人材要件定義=金太郎飴採用ではない
2014年7月25日 (金曜日)
こんにちは。パフの土田です。
去る7月23日、キャリぷら東京にて、「採用担当者自らが事例発表」する
セミナー『採用コロンブスの卵』が開催されました。
弊社のクライアント3社様に、生々しい事例を発表していただきました。ど
れも「少しの工夫で大きな採用成果」のふれこみに違わない、素晴らしい事
例ばかりでした(私が言うと自画自賛みたいですが…)。
どの会社様のプレゼンもとても素晴らしかったのですが、白眉であったのが、
金融業界A社様の事例です。ここでも簡単にご紹介したいと思います。
2014年卒採用では、内定辞退が相次いでいた同社ですが、2015年卒採用では、
なんと、内定承諾率は28ptも上昇。また、同社は3回選考されていますが、
1次~最終選考の合格率も軒並み上昇したという事例でした。
どのようにして、このような大きな成果が得られたのでしょうか?
——
同社はまず「学生が採用競合と比べて、自社をどのように見ているか」を把握
するところから始められました。同社の競合とはすなわち、メガバンクや地方
銀行です。
次に「学生から(他社と比べて)自社をどう見て欲しいか」「どのようなこと
をしたらそのように見てもらえるか」を研究します。
そのうえで「採用競合と比べた、自社の特徴(自社を選ぶ理由になるもの)」
を徹底的に整理し、そこから「自社にマッチする学生像」を明確に定義しま
した。
会社説明会等の学生接点では、総花的な訴求をやめ、「採用競合と比べた、自
社の特徴(自社を選ぶ理由になるもの)」すなわち「採用競合に勝てるポイン
ト」のみに絞った情報公開を行いました。
そこに響く人は、自社にマッチする層であり、その層の志望度が上がればよい。
逆にミスマッチ層には「自分の就職志向とは合わない」ことを明確に認識して
もらい、セルフスクリーニングを促進するという考え方です。
——
冒頭に少しの工夫、と申しましたが、実に言うは易し、行うは難しです。
もちろんたくさんのご苦労があったと推察しますが、ざっくり簡単に申し上
げるとその要諦はずばり、
・不問要件を明確に決める
・追わない学生像を明確に決める
この2点にあったのではないでしょうか。
すなわち、
【不問要件】
・選考の初期段階から、銀行志望度、金融業界志望度を問う必要はない。
(初期段階から銀行志望の人は結果的に競合に流れやすい)
・選考の初期段階から、業界理解度や銀行業務理解度を問う必要はない
(上記と同様の理由から)
【追わない学生像】
・「採用競合と比べた、自社の特徴(自社を選ぶ理由になるもの)」「採用
競合に勝てるポイント」に共感できない学生は、いかに優秀・高学歴でも
追わない。
ということです。
採用に関わる人事部門はもちろん、面接等に関わる全ての社員がこのような
認識を共有しているだけで、劇的に採用成果は変わるという証左であると思
います。
——
よく「人材要件を定義しましょう」と言うと「ウチは金太郎飴的な採用はし
たくない」というお言葉を頂戴することがあります。
しかし「人材要件定義」=「金太郎飴的な採用」というのは、敢えて申しま
すが、大きな誤解です。
単一事業、単一職種、しかもビジネスモデルが盤石で当分新規事業立ち上げ
の必要性が無いという企業でない限り、金太郎飴的な採用によるメリットは
ありません。
一般的には「全社員に共通に求められるコア要件(ボトム・ワン)」を決め、
他には「持っていればプラス評価をするが、無くても落とさない優秀要件」
を決めるのが良いとされています。
しかし、それも簡単なことではありません。まずは「不問要件・追わない学
生像を明確にする」ところから始められるのがよろしいかと思います。
よく我々は学生に「とりあえず人気企業ばかり受けるのはダメ」「自分に合
った企業像を研究し、地に足の着いた就活を」などと申します。
これはこれで全くその通りなのですが、我々採用する立場も、学生と同じ間
違いを起こしうるということを承知したうえで採用活動を行う必要があるの
ではないかと強く思います。
貴社の「不問要件(現在の選考では評価項目にしてしまっているが、入社後
の活躍度とは相関が薄いもの)」「追わない学生(現在は選考で通してしまっ
ているが、結果的に入社に至らない学生像)」はどんなものでしょうか。
——
なお、本セミナー会場で配布したの資料うち一部分は、セミナーにご参加で
きなかった方にもご提供可能でございます。もしご要望があれば、営業担当
までご連絡いただくか、弊社代表電話までご連絡ください。
┌──────────────
○ < 弊社代表電話
<□> │
|| │TEL:03-3662-8011
└──────────────
無形商材・新卒採用支援事業はどんな価値を提供しているのか?
2014年7月14日 (月曜日)
こんにちは。パフの土田です。
先日、6月30日をもって、パフ18期が終了いたしました。19期を迎えることが
できるのも、お客様のおかげです。いつもありがとうございます。
さて、ドキッとするようなブログ記事を先日見かけました。
営業マンは数字にこだわる 人材ビジネス会社の営業はなぜイマイチなのか?
