パフスタッフが綴る何気ない日常。日々感謝をこめて。「パフ・ザ・マジックドラゴン 執務室」

「就活二次戦線」に備える(2)

2014年2月25日 (火曜日)

<前回までのあらすじ>
1.景気動向指数がリーマンショック前の水準に回復した
2.2015年卒は売り手市場化かと言う報道がなされる
3.学生が例年よりも大手人気企業に集中している
4.企業は採用意欲旺盛も、採用基準を下げることはしない傾向
5.この流れは、2011年卒採用の時に似ている
6.当時は採用人数未達のまま、採用活動を終える企業が続出した
 ※当時のHRプロ社統計によると、34%が採用人数未達。
  うち、未達成でも採用活動を終了した企業は43%
7.同じ轍を踏まぬため、どのような準備が今から必要だろうか

要約するとこれだけなのに、ずいぶん長々と書いてしまいました。反省です…
⇒ http://blog.shokucircle.jp/staff/2014/02/10/3736

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さて、今回はいよいよ
「2015年卒採用、採用成功をするにはどのようにすべきか」
を考えていこうと思います。

 ○その1 初期スクリーニングで落としすぎない
  A.不必要な事前ハードルはなるべく取り除く
  B.内定期間や入社後、努力すれば大丈夫なことは不問にする 
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――

 ○その2 機械的に内定を出さない「楽勝な会社だ」と思わせない
  C.安易に最終面接の面接に進ませない
  D.安易に内定を出さない 
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――

 ○その3 「地に足が着いた」学生に見逃さずアプローチ
  F.3月末~GW明けに「学生の役に立つ説明会」を
  G.時期によって選考フローを柔軟に変える
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――
 
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 ○その1 初期スクリーニングで落としすぎない
―――――――――――――――――――――――――――――――――

 一般的に、第1クールは一番母集団の質が高いものです。厳しく落としすぎ
 てしまうと、第2クール以降で同じレベルの学生さんを集めるのはどんどん
 困難になってきます。今年は特に、要領のよいどこでも受かる学生に内定が
 集中してしまいそうな気配です。そういう学生はバッティング必至です。
 
 「就活慣れしておらずアピール下手だけど、ウチの仕事や社員には合いそう」
 という学生をどれだけきめ細かくフォローし、且つ選考を通して成長させて
 いくかが、例年より大事になってくると思います。

 【ポイント】
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  A.不必要な物理的なハードルはなるべく取り除く
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――
  
  説明会にエントリーシート・履歴書持参という企業様がたくさんあります。
  買い手市場であれば、本気の応募者だけに絞り込むよい手法だと思います。
  
  しかし、放っておいてもたくさん優秀な学生が応募してくる企業でない限
  り今年はこうした物理的ハードルは避けるべきです。自社の志望度が上が
  っていない状態で、ただ物理的なハードルを課すだけでは「なぜあなたの
  会社にそこまで労力を割かないといけないのか」と学生は思ってしまいま
  す。実は会って話をすれば、魅力を感じてくれるかもしれない学生を自ら
  門前払いしているようなものです。

  とはいえ、合わない学生は事前にスクリーニングしておきたいというのも
  事実です。私のお勧めは、物理的ハードルよりも心理的ハードルです。

  Web(採用HP・Web説明会)や会社説明会のような場で「当社はど
  のような人が向いている」ということを学生にもわかりやすく伝えること
  です。具体的には「採用情報の徹底的開示」「説明会のような場では、社
  員との交流や業務体験ワークなどを実施する」ことです。

  きちんと学生に「この会社は自分に合うか」セルフスクリーニングしても
  らえるだけの判断材料を提供すれば、筆記試験やエントリーシート等の双
  方の手間が増える物理的ハードルを増やさずとも、母集団の適性なスクリ
  ーニングが可能です。

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  B.内定期間や入社後、努力すれば大丈夫なことは不問にする
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  マナー、礼儀、面接(オトナと話すことへの)慣れ、自社理解度…
  これらはすべて、内定期間や新入社員研修で鍛えれば済む話です。
  
  現在の採用基準で「選考時にできていること」が本当にどれだけ大事なの
  かを見直してみると良いのではないでしょうか。これだけでも、本当は合
  うかもしれない学生を落としてしまうリスクは減ると思います。

  また「一般的には面接基準と考えられているが、ウチの場合入社後のパフ
  ォーマンスには関係ない」ことは不問にするのも手です。これから面接が
  本格化する前に評価基準を見直してみてはいかがでしょうか。

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 ○その2 機械的に内定を出さない「楽勝な会社だ」と思わせない
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 某大手人材企業では、学生によって面接の回数が違うそうです。学生を口説
 く一方で入社する覚悟がついていない限り、何度でも面接を行うそうです。
 機械的なフローで選考を行い、こちらが一方的に内定を通知するから学生も
 内定を重く受け止めないのではないでしょうか?内定は本来「採用内定」と
 いう事であり、最終選考合格と入社意思の表明が両方成立して初めて内定と
 言えます。この原則に立ち返って学生に対応すべきだと考えます。

 【ポイント】
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  C.安易に最終面接の面接に進ませない
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  企業と学生はお互い選びあうものだ、とよく言われます。もちろん、企業
  は選考に来た学生に、次の選考にも来てほしいか否か選んでいます。
  
