パフスタッフが綴る何気ない日常。日々感謝をこめて。「パフ・ザ・マジックドラゴン 執務室」

集中力

2012年3月1日 (木曜日)

こんにちは、島田です。

 

皆さんは集中力には自信がありますか?

私には忘れられない失敗談があります。

 

まだ駆け出しの社会人だった頃、会社の先輩からある仕事を任せられました。

他の人が作成した数ページの資料があり、その記載内容に間違いがないかチェックするという、仕事としては単純なものでしたが、私は資料の中の記載ミスを見落としてしまったのです。

自分では一生懸命取り組み、見落としがないように気をつけていたつもりなのですが、完全なケアレスミスによる見落としでした。

 

実はその資料はミスの許されない非常に重要なものだったため、念のため先輩がこっそりと再チェックをしてくれていたおかげで事なきを得ましたが、後で先輩からこっぴどく叱られました。

 

それから何日か経って、その先輩はもう一度同じような仕事をくださいました。

私は、今度は失敗できないぞという気持ちで臨み、チェックを終えた後「今回は見落としはないだろう」と、自信満々でその先輩に資料を渡しました。

 

ところがしばらくすると、先輩の怒鳴り声が聞こえてくるのです。

 

「こらっ!島田、また見落としがあるじゃないか!」

 

自分ではあれだけ細心の注意を払ったにもかかわらず見落としがあったことが信じられません。

 

私:「えっ?よく気をつけて見たつもりなのですが・・・」

先輩:「じゃあこれは何なんだ!」

 

先輩は私がミスを見落とした箇所を私に突きつけます。

それを見ると確かに私の見落としで、私はぐうの音も出ません。

 

私:「申し訳ありません。きちんとチェックしたつもりだったのですが・・・」

先輩:「・・・わかった。もういいよ。」

 

ケアレスミスを連発してしまった私には、その先輩からは仕事の依頼は来なくなりました。

一緒に仕事をしていく人間として失格の烙印を押されてしまったのです。

 

こういうケアレスミスは、単に集中力の欠如です。

自分では一生懸命やっているつもりだったのですが、「絶対にミスが許されない」という心構えで必死になって取り組んでいたかというと、今から思えばそうではなかったと思います。

いや、そのときは必死な気持ちで取り組んでいたつもりだったのですが、自分の必死さのレベルが低かったがために集中力を発揮できていなかっただけだということが、後になって分かってきたのです。

 

当時の私は、自分の集中力の欠如の自覚もなく、集中力のなさをカバーする仕事のやり方の工夫もなかったのです。

そのくせ、「ちゃんとチェックしたつもり」などという戯言を言っていたのです。

自分では一人前の仕事ができるつもりでいたんですね。

 

この先輩からは仕事はいただけなくなりましたが、他の先輩社員の指導のおかげで、そんな私でも何とか仕事をこなせるようになっていきました。

それから1年も経ったでしょうか。

気が付くとケアレスミスは全くなくなっていました。

 

仕事に対する責任感が芽生えて、集中力が高まったのでしょうか。

あるいは自分の能力の低さを補う工夫ができるようになったのでしょうか。

それとも他の人の仕事のやり方を学び、ミスを防ぐやり方を身に付けたのかもしれません。

 

仕事の精度が上がった理由は、実は自分でもよく分かっていません。でも昔に比べて集中力が増したことは間違いないだろうと思います。

最近は年のせいで逆に集中力が落ちてケアレスミスが増えてきているようにも思いますが・・・(苦笑)

 

そうして、周囲に認めてもらえるようになった結果、先輩や上司からさらに多くの仕事を任せていただけるようになりました。

しかし、あの先輩からはいつまでたっても仕事の依頼が来ることはありませんでした。

 

一度失った信頼を取り戻すことは最後までできなかったのです。

私にとって忘れられない失敗談です。

 

でもこのようにケアレスミスの繰り返しを許さない先輩がいてくださったからこそ、私の仕事に対する意識も改革され、曲がりなりにも独り立ちできるようになったのだと思っています。

 

次は、杉平です。