人事って不思議!
2012年2月9日 (木曜日)
こんにちは、島田です。
歳を取ったおかげで少々のことには動じず、何事も前向きに考えるようになりましたが、学生時代は小心者でした。いや、今も小心者かもしれませんが・・。
ところで、実のところを白状しますと、私は採用業務にほとんど携わったことがありません。
私の仕事領域が管理部門系(もちろん人事を除く)とはいえ、人材採用を支援する会社のスタッフとしては失格かもしれません・・(汗)
面接で採用される側になったのも1回だけ。
新卒のときだけです。
(転職は何回かしているのですが、すべて「人づて」だったので面接はありませんでした)
実は「人事って不思議!」・・と思っています。
☆ ☆ ☆
私が新卒で就職したのは平成4年(1992年)。
今の学生さんには信じられないことでしょうが、当時はバブルの余韻が残る空前絶後の超売り手市場。面接に行けば交通費は支給されましたし、内定を5社以上もらっている学生はザラでした。
私はあまり就職活動に熱心なほうではなく、面接マニュアル本のようなものも読まず、素のままで面接を受けていました。
また、ココと思った会社だけ受け、あっちこっち受けに行ったりもしないタイプでした。
今のご時世なら就職に苦労するタイプの学生だったかもしれません。
それでも時代に恵まれていたこともあり、3社ほど内定をいただいていました。
就職活動もほぼ終わりを迎えたある日、とあるご縁でそれまで全く興味のなかった業界の会社の面接を受ける機会が現れました。
もう何社か内定をもらっていたものの、交通費も出ることだし、見たことのない業界を見てみるのもいいか、という軽い気持ちで面接会場に向かいました。
一次面接は2名合同。
私の隣の学生はとてもハキハキしていて、話す内容も立派。
私の目にもとても優秀な学生に映りました。
一方の私は、面接対策も何もなく、ホントに素のまま。
当初は全く考えていなかった業界だったこともあり、ろくに業界研究もしていませんでした。
面接官の質問に対して、しどろもどろにしか答えられなかった挙句、「最後に何か聞いておきたいことはありませんか?」との問いに、
「・・・特にありません。」
などと、我ながらトホホな返事。
隣の優秀な学生は、私には考えも及ばないような核心に触れた質問をし、面接官も感心して何度も大きく頷いていました。
こ、これでは自分は絶対に受からない・・・と私は確信しました。
やがて面接も終わり、トボトボと会場を出ようとしたそのとき、面接官の私を呼び止める声がしました。
「島田くん、ちょっと待って。二次面接の予定があるから」
私はあまりにも意外な呼びかけに、ここでも間の抜けた返事。
「は。私がですか?」
一緒に面接を受けた優秀な学生は二次面接に進めず、なぜか私はその後の数回の面接を経て採用となりました。
今でもあの優秀な学生が採用されずに私が採用されたことが、私には不思議でならないのです。
私は結局それまでに内定をいただいていた他の会社に断りを入れ、その会社に入社しました。
就職活動の最終局面で面接を開始し、それまでは考えもしなかった業界の会社とご縁があったことも不思議です。
この経験が「人事って不思議!」なのです。
☆ ☆ ☆
ところで先日、パフ主催のイベントでの海老原嗣生さんの講演で、企業は「優秀な学生」を採用するのではなく、「自社に合う学生」を採用するのだ、というお話を伺いました。
そのお話を伺って、あのときの優秀な学生は、たまたまあの会社に「合わなかった」だけで、私はたまたま「合っていた」ということだったのかもしれないと思いました。
いや、単に、優秀な人間ばかり採用したのでは面白くないので、中には不出来な奴も入れておこう、という人事の方の思惑だったのかもしれませんが・・。
人の縁とは本当に不思議なもの。
あの面接官との出会いがなければ、私の人生は全く違ったものになっていたでしょう。
人の人生を左右する人事担当者。
しかし彼らは学生の適性を見抜き、自社に合う人材なのかどうかを判断できるという、私にとってはとても不思議に思える、素晴らしい才能を持っているのです。
やはり、「人事って不思議!」なのです!
次は、前回のブログで私と同い年であることを公表してしまった杉平です!
これまでに頂いたコメント
2件コメントがあります
- くぎさんさん
- 島田さん
おお、くぎさんからコメントを頂戴できるとは!
ありがとうございます。
次回も張り切って書きます!
島田さん、遅ればせながらいま読みました。読み応えありますね。僕も白状すると学生時代はコネ面接を受けたことがあるだけで、就職活動らしきものは一切経験がないのです。当時は(リクルートの媒体営業をしていたので)人事担当者のことを「財布」くらいにしか思っていませんでした。こりゃ喝ですね。