  しかし、学生からすると「合格と言うのはわかったが、次の面接に進むか
  否を自分で選ぶのだ」意識的に考えている学生さんばかりではありません。

  「当社は、入社の覚悟がある人しか最終に合格しない」
  「最終面接を受けるかどうかは自分で決めてほしい」
  「もちろん、まだ決められないなら待つ。最終面接の権利も保持する」
  「でも、採用予定数が埋まってしまったら、ごめんなさい」
  
  という風に、覚悟のない学生に最終面接にホイホイ進ませないというのが
  良いと思います。「何人最終に合格させれば、辞退率が○%なので…」と
  いう予想も大事ですが、入社する学生しか内定にしないという本来の言葉
  の意義に立ち返るべきだと考えます。

  ポイントは「あくまで学生にとってもフェア」であることです。

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  D.安易に内定を出さない
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  先ほどと重なりますが、内定は本来「採用内定」で、企業が一方的に「あ
  なたは内定」と言うことが本来おかしいのだと思います。なぜそのような
  習慣になっているのかと言うと「最終面接に合格したらその会社に入るも
  のだ」という古い時代の習慣がそのまま残っているのではと思います。
 
  繰り返しますが、本来最終選考合格と入社意思の表明が両方成立して初め
  て内定です。これを学生にも伝えたほうが良いと思います。

  そのうえで、こう続けます。

  「当社からは内定は出さない」
  「入社するかどうかは自分で決めてほしい」
  「もちろん、決められないなら待つ。内定を自分に出す権利も保持する」
  「でも、採用予定数が埋まってしまったら、ごめんなさい」

  あくまで最終選考合格は最終選考合格であり、内定かどうか=入社するか
  どうかは自分で決めるというスタンスが大事です。

  その後は個別クロージング対応です。

  「そんなこと、自分の会社がよほど人気企業でないとできないのでは」と思わ
  れるかもしれませんが、実はこれ、当社の選考で実施しています。当社は
  BtoCでも人気企業でもありませんが、内定辞退は毎年ありません。

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 ○その3 「地に足が着いた」学生に見逃さずアプローチ
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 大手企業ばかり追いかけていた学生は、3月末~4月中旬にかけて「持ち駒」
 が無くなります。そこでやっと夢が覚め、地に足が着いた就職活動を始める
 方も相当数いると思います。

 では、4月に第一志望の企業群に落ちた学生が全然ダメなのか?というと、
 そんなことは全くないと思います。
 
 ポテンシャルは高いが憧れだけで、全く向いていない企業を受け続けた学生
 もいるでしょう。素質はいいのだが、ただ社会人慣れしていないだけで面接
 でうまく自分をアピールできなかった学生もいるでしょう。

 そこを逃す手はありません。

 【ポイント】
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  F.3月末~GW明けに「学生の役に立つ説明会」を
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――

  では、持ち駒が無いからと言って、どこでもいいと思っているかと言うと
  そんなことはないでしょう。であれば「この会社に応募する」メリットを
  提示しなければなりません。ただ説明会を開けば勝手に来るかと言うと、
  そうはならないと思います。

  あくまで持ち駒が無い学生にとって「役に立つ」コンテンツを提供するべ
  きです。

  例えば:
  「自分の面接の問題が分かる、模擬面接つき説明会」
  「これから新たな業界を探す人のための、会社の探し方講座」
  「4月で志望業界に落ち、5月からリスタートして就職を決めた経験を持
   つ先輩社員による体験談」

  などではないでしょうか。

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  G.時期によって選考フローを柔軟に変える
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――
 
  4月までは、企業の選考はおおむね足並みがそろっていますが、それ以降
  は乱立します。自分の会社が一次面接をやっているときに、他の会社では
  最終面接ということが頻繁に起こります。

  5月以降の選考では「スピード」が重要になります。まさに「拙速を聞く
  も未だに巧みの久しきを見ざるなり」の世界です。

  そこでは、4月までの選考フローを踏襲する必要は全くありません。

  例えば:
  「5月の選考からは、選考フローを一つ減らす」
  「会社説明会とグループディスカッション(or筆記試験)を同時に行う」
  「4月の選考で最終面接に進んだ経験を証明できるものを持参すれば、
   1次面接はパス」
  「1次面接と2次面接を同日に連続して実施する」

  などです。

  ちなみに毎年「他社の内定を持っている方は、いきなり最終面接」という
  類の施策に走る企業様がいらっしゃいます。気持ちはわかりますが、これ
  は道義に悖る行為です。
  
  また「当社の選考を落ちた人で再チャレンジOK!」というのもまま聞か
  れることです。これは、新たな母集団形成が絶望的な状況下では無しでは
  ないですが慎重に行わないと学生の反感を買います。これをやるくらいだ
  ったら、前述AとBを実践し「そもそも落としすぎない」のがお勧めです。

 

「就活二次戦線」に備える(1)

2014年2月10日 (月曜日)

こんにちは。マジックドラゴンの土田です。

いきなり余談ですが、先日弊社の吉川がブログの記事を久々にアップしたとこ
ろ、私のブログとは比べ物にならないほど「いいね!」が集まるという事件が
ありました。(泣)

