パフスタッフが綴る何気ない日常。日々感謝をこめて。「パフ・ザ・マジックドラゴン 執務室」

「自分にしかできない仕事」は罪

2013年11月22日 (金曜日)

おはようございます。土田です。

「自分にしかできない仕事がしたい」
「これは、私だからできた仕事だ」
そう思って仕事がしたいと、人間は思っている。

 

しかし、

「自分しかできない仕事」「自分だからできた(他の人にはできない)仕事」
の存在は組織で仕事をするうえでは、重罪である、と思う。

そして、究極の自慰行為ではないか。

 

「○○さんだから、お願いしました」
「○○さんにお願いしてよかったよ」

と私たちの上司やお客様は言ってくださるが、
こんなものは、ウソなんだと思う。

いや、上司やお客様がウソで言っているという意味ではありません。
心底本心で言ってくださっていると思います。

 

しかし、「ああ、これは私にしかできない仕事なのだ」と
受け取る側が真に受けてはいけないと思うのです。

「ああ、そう言ってもらってありがたいな」「恩返ししよう」と
思いながらも、

「自分がいなくても回る状態」を作るために仕事をする必要がある。
「自分でなくてもだれでも同じ品質でできる状態」を目指す必要がある。
と思うのです。

 

そりゃあ、人間だれしも

「私の介在価値が感じられる仕事をしたい」
「私だからこそできる仕事をしたい」と思います。

そして、それができていると実感すると
幸せになります。それが普通です。人間ですから。

 

私なんかは、新入社員~3年目くらいまで
「自分にしかできない仕事をしたい」欲求が
過剰なくらいに強かったように記憶しています。

自意識過剰な、痛々しい若手でした。
(今も自意識過剰ですが)

 

しかし、ふと宇宙の彼方から地球を見下ろすとき、
「自分にしかできない仕事」など、あろうはずもないという
事実に気付いた気がします。(それともこれは、諦め・妥協なのか?は置いておいて…)

そう思うと「自分がいなくても回る状態を目指して仕事する」
「誰でもできる状態にする」の方が高次元でカッコいいと思うようになりました。

 

自分がいなくなったら、分かる人がいない。
ブラックボックスなので、自分以外の人は何もわからない。
ずっと自分一人で担当していると、新しいアイディアを取り入れにくくなる。

人は、ずっと同じ部署や会社にいるわけではないので、
結果的には、後任の人や、会社全体、何よりもお客様に多大な迷惑をかける。

「自分にしかできない仕事」は組織にとっては危険です。

そもそも、
「自分にしかできない」
「自分だからできた(他の人だったら無理だった)」
「他の人には任せられない」
これはすべて、ある意味、己の驕り・傲慢です。
(一方で、私たちの自尊心を満たし、自己承認感を得るためには必須のものです)

 

自分にしかできないことなど、あるわけがないという前提に立ちながらも
「やっぱり、○○さんに任せてよかったよ」
「これは、○○さんにしかできない、お願いしますよ」

と言ってくださる方々の存在に感謝する。
(ここで、自尊心を満たせるので、モチベーションは保持できる)

感謝はするが、「自分にしかできない」と真に受けず、

「誰でもできる状態」
「自分がいなくなっても回る状態」
を目指してやる。

 

「個人の快楽」に思いっきり振り切って仕事をしている組織人はカッコ悪いし、
「組織の利益」のみに振り切って、自己犠牲している人もカッコ悪いです。

自尊心を満たしながら、組織の全体最適を実現する、
そんな人になりたいものです。

 

まずいラーメン屋

2013年11月19日 (火曜日)

