなさん、乞うご期待です!
決算処理業務が本格化した日
2009年7月15日 (水曜日)
パフは6月が決算月だということは以前も書いた。現在は新しい期(第14期)の一ヶ月目。組織も体制も一新され、みんな、新たな気持ちで仕事に励んでいる。
が、僕のなかでは、まだまだ前期(第13期)は終了していない。これからが決算業務や業績開示業務の本番なのである。
きょうは朝から、顧問会計事務所の方に来ていただき、数字と睨めっこしながら、あれやこれやと細かいすり合わせを行った。
企業会計というのは、家計簿とは違って(当たり前だけど)いろんなルールに則って処理される。そのルールを遵守しながらも、それぞれの数字の意味づけや置き場所や処理方法について検討を重ねていくのだ。
ウハウハに儲かっている(下品な表現ですね)ときには、少しでも税金が安くなる工夫をしたりする(いわゆる節税というやつ)のだが、それが行き過ぎると脱税になって、返ってたくさんの税金を納めなければならなくなってしまう。
おかげさまで(?)現在のパフは、節税の心配も、脱税の心配も一切しなくていいのだが、それはそれで困ったものなのである。
でもまあ、一年間の数字を眺めていると、いろんなことが見えてくる。
プロの会計士や税理士になると、決算書の数字を眺めるだけで、その会社の(儲かっている、儲かっていないだけではなく)強みや、弱みや、ムダや、不足や、理念や、戦略や、思想までもが見えてくるのだという。
若い人たち、特に多くの顧客と接触する営業担当者にはぜひ、決算書に慣れ親しんでもらえたらと思う。
昔、パフが掲げた協賛企業の基準を記す日
2009年7月14日 (火曜日)
パフには昔、新卒採用を行う企業と取引を始める際に、明文化していた基準があった。
「パフの職サークル協賛基準」と銘打って、次の3つの事柄を、商品カタログの冒頭に大きく記載した。
(注)当時は、「パフの協賛企業」と「パフの取引企業」は、同じ意味だった。パフのサービスを利用するためには、パフの協賛企業になる必要があったからだ。
1.世の中に新しい価値を提供すべく努力している会社であること。
2.熱き思いで、自社の理念、ミッション、ビジョンを語ることのできる会社であること。
3.道義を重んじ、ウソのない誠実な採用を行う会社であること。
「この3つの事柄を遵守していただくことが、パフのお客様になっていただくための条件なんです」ということを、企業への営業活動のとき(特に初回訪問のとき)に説明していた。
創業時の社員数名しかいない、吹けば飛ぶようなパフが、こんな青臭くて生意気なことを言いながら営業活動を行っていた。しかも時代は“超就職氷河期”。企業は、さほど苦労せずに新卒採用を行えていた時代の話である。
「それじゃなくても営業が苦しい時代に、そんな条件を取引企業に突き付けるなんて、ちょっとあなた、頭がおかしいんじゃないの?」と、よく言われたものだ。
そんななか、この協賛基準に感動し、お客様になってくださる会社がいた。当時の常識からすれば、相当におかしな会社だったのかもしれない。しかし、いずれも本質を大切にする、人を大切にする、人の道を大事にする、素晴らしい会社ばかりだった。
いや、“会社が素晴らしい”というより、パフとの取引を決断した人事担当者が凄かった。骨太だった。度量が大きかった。
中には上司を騙して、パフへの申込書に判子を押した人もいた。ヘタをすると「クビ」である。しかし、仕事は恐ろしくできる人たちだった。その証拠にかつてのパフ協賛企業の人事担当者の皆さんは、その後、みんな出世していった。社長になった人も一人や二人じゃない。
しかし、その後いろんな事情があって、パフはこの協賛基準を高らかに謳うことをしなくなった。そもそも、取引企業を排除するための基準ではなく、多くの会社に、「そうなってもらいたい」という期待を込めての基準だったのだが、 「そんな基準は排他的だからやめるべきだ」という、一部の意見を受け入れることにしたのだった。
いい面と悪い面があった。
いい面は、取引企業が格段に増えたこと。
悪い面は、「協賛」の価値の低下だ。もっと言うなら、「ちょっとふざけてませんか?」「それって、人の道を踏み外していませんか?」というお客様を、ちらほらと見かけるようになったことだ(そもそも、お客様に向かって「ふざけてませんか?」という僕のほうが、ふざけているのかもしれないですね、苦笑)。
・・・おっとっと。取りとめなく書いてしまった。これ以上書くと、エスカレートしそうなので、このへんで。
なんでまた、きょうの日記でこんなことを書いたのかというと、この道一筋30年以上のキャリアを持った人事マン(現職は某大手人事コンサル会社の社長)と、晩飯を食べながら次のような会話をしたからだ。
「最近は、すごいと思える学生が少なくなってきたけど、同時に、すごいと思える骨太な人事も少なくなってきたよね。そういえば最近さ、こんなふざけたことを言い出す人事担当者がいてねぇ……」と、ちょっと残念なお客様の振る舞いの話を僕がした。
するとその大御所は、
「え? それってパフの協賛基準を守っていないってことじゃないの?」
と、素朴に質問してきた。
僕は思わずドキッとしたのだった。
道義を重んじ、ウソのない誠実な採用を行う会社であること。
こんな時代だからこそ、もう一度、高らかに謳わなきゃならない取引基準なのかもしれない。