やはり、大事なのは日ごろの行いや良好な人間関係を築くための人間力なのだ
なと痛感した次第ですが、腐らずに書こうと思っております。

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さて、ついに、選考シーズンも本格化してきました。そして「何やら今年の採
用は波乱がありそうだ」と言う思いを日に日に強くしております。

経団連企業ではエントリーシートや適性検査等いわゆる「プレスクリーニング」
が、非経団連企業ではすでにグループディスカッションや面接等が始まってい
ます。

※ここでいう経団連、非経団連というのは経団連の倫理憲章に則
り選考をしている企業とそれにとらわれずに選考をしている企業と言う程度の
意味で、他意はありません。

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企業の採用担当者様に所感をお聞きすると

・毎年「他にどこの会社を受けているの?」と聞くのだが、今年は明らかに、
 例年バッティングしないような超大手企業の名前ばかりが並んでいる。
 (中堅物流)

・プレスクリーニングに参加している学生のうち、ターゲット校比率が下がっ
 ている。
 (中堅運輸)

・全体的に、選考を受けに来る学生の学歴だけでなく、レベルが下がっている。
 感覚的にだが「この人はいいな」と言う人の割合が下がっている。
 (中堅Sier)

と言うお話を聞きます。

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一方、学生はというと、

・今は志望企業のエントリーシート対策や企業研究に余念がない。
・すでに業界を絞っているので、知らない企業の説明会よりも、志望業界の選
 考やその準備を優先している
・景気が回復し、企業も採用数を増やすということをよく耳にする。チャンス
 が少しでもあるなら有名人気企業を受ける
・ブラック企業には絶対行きたくないので、有名人気企業から受ける

といった具合です。

まだ推測の域を出ないし、感覚的な印象でしかありませんが、明らかにこう言
えそうです。

「学生は去年より早く志望企業を絞っている」
そして「絞っている対象は、去年よりも有名人気企業に偏っている」
※もちろん毎年大なり小なりそうなのですが、より顕著と言う意味です。

そして、いかに景気動向指数がリーマン前の水準に景気が戻ったとはいえ、企
業アンケートを見ても、採用基準は下げないという回答がほとんど。求人倍率
も一気にリーマン前の2.14になるとは考えにくい。

「見せかけの売り手市場」に踊らされ「大手に絞った」学生が、「採用数は少
し増える」とはいえ「質はそこまで妥協しない」大手人気企業に殺到すること
になると言えそうです。

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むむむ。今年は、久々に危険なにおいがしております。
(煽るつもりも無いのですが、私自身弊社の採用担当として危惧しております…)

こんな時は、過去の事実から教訓を抽出し、同じ轍を踏まないようにしたいも
のです。

採用を長く担当されている方なら、記憶に新しい、2011年卒採用。
ちなみに私は当時、新卒入社したばかりの営業でした…

その2011年卒採用では、何が起こったか思い出してみましょう。

あとでわかることですが、2011年卒採用では、前々年2.14、前年1.62だった求
人倍率が一気に1.28に冷え込んだ年でした。

しかし、学生はそんなことは知りません。不景気を煽る報道は多分にありまし
たが、今のように就活が社会問題として大きく騒がれる直前のタイミングでし
た。学生は先輩の「何とかなるよ」という話を信じて売り手時代の就職活動を
していたように思います。リーマン直後の「内定切り」も問題になっていまし
たので「内定切りをしなさそうな信頼できる企業=有名人気企業に行こう」と
言う風潮があったように記憶しています。

一方企業はと言うと、リーマンショックのあおりを受け、採用数減、採用予算
削減の嵐が吹き荒れた年でした。「厳選採用」と言う言葉が躍り始めたのもこ
のころからだったと思います。

つまり、企業側は限られた費用やマンパワーを、厳選された一部の学生に集中
して投下しなくてはいけない状況に陥りました。

————

その結果、どうなったか?

「見せかけの売り手市場」に踊らされ「大手に絞った」学生が「夢破れて」、
「4月前後に大量に就活二次戦線に放出される」ことになります。

そして、

「世間的にいい学生」に「内定が集中」したため、企業は内定辞退に苦しむこ
とになりました。

「どこにでも受かる要領のいい学生」は内定をたくさん取得する。一方「見込
みはあるがイマイチ目立たない学生やアピール下手な学生」は、一次戦線では
厳選採用の名の下に落とすことになる。

追加募集をかけても、内定を出せる質の担保ができない。こんなことなら、一
次戦線で落とした「見込みはあるがアピール下手」な学生を上に上げておけば
よかった…

「敗者復活選考」を実施する企業もいました。しかし「見込みはあるがアピー
ル下手」だった学生は、面接に慣れていくうちに企業から内定をもらってすで
に市場から姿を消している…

人数目標未達だが採用活動を終了する企業が相次ぎました。

これに似たことが、2015年卒採用でも起こるのではないか?
というのが私の直感です。

では「必要な人材を必要な数入社してもらい、活躍してもらう」という採用の
ミッションを達成するために、我々にはどのような準備が必要なのでしょうか。

次回、この点について考えてみたいと思います。

最近すっかりブログ執筆を怠っていたヨシカワです。

昨日、社内の営業チームのメンバーで
「もっと会社の一体感を高めるためにチームの行動指針を作ろう!」
という議論を行いました。

「気持ちよく働けて、お互いを高めあえる理想の職場」にするために
各自ができていないことや周りを見ていて気になっていることを
正直に伝えあうところから始めました。

さまざまな意見がでましたが、最終的に「何をしていくか」を決めていく
段階になって出てきた意見は、以下のようなことです。

■あいさつは大きな声で。語尾をはっきりと言おう!
■来客があった際は、全員、立って挨拶をしよう!
■話かけられたら、相手に顔と体を向けて対応しよう!
■電話はすぐとる。2コール以上相手を待たせるのは社会人失格!
■各自の日報は、必ず閲覧!
■オフィス内での不平不満愚痴は厳禁!