ラーメン大好き吉川です。

先日もお昼、ラーメンを食べました。

以前入った時そこそこの味だったお店の前をちょうど通ったので、
2人ほど並んでいましたが、無性にラーメンが食べたくなって並びました。

席に座ると、厨房では元気なスタッフが楽しそうに働いています。
ラーメンも席に座って数分で出てきました。

でも・・・、残念ながら、とてもまずかったんです。

以前食べたときは全く違っていました。
チェーン店なので、基の味や素材は変わっていないはず。

作り手の問題かな?とキビキビと働いているスタッフの方々をじっと観察してみました。

取り立てて目立ったミスはないのですが、ところどころの作業が雑。
何か流れ作業で、決まった工程をいかに早くやるかに集中しているように感じました。

お客様がたくさん入って人気が出ると、「いかに効率的に作業を回して、どんどん
お客様をさばくか」というコスト削減に集中するのは当たり前。

でもだからこそ「美味しいラーメンをお客様にお届けする」という、
とっても単純だけど、お店本来の価値を見失ってはいけないのだな、と思いました。

神は細部に宿る。
大きな目的や本来の価値を重視していれば、自然と細かなことにも目配り気配りが
できるようになるのかもしれません。

私も「就職と採用のあるべき姿を追い求める」と宣言するなら、
誰よりも学生一人ひとりの就職と企業1社1社の採用に丁寧に向き合わねばならない
なと気づきました。

そんなことを考えながら、今日もまた、おいしいラーメンを探して外回りします。

新人を育てるという「余裕」

2013年11月12日 (火曜日)

おはようございます。土田です。

いよいよ、納品のシーズンがやってきました。

営業も引き続き佳境ですが…
これからは、営業をしつつ、お客様の納品を滞りなく高品質に進めていく、
一年で最も忙しいシーズンになります。

 

突然ですが最近、思うことがあります。

それは新人を育てる、という「余裕」を持つ難しさです。

現在弊社では、バリキャリとハピキャリを見事にアウフヘーベンした平原が
産休に入ったこともあり、3人の新入社員が営業にも納品にもいきなり最前線に立って
仕事をする状況が続いています。

プロ1年目でいきなりスタメン出場と言う感じですね。

 

新入社員3人ともプロ一年目から大活躍の元ジャイアンツ・上原のように獅子奮迅の活躍!
…とはさすがにいかないのですが、カープでかつて新人ながら抑えをつとめた小林幹英並の
活躍をしてくれていると思います。
※つまり新人ながら一軍の試合に出て結果を出している、ということです。
 わかりにくくてすみません。

もちろん、初めてのことでうまくいかないこともたくさんあるわけですが、
日々の経験を糧に急速に成長していく彼らを見るのは、
ハラハラ・ドキドキで面白い毎日であります。

 

私自身は、いままでレポートライン直通の後輩がいなかったこともあり、
彼らとのやり取りも、日々勉強であります。

どこまで口を出すべきか、任せるべきか、

結構短期的な成果が求められるので、悠長なことも言っていられないが
あれをしろこれはダメだというと、やる気をそいでしまう。

叱った後もあのいい方はまずいのではないかとか、
やっぱりあれは口出ししないほうが良かったのではないか、とか
試行錯誤の毎日です。

 

そんなあるとき、新入社員に引継ぎをした某S社のYさんから
「土田さん、もうウチの打ち合わせは来なくていいですよ。来ると、口出ししたくなっちゃうでしょう」
「○○さんは、我々が育てます」
という言葉をもらいました。

時を同じくして、新入社員に引継ぎをした某F社のTさんからも
「○○さんは、我々が責任を持って育てる」
「たっぷりかわいがるので、覚悟してほしい」
という言葉をもらいました。

 

2社とも、弊社のビッグクライアントさんで、決して安くはない取引額。
「お金を払っているのに、新入社員が担当では不安だ。担当を変えてほしい」
「なぜ他社の新人を、ウチのお金を使って育てなければならないんだ」
と言われても不思議ではないのに、なんと
「私が○○さんを育てます」と言ってくださる。

何と有難いことでしょう。

 

改めて「新人を育てる」と言うことは、心の余裕が必要なのだと感じます。
私も「自分でやったほうが早そう」とか「新人にはこんなことを任せてよいのだろうか?」
と思ってしまうときは「目先の成果にのみとらわれていて、余裕が無い」ときです。

確かに、弊社も含めて現在余裕たっぷりの企業など、そもそも
そんなに存在しないのでしょう。短期的な成果を追い求める気持ちは十分にわかります。
(私も中間管理職見習いなので…)

しかし、「余裕を作る」努力を忘れては、人は育たない。
育てた人が、長期的には何倍ものパフォーマンスで返してくれる。
前述の素敵なクライアントさんたちは、そのビジネスの本質を
知っているがゆえに、あのようなことを言ってくださったのだと思います。

素敵なクライアントに囲まれて仕事をする喜びをかみしめつつ、
自分自身も余裕が無い時こそ、新人を育てる余裕を持つ努力をしようと
思う今日このごろです。