パフスタッフが綴る何気ない日常。日々感謝をこめて。「パフ・ザ・マジックドラゴン 執務室」

ゴリラ的読書日記之12

2016年4月22日 (金曜日)

こんにちは。12回目でございます。

先にNHK大河が大体50話位まであることを参考に、それ位を目標にと声高らかに宣言してしまいましたが、今回ご紹介したい著書はそのような無茶な目標に縛られては、逆に針路を見失うことを諭し、継続性を尊重しつつも、柔軟な針路変更を是と主張する本です。

私も歩みを振り返ってみて、元々体育会系上がりで脳味噌までをマッスル化することを是とした世界に入り浸っていたため、体重が70㎏程度しかないのに、ベンチプレスで150㎏を上げることを至上命題として、無茶苦茶な筋トレメニューを日々こなしていた過去があります。

お陰様で、実写版ポパイ-青春篇があれば、東洋人枠でアクター参加が出来たかもしれませんが、肝心の本業では余り意味をなさず、むしろ邪魔になるシーンが散見され、高校生last1年間で急激な軌道修正をした記憶がございます。

(私は「防ぐ」が基本に、「蹴る」「走る」が付随する役割でしたので…何故あのような設計をしたのかが、全くもって他者に説明することが出来ません。多分に当時憧れていたStalloneに少しでも近付きたくて、ボクシングのトレーニングメニューを取り入れてしまったのだと思います。…話しは逸れますが、『CREED』。昨年観た映画の中で圧倒的なBestでした。小学生の頃に観た『ROCKY』。私を体育会系に引きずり込んだ原因をつくったイワクツキの映画の新章ですが、Philadelphiaのあの階段を瞬間移動のように駆け抜ける若かりし頃のRockyと他人の補助が無いと上り切ることも困難な今のRocky。そのコントラストの描写が実に素晴らしく、隣席のおそらく40代後半と思われる男性(初見)と一緒に映画館で泣き崩れておりました。時は残酷で、儚い(のだろう)。本当に関係ないですね。すみませんでした)

何事もバランスが大事です。。非常に考えさせられる一冊でした。

■J.D.クランボルツ A.S.レヴィン(2005)『その幸運は偶然ではないんです!』ダイヤモンド社。

■動機:

職場の方から薦められた一冊でした。

クランボルツ教授が提唱するプランドハップンスタンス-セオリー、個人のキャリアの大方は考えもしなかった偶発的なイベントによって決定される。よって入念に事前に設計した計画に執着することなく、その突然の出来事を柔軟に取り入れ、愉しみ、自らのキャリアを素晴らしいものにしていきましょう、と説いた理論ですが、当時のキャリアの目標設定、進捗管理、遅延原因の追究と解決策、行こうぜ、ピリオドの向こうに、的なキャリアカウンセリングの現場に対し、真逆の主張をしたことで話題を呼び、同時に広く社会で受け入れられたため、有名になった理論です。

この理論の事例集的な本であったのですが、ケースが持つ独特の強み、個人の実体験に紐づく主張の整合性の補填が十二分に発揮されたものでした。なるほど、なるほど、確かにね。一般化は難しいですが、そこには確実に真実が見え隠れしており、非常に強力な説得力を有していました。

■所感:

クリステンセン教授のイノベーションDNAでも主張されているイノベーターの5種の特徴にも根底では通ずる理論であり、(良い意味で後付けではありますが)キャリアを輝かしいものに結果的にした方々は類似する行動パターンと採っていることは、まだまだ短い社会人人生ではありますが、経験則から納得出来ます。

・取り敢えず前向き (でも爽やか)

・未来志向 (地に足はついてる)

・挫けない (限界は知ってる)

・リスクをリスクと思わない (チャンス!)

・好奇心旺盛 (無関心領域が多分、無い)

・学びに対し貪欲 (何処かナルシスト的要素が必要??)

・破壊的愛嬌 (八方美人は面倒臭い)

・積極的慎重性 (ただの慎重はただのビビり)

…などなど。

必ずどの組織にも一人か二人はいますよね。私も尊敬する人は必ず、全てではないですが、一部は当てはまっているような気はします。凄いな、と妬み(?)に近い感情すら芽生えます。意識して、改善できる要素は改善し、少しでも上述のような人材へ変容せねばと思います。課題は山積みです。

一方で批判的検証なのですが、(当然クランボルツ教授の論文には解答があるものと思われますが)キャリア構築とこのような特徴との関係性が相関なのか、因果なのか、更に云うと矢印の向きは正しく<特徴→キャリア>なのかという点です。仮に<キャリア→特徴>であった場合には、身も蓋もない…結局置かれた環境が個人の道筋を決定してしまうじゃん…ツマラナイ現実です。(ただしクランボルツ教授は、環境を積極的に選択することの重要性を説いています。外部環境は難しくとも、内部環境は努力で何とでもなる、と)

もう一つが、この特徴は先天的なものなのか、もしくは後天的なものなのか、その区分け、その記述が無いことです。仮に先天的なものであった場合、更に身も蓋も無い、真に哀しい現実です。

ただし、冒頭で私が話を逸らした体育会系への誘いのきっかけについての件で述べた個人の経験則からの批判的検証への解答ですが、この反論に関しては否と(個人的には)主張できます。何故なら明らかに『ROCKY』を観る前と、その後では私の人格は変わっています。前まではかなりの文学系。父親の書棚にあった『Newton』や偉人の伝記を借りパクし、読み漁っていました。それがあの映画を観たがためにマッスル至上主義…鈍感の極みともいうべきスポーツを自発的に選択し、没入する日々。「リスク」という言葉を当時のリトル佐伯は間違いなく知りませんでした。だから後天的に備えることが出来る!!と云い切れます(笑)。結果はともかくとして。

以上、長々と乱文を徒然なるままに書き綴ってしまい、真に申し訳ございませんでした。

まあ…ケセラセラ、でいいのかな、が私が述べたい最終的な主張です(笑)。

■お薦め本

(※ 心理学的アプローチの本は余り分からず…ただ以前にご紹介した著者がこの主張を経営論的な観点から間接的にフォローしているように思われ、親和性が高いと判断し、2冊だけ載せます)

楠木建(2014)『「好き嫌い」と経営』東洋経済新報社。

楠木建(2016)『好きなようにしてください』ダイヤモンド社。