結局、新入社員、いや小学生でも守ろうといわれる基本行動を実践することが大切だという結論に至りました。

自分を成長させてくれる職場
自分が活躍できる職場
楽しく働ける職場

そんな場は、どこかに用意されているわけではない。
そのような職場にしようと常に意識して努力している社員がそこにいるだけなんだ。
そんな当たり前のことに気付けた瞬間でした。

今週職サークルで実施したイベントで、私の尊敬する人事担当者さんがこんなメッセージを学生さんたちに発信していました。

「二流は、やりがいを外に求める。
 一流は、やりがいを内に求める。
 超一流は、やりがいを周りに与えることができる」

理想の職場で働きたいのなら、それを相手に求めるのではなく、
自分が理想の職場をつくる覚悟をもつ。
そのために当たり前のことを当たり前のように実践する。

いつでもどんな方がいらしても変わらない、気持ちいい職場を目指して。
基本行動から実践しようと思いました。

あ。もし今後、パフ/マジックドラゴンの職場に立ち寄られる方がいらっしゃったら、
上のようなことが実践できているか、ぜひ確認してください!
抜き打ち調査、大歓迎です。

「合説」はオワコン化したのか?

2014年1月27日 (月曜日)

こんにちは。マジックドラゴンの土田です。

先日、あるお客様が参加される合同企業説明会=合説を見学してきました。私
自身、なかなか合説の会場に足を運ぶことがないので、楽しみな気持ちで会場
に向かったのですが、何かがおかしい。

会場に学生がいないのです。

昨年比、3分の1程度の動員だったそうです。懸命に呼び込みをしても、ブー
スに座ったのはたった10名でした。

同様の情報を、他のお客様からも聞きます。

「大手ナビの合説に出たが、会場にそもそも学生がいない。終了時間の1時間
 前には、学生がほとんど帰ってしまい、早めに店じまい」
「学内合説、79社企業がいるのに学生が80名程度しか来なかった」

 

BtoBの企業や、中堅中小企業、大手でも学生が敬遠しがちな業界の企業な
どでは「ブースに人が座らない」ということもままあるということは理解して
いたつもりです。

でも「そもそも会場に学生が来ない」というのは、リーマンショック後の採用
活動では考えにくかったことです。「採用活動は水物」と言うことを思い知ら
されます。

では、学生はどこにか消えてしまったのでしょうか?

2015卒採用戦線では、大手人気企業が12月中盤からひっきりなしにプレセミナ
ーを開催。「景気回復している」と聞き「見せかけの売り手市場」を信じて疑
わない学生たちは、例年以上に大手人気企業への集中傾向を見せています。

「そもそも会場に学生が来ない」合同説明会。来年以降、企業は費用投下に慎
重にならざるを得ないでしょう。

—–

一方で学生に話を聞くと、

「合説に言っても、知っている企業は人であふれかえっているし、知らない企
 業はどこに行っていいかわからない」
「くたくたに疲れるだけで、何も得られない」

と言う答えが返ってきます。(勿論、上手に活用している学生はいます)

じゃあ、一体合説によって誰がハッピーになっているのだろうか…?

このままでは、完全に合説は「オワコン化」します。

—–

そうはいっても「企業と学生の出会いの場」という、元来合説が期待されてい
た本質的なニーズと言うのは、無くならないと思います。

では、就職情報会社は、どのような合説を生み出すべきなのでしょうか。また
採用担当の皆様におかれましては、どんな合説に費用を投下すべきなのでしょ
うか。

少し考えてみました。

①会場の学生全員に、存在を認知されることが確約されているもの

 例)
 →ブース形式だが、冒頭にすべての会社が1分程度で全学生の前で自社紹介
  する時間がある
 →小規模の会場で、来場したすべての学生と座談会を行える

 

②人気企業やプレゼントなどのエサ目的で学生を動員するのではなく、
 イベントコンテンツそのものが学生に役に立つものになっているもの

 例)
 →模擬面接や模擬グループディスカッションを行い、学生が人事にフィード
  バックを行う形式
 →企業紹介だけが前面に出ておらず、学生が気軽に企業に質問・就活相談で
  きる形式

 

③一回接点を作って終わりでなく、継続的な接点がもてるもの

 例)
 →数回のシリーズ制になっており、同じ学生と複数回会える
 →イベントで会った学生と、定期的に交流する「場」が設けられている

 

④学生が出会った企業に「応募しやすくする仕組み」があるもの

 →主催者側からイベント後に、学生に手厚く応募促進を行っている
 →イベント前、または当日に、学生が主体的に企業を比較できるようなサポ
  ートを主催者側が行っている