弊社のセミナーで学生・採用担当者様向けに講演してくださったこともある、
常見陽平さんのブログの記事です。
「人材ビジネス会社の営業マンについてダメだなと感じる12のポイント」をズ
バリ指摘されています。
そもそも私はまだ30にもなっていない若造(でも業界では中堅とベテランの間
くらいとされる)なので、自分に対する指摘だと思って、興味深く記事を拝読
しました。
偉そうなのを承知で敢えて言いますと、確かに自分自身もこの業界に属して
いて、お客様から「ひどい営業マン」の話を聞くことがよくあります。
その人物像と常見さんのご指摘は、かなり合致していると思います。我々パフ
は「ダメな12のポイント」の真逆に行動できるよう精進していかないといけな
いと強く思います。
「求人が回復すると(略)営業マンを増やす。強化ではなく、単なる増加だ」
「売りやすい時期なので、(略)営業が雑な営業をし、評判をひたすら下げる」
というご指摘もありました。
そう。我々の側から見れば、売り手市場になれば、お客様の採用予算は増える。
一つひとつの発注案件へのチェックもゆるくなり、決裁権もレイヤーが下がる。
イベントや広告など、カタチが決まった分かりやすい商品が売れやすくなる。
売れるので、それだけで「よかった」と満足してしまう。
もちろん、売れるのは非常に大事なのだけれども。
ともすれば「確かに結果は出なかったけど、良い学生はたくさん集まった」と
いう風に、手段を目的化して満足しがちになってしまう。
「無形商材・新卒採用支援事業。ぶっちゃけどんな価値を提供しているのか?
あるいは、すべきなのか?」
売り手市場になるからこそ、意識しておく必要があるだろうと感じます。
私も弊社の執行役員・保坂と上記のテーマについて先日話し合ってみました。
その内容を以下にまとめてみました。
読み返してみると、まだまだ抽象的です…本日のブログではとりあえずここまで!
「○○メソッド」とか、一言でわかるネーミングが欲しいところです。
もちろん、我々が考えていることと、お客様のお考えがもしかしたらズレてい
ることもあると思いますので、読者の皆様から忌憚のないご意見をぜひ頂戴し
たいと思っております。
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▼新卒採用活動の目的は、入社してほしい人材が必要な人数入社すること
→上記の目的達成に貢献することが新卒採用支援事業の価値である
▼採用競争力とは
=企業力×採用担当者の力×採用戦略&施策÷採用ターゲットの採用難易度
・(単年で)すぐに改善が可能な要素
―採用戦略&施策
―採用ターゲット
・(単年で)すぐに改善が困難な要素
―企業力
―採用担当者の力
→「(単年で)すぐに改善が可能な要素」の改善に資することが価値である
→また、長期的には「(単年で)すぐに改善が困難な要素」の向上に資する
ことができればより価値が高い。
▼では、新卒採用はなぜ失敗するのか?
・結局、採用活動の失敗原因は以下に集約される。
→自社の採用ターゲットの採用難易度(相場観1)と企業力・採用担当者の力(相場観2)を見誤って採用戦略&施策が決定されている
つまり、以下のA~Cに整合性が無く、ズレている、もしくは
ねじれていると採用は失敗する。
―A.相場観1 =ターゲット学生はどんな企業を選ぶのか
―B.相場観2 =自社・自社社員は学生にどう見られているか
―C.採用戦略&施策 =ターゲットがどうしたら納得して入社を決めるか
▼というわけで、新卒採用の普遍的なキモは以下になる。
①ターゲティング = 自社に入ってほしい人(人材要件)を決める
②ポジショニング = 相場観1・2を的確に把握する
③マーケティング = 学生が納得して自社に入るまでのプロセスデザイン
→つまり、上記A~Cのズレを是正し、上記①~③の整合性を高めることが
価値になる。
→我々パフが呼ぶところの「自社らしい採用」というのは、上記①~③の整
合性が高い状態のことをいう。
▼では、どのようにすれば①~③の整合性が高まり、採用競争力が高まるか。
I.既存の人材要件を見直し、不問要件を作る
(=採用ターゲットのパイを増やし、難易度を下げる)
Ⅱ.非ターゲットのセルフスクリーニングを促進する(採用戦略&施策)
Ⅲ.ターゲット学生に入社するメリットを提示する(採用戦略&施策)
→上記Ⅰ~Ⅲに貢献することが価値になる。
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▼それで、結局パフの特徴は何なのか?
―深い顧客との関係=深い顧客理解
→お客様企業の企業力・採用担当者の力の相場観を
客観的・相対的に把握できる
―深い学生との関係=深い学生理解
下記のA~Cを正確にとらえたうえで、お客様企業のターゲット学生像
を提案し、学生の視座に立って採用戦略&施策を提案できる。
→A.ターゲット学生はどんな企業を選ぶか
→B.自社・自社社員は学生にどう見られているか
→C.ターゲットがどうしたら納得して入社を決めるか
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