—–

一言でいうと

『学生のためになる内容か』『学生が主体的に知らない企業とも接点を持とう』
という設計になっているか、がカギではないでしょうか。

主催者が効率よく金儲けをするための設計はもちろん、とにかく効率よく自社
の売り込みをしたいという企業都合が全面に出た「学生の視座が欠如した合説」
は、結果的には採用に繋がりにくいと考えます。

2016卒採用では間違いなく「ナビオープン前に学生に接触しましょう」と就職
情報会社がしたり顔で合説を提案してくることでしょう。浮足立って、煽られ
ないようにしたいものです。

我々が「学生視座に立脚し設計された合説」を生みだし、チョイスすれば、学
生にとっても良い合説のみが生き残ります。学生に徒労感を感じさせ、採用に
もつながらない合説が淘汰され、結果的に我々の採用もうまくいく、というサ
イクルが生み出されることを切に願います。

元リクルート執行役員で、弊社がとてもお世話になっている
村井満さんがJリーグチェアマン就任予定と各種報道機関が報じています。

NHK / ニッカン

私がお会いしたことがあるのは本当に数える程度ですが、思い出深いのは

1.内定者の時にリクルートエージェント(当時村井さんは同社社長だった)に
 表敬訪問させていただいたこと。

 当時私は今以上にあほだったので、リクルートエージェントが何やっている会社とか
 業界内ではすごい会社だとかいうことも知りませんでした。

 大企業の社長と言うイメージとはかけ離れた、等身大・自然体の姿が印象的でした。

2.職サークルでかつて実施した「ニッポンの若者に会わせたい一流の社会人」に参加
 いただいたとき、イベントの運営について暖かいご指摘をいただいたこと。

3.不躾にも「香港に行くので知り合いを紹介してほしい」とfacebookでメッセージを送ったら
 (私の帰国後)「ゴメンなあ、メッセージ見てなくて、今気づいたんだよ。今釘崎と飲んでるから来ないか?」
 と電話をいただいたこと。

私も50を超えても20代の若人とフラットに話せるようにありたいものです。
(決して尊大な裸の王様みたいになっていませんように…)

facebookを見ると、村井さんのJリーグチェアマン就任にびっくり!おめでとうございます。
と言うつぶやきをたくさんの人が上げていて、本当に人望のある村井さんはすごいなあと。

自分はJリーグチェアマンになることもないかもしれませんが、
なったとしてもここまで多くの方に祝福されないだろうなと。

普段お会いする際の村井さんがあまりにも気さく過ぎて、
いきなり新聞でお名前を拝見すると失礼ながら
「え?やっぱりそんなすごい方なの?」と驚いてしまいました。

それだけ、息子くらいの年のはなたれ小僧の私にも偉そうにせず、
フラットに話してくださる村井さんの懐の深さにただただ尊敬です。

明けましておめでとうございます。マジックドラゴンの土田です。

2014年は、直近に迫った2015卒採用もさることながら、2016年卒採用の「採用
活動時期変更」にどう対応するか、と言うことが大きなテーマになる年ととら
えています。

かく言う当社も「2016年卒向けのサービスはどうしようか」と、文字通り暗中
模索しているところであります。

そこで、採用活動時期変更が起こるとどうなるのか、と言うことを冷静になっ
て整理してみました。

ここでは、話を分かりやすくするために新卒採用市場に参加している企業を、
「学生が就職活動前から社名を知っているか否か(消費者知名度の高さ)」
「『経団連の指針』に従って選考活動をするか否か(経団連加盟企業か否か)」
という2つの軸に分けてプロットしてみたいと思います。

①「消費者知名度高」×「経団連加盟」
②「消費者知名度高」×「経団連非加盟」
③「消費者知名度低」×「経団連加盟」
④「消費者知名度低」×「経団連非加盟」

——

①「消費者知名度高」×「経団連加盟」
このグループは正直、時期が変わっても応募者集めに困ることはないと思いま
す。しかし「まだ自社や自業界を志向していないが、優秀な人材」の確保はよ
り難しくなるのではないでしょうか。特定の「ターゲット層学生」には、就職
ナビ解禁の前にあの手この手で接触しておく必要がありそうです。

また、接触するだけでなく「就職先として認知してもらう」ところにも、もう
一つハードルがありそうです。肌感覚でしかありませんが、本当に能力の高い
学生は「今人気の企業・すでに大きくなった企業に入っても、下積みが長いだ
けで、自分の成長につながらない」と冷静な見方をしています。

製造業などでも地域・職種限定職などを設け、入社時から「リーダー候補」と
「プレイヤー候補」を分ける動きもありますが、そのように「優秀な人材は
『本当に』年齢に関係なく抜擢しリーダーとして育成する」という証拠を見せ
られない企業は、応募者はたくさん集まるがコア人材獲得に苦戦、ということ
になるのではないでしょうか。

リーダー候補人材を採用したいという意思表明だけでなく、リーダー候補とな
るような学生が自社を選ぶ理由・メリットをつくり、提示することが重要にな
ってきます。

——

②「消費者知名度高」×「経団連非加盟」
外資系企業やメガベンチャー等がこれに当たりますが、このグループもさほど
応募集めには苦労しないと思います。経団連企業より先に選考を始め、クロー
ジングする。内定承諾したらインターン勤務や内定者研修などで拘束し「就職
活動を続けるより、ここのインターンや研修を受けるほうがメリットがある」
「別に大手有名企業の選考が始まるまで就活を続ける必要はない」と学生に思
ってもらうことがカギになると思います。

また、ターゲット学生に「会いに行く」、ターゲット学生が「入る理由」をつくり
提示することが不可欠、という点は①と共通です。

——

③「消費者知名度低」×「経団連加盟」
BtoB上場企業など、学生には知られていない大手企業がここに属します。
このグループは、まずは学生に存在認知してもらうための機会確保が至上命題
になると思います。学校や学生団体とのパイプを構築し、就職情報会社に頼ら
ない学生接点をいかに作るか、と言うことがカギになります。

もともと企業としては大きいので、存在を認知してもらった後は「BtoBな
らではの醍醐味」を伝えて行くことが課題といえそうです。

——

④「消費者知名度低」×「経団連非加盟」
学生に知られおらず、かつ規模も中堅中小(一部創業一族が経営者の大企業非
上場会社もあるかもしれませんが)が中心となるこのグループが最も「応募者
集め」および「内定者クロージング」に苦戦しそうです。

おすすめなのは、2段構えの採用です。「1段目」は、就職情報会社に頼らず
学生接触できるパイプを作っておき、人気企業の選考が始まる前(7月末)に
内定を出すようなスケジュール。「2段目」は大企業選考がひと段落した9月、
10月あたりから選考を行うスケジュール。「1段目」は内定辞退も覚悟の上
で優秀層を「口説き、入れる」選考フロー。「2段目」は確実に必要な人材を
必要な数だけ調達するためのフローです。

——

ざっくりと書いてみましたが、結局どのグループの企業でも

A.就職ナビオープン前に、ターゲット学生にいかに接触するか
B.8月以降に予想される他社との内定バッティングにどう対応し、確実に内
  定者をクロージングするか

が争点になると思います。

また、A.に関しては「就職情報会社を頼らない独自チャネル」の構築が採用
の成否を大きく分けそうです。

ナビのオープンは3月になるとはいえ、就職情報会社がナビオープン前に学生
と接触できるイベント等のサービスを用意するであろうことは容易に想像がつ
きます。

そして、就職情報会社に煽られた多数の企業がそれらのサービスに大挙して参
加することになれば、結局一部の人気企業以外は埋もれることになるでしょう。

文系理系問わず「OB/OGの教授との関係構築」「出身社員がいる部活/サ
ークル/学生団体との関係構築」「文化祭等の学校行事への協賛をきっかけに、
ターゲット校の学生と関係構築」「産学共同活動を通した学生との関係構築」
などが「就職情報会社を頼らない独自チャネル」と言えそうです。

また、上記のような活動が個社で難しいような「採用担当数者が少ない企業」
は、複数社合同で上記のようなパイプ作りを行うことも求められます。採用担
当者同士の横のつながりが大きな意味を持ってくると思います。

例えば、複数の会社が合同でキャリアセンターに「模擬面接講座をやりたい」
と売り込みに行ったり、合同で学生団体にアプローチしたり、などです。

昨今、ソーシャルメディア等の発達もあり、個別の企業同士や、企業と学生団
体が就職情報会社を介さずとも接点を持ちやすくなってきました。「就職情報
会社を頼らない独自チャネル」を築くのは比較的容易になっていると言えます。
(採用facebookページを作ればよいという意味ではなく、異なる企業の採用担
当同士が繋がったり、企業の採用担当者が学生団体にコンタクトを取りやすく
なったという意味です)

特に、放っておいても学生が集まってくるという企業以外では、採用担当が
「営業」として、学生とのチャネルづくりに注力し、なるべく「実作業」はア
ウトソースする、という流れが今以上に加速するのではないかと感じています。

弊社でもアウトソーシング事業を10年以上にわたって行ってきましたが、比
較的規模の大きい会社様から「請け負う業務の範囲」が広がってきていると強
く感じます。具体的には説明会の運営や面接会場での学生案内など、以前なら
それなりの規模の会社様であればアウトソースなど考えにくかった業務です。

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B.に関しては、一人ひとりの内定者の「意思決定基準」を細やかに把握し、
丁寧にクロージングする、この一言に尽きると思います。例え数十人、数百人
の採用規模でも「1対1」のクロージング場面をどれだけ作れるか?がカギに
なると思います。

そのためには、採用担当者は「実作業」に追われることなく、いつでも学生に
「クロージング訪問」できる体制を作ることが必須になります。

「採用担当者のコア業務」はより実作業から、対学生の「ジャッジ」「口説き」、
対社内の「調整」にウェイトがシフトしていくのではないでしょうか。

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また、矛盾するようですが「時期が変わったからといって本質的なことはあまり
変わらない」という視点も非常に重要になると思います。こういった変革期に浮
足立ってしまい、就職会社の言うがままの施策を実行し、これまでの「自社らし
い採用」が損なわれ、失敗したというケースを多く見てきました。

ターゲットの学生に就職先として認知してもらうことはどんな時代でも難しいで
すし、ターゲット学生を魅力付けし内定クロージングすることは、就活が何月か
ら始まろうが難しいものです。

時期変更とともに変えるべきもの、変える必要のないものを我々採用担当が整理
し、心得ておくというということが極めて大切です。

おはようございます。土田です。

竹原慎二の「ボコボコ相談室」というWebコンテンツがある。

現代人の悩みに「胸をえぐるようなカウンター」を返すというものなのですが、
これが、いい。

たまたまfacebookで知り合いがシェアしたのが目に入ったのですが、
その記事が、これ(ダンナが疲れとるのは仕事じゃなく、お前にじゃ。)

私も、周囲が名だたる大手有名企業に就職する中
「みんなと一緒じゃつまらん」と強がって、当社を選んだものの、
(本当は大組織で生きていくのが面倒・イヤなので、ラクな方に逃げた。
 もっと正確に言うと、大組織に入れなかった)
うまくいかないときは「大手に行った人がうらやましい…」と比較して悩んでいたクチなので、
竹原さんの一言に非常にスカッとしました。

竹原さんってガチンコファイトクラブでやらせをやっているイメージしかなかったので、
同じ広島県民として「どうなの?」と思っていたのですが…

私が言うのも偉そうだが、見直しました。

で、思わず全部読んでしまいました。(移動時間や休憩時間にですよ。念のため)

共通しているのは
「周りや環境のせいにするな」
「相手や周囲から客観的に見たらどうかを考えろ」
ということ。

 

さらに、現在のものは「続」だそうで、「本家」を見てみた。

150人ほどがボコボコにされていた。

で、全部見てしまった。(勤務時間外ですよ。念のため)
昨夜一人で2時間もPCの前にかじりついてしまった。

勇気をもらった。
弱音を吐く若者には上司・経営者の視点、
若者を嘆くオッサンには若者の視点で厳しい突込み。

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竹原さんの「カウンター」の中で印象深いものは、こんな感じ。

若者には…
「上司は企画だけして、実務はすべてやらされる」
それが組織じゃ、嫌なら辞めろ

「社長は自分のために社員を働かせている」
資本主義とはそういうもんじゃ、経営者は個人で借金しとるんじゃ、
 お前は何のリスクもなく給料もらって、ありがたいと思え

「僕は優秀なはずなのだが、出世できない」
おめでたい奴じゃの、空気読めや。ホンマに優秀ならとっくに出世しとるわ。
 努力したと自分で言っても、周りが評価せんかったら何の意味もないんじゃ。

—————————————-
管理職や経営者のオッサンには…

「ウチの部下が無能だ」
 お前がダメ上司なんじゃ。部下がやる気を出す職場づくりに努力しとんのか。

「部下が言うことを聞かない」
お前は部下の話きいとるんか。お前が優秀な上司なら、ほっといても言うこと聞くわ。

「ゆとり世代が使えない」
「ゆとり」の上手な扱い方は今やマストなスキルじゃ。
お前の時代は良かったかもしれんが「いいから働け」が
今の若者にも通用すると思っとる時点でお前は上司として無能じゃ。
—————————————-

至極、客観的なんです。

私は若手もオッサンの立場もなんとなくわかるので、非常にニュートラルな突込みに納得してしまった。

何より愛がある。

そして、広島弁でのブラックジョークが愛嬌を添える。
(標準語で同じことを言うとかなりきつい印象になるでしょう。)

自分の悩みを書きだして、それに対して竹原になったつもりで突っ込むと前向きになれる気がする。
ぜひ今週末に実践してみようと思います。

 

求人広告のジレンマ

2013年12月16日 (月曜日)

おはようございます。マジックドラゴンの土田です。

本日は「求人広告のジレンマ」と言うお話です。

弊社の話で恐縮ですが、2015卒は弊社も新卒採用を行うことになりました。

全社で新しい仲間を受け入れる準備をする、というのはやっぱりいいものですね。
私も、当社マイナビ画面に先輩社員メッセージを寄稿しました。

 

「求人広告業界人たるもの、ここまでぶっちゃけるべし!」というギリギリの
線をついたつもりなのですが、少しマイルドな表現に代わって掲載されていました。

本当は、もっとぶっちゃけたい。
でも、関係者に要らぬ迷惑を掛けたくない。
とはいえあんまりきれいごとは言いたくないし…

一緒にお仕事させていただいているお客様は
このジレンマと闘っていらっしゃるのか、と実感しました。

 

採用広報物の制作に携わるたびに痛感します。
採用担当の方が本当に学生に言いたいことが、
大人の事情により歪んで学生に伝わることがしばしばです。

空気を読んでお察しする
→角が取れる
→みんな同じことを言っている
→結局何も伝わらない
→何も言っていないのと一緒

という「面接で学生がみんな同じ志望動機を言う」のと同じ現象が
「採用広報」の世界でも起こるのです。
今回はそのアンチテーゼとして、できるだけ思っていることをストレートに書こう!
と思った次第です。

我々は小さい会社で、言いたいことをそのまま言っても揚げ足をとられたり、
悪意をもって曲解され「炎上」とったリスクが低いので、まだやりやすい。
一方、規模の大きな企業の採用に携わる方々は大変なご苦労をされていると思います。

しかし、採用候補の現場を数多く経験してきたうえで、
敢えて僭越ながら申し上げると、それでも半分は「お察し」な気がします。

「言いたいことも言えないこんな世の中はpoison」という
反町の歌がありましたが(懐かしい!)
本音で話すと叩かれる(かもしれないので空気を読む方が無難)
という現状に、まだまだ微力ながら弊社自身の採用活動でも一石を投じていく所存です。

 

「自分にしかできない仕事」は罪

2013年11月22日 (金曜日)

おはようございます。土田です。

「自分にしかできない仕事がしたい」
「これは、私だからできた仕事だ」
そう思って仕事がしたいと、人間は思っている。

 

しかし、

「自分しかできない仕事」「自分だからできた(他の人にはできない)仕事」
の存在は組織で仕事をするうえでは、重罪である、と思う。

そして、究極の自慰行為ではないか。

 

「○○さんだから、お願いしました」
「○○さんにお願いしてよかったよ」

と私たちの上司やお客様は言ってくださるが、
こんなものは、ウソなんだと思う。

いや、上司やお客様がウソで言っているという意味ではありません。
心底本心で言ってくださっていると思います。

 

しかし、「ああ、これは私にしかできない仕事なのだ」と
受け取る側が真に受けてはいけないと思うのです。

「ああ、そう言ってもらってありがたいな」「恩返ししよう」と
思いながらも、

「自分がいなくても回る状態」を作るために仕事をする必要がある。
「自分でなくてもだれでも同じ品質でできる状態」を目指す必要がある。
と思うのです。

 

そりゃあ、人間だれしも

「私の介在価値が感じられる仕事をしたい」
「私だからこそできる仕事をしたい」と思います。

そして、それができていると実感すると
幸せになります。それが普通です。人間ですから。

 

私なんかは、新入社員~3年目くらいまで
「自分にしかできない仕事をしたい」欲求が
過剰なくらいに強かったように記憶しています。

自意識過剰な、痛々しい若手でした。
(今も自意識過剰ですが)

 

しかし、ふと宇宙の彼方から地球を見下ろすとき、
「自分にしかできない仕事」など、あろうはずもないという
事実に気付いた気がします。(それともこれは、諦め・妥協なのか?は置いておいて…)

そう思うと「自分がいなくても回る状態を目指して仕事する」
「誰でもできる状態にする」の方が高次元でカッコいいと思うようになりました。

 

自分がいなくなったら、分かる人がいない。
ブラックボックスなので、自分以外の人は何もわからない。
ずっと自分一人で担当していると、新しいアイディアを取り入れにくくなる。

人は、ずっと同じ部署や会社にいるわけではないので、
結果的には、後任の人や、会社全体、何よりもお客様に多大な迷惑をかける。

「自分にしかできない仕事」は組織にとっては危険です。

そもそも、
「自分にしかできない」
「自分だからできた(他の人だったら無理だった)」
「他の人には任せられない」
これはすべて、ある意味、己の驕り・傲慢です。
(一方で、私たちの自尊心を満たし、自己承認感を得るためには必須のものです)

 

自分にしかできないことなど、あるわけがないという前提に立ちながらも
「やっぱり、○○さんに任せてよかったよ」
「これは、○○さんにしかできない、お願いしますよ」

と言ってくださる方々の存在に感謝する。
(ここで、自尊心を満たせるので、モチベーションは保持できる)

感謝はするが、「自分にしかできない」と真に受けず、

「誰でもできる状態」
「自分がいなくなっても回る状態」
を目指してやる。

 

「個人の快楽」に思いっきり振り切って仕事をしている組織人はカッコ悪いし、
「組織の利益」のみに振り切って、自己犠牲している人もカッコ悪いです。

自尊心を満たしながら、組織の全体最適を実現する、
そんな人になりたいものです。

 

まずいラーメン屋

2013年11月19日 (火曜日)

ラーメン大好き吉川です。

先日もお昼、ラーメンを食べました。

以前入った時そこそこの味だったお店の前をちょうど通ったので、
2人ほど並んでいましたが、無性にラーメンが食べたくなって並びました。

席に座ると、厨房では元気なスタッフが楽しそうに働いています。
ラーメンも席に座って数分で出てきました。

でも・・・、残念ながら、とてもまずかったんです。

以前食べたときは全く違っていました。
チェーン店なので、基の味や素材は変わっていないはず。

作り手の問題かな?とキビキビと働いているスタッフの方々をじっと観察してみました。

取り立てて目立ったミスはないのですが、ところどころの作業が雑。
何か流れ作業で、決まった工程をいかに早くやるかに集中しているように感じました。

お客様がたくさん入って人気が出ると、「いかに効率的に作業を回して、どんどん
お客様をさばくか」というコスト削減に集中するのは当たり前。

でもだからこそ「美味しいラーメンをお客様にお届けする」という、
とっても単純だけど、お店本来の価値を見失ってはいけないのだな、と思いました。

神は細部に宿る。
大きな目的や本来の価値を重視していれば、自然と細かなことにも目配り気配りが
できるようになるのかもしれません。

私も「就職と採用のあるべき姿を追い求める」と宣言するなら、
誰よりも学生一人ひとりの就職と企業1社1社の採用に丁寧に向き合わねばならない
なと気づきました。

そんなことを考えながら、今日もまた、おいしいラーメンを探して外回りします。