パフスタッフが綴る何気ない日常。日々感謝をこめて。「パフ・ザ・マジックドラゴン 執務室」

 こんにちは。パフの土田です。

 去る7月23日、キャリぷら東京にて、「採用担当者自らが事例発表」する
 セミナー『採用コロンブスの卵』が開催されました。

 弊社のクライアント3社様に、生々しい事例を発表していただきました。ど
 れも「少しの工夫で大きな採用成果」のふれこみに違わない、素晴らしい事
 例ばかりでした(私が言うと自画自賛みたいですが…)。

 どの会社様のプレゼンもとても素晴らしかったのですが、白眉であったのが、
 金融業界A社様の事例です。ここでも簡単にご紹介したいと思います。

 2014年卒採用では、内定辞退が相次いでいた同社ですが、2015年卒採用では、
 なんと、内定承諾率は28ptも上昇。また、同社は3回選考されていますが、
 1次~最終選考の合格率も軒並み上昇したという事例でした。

 どのようにして、このような大きな成果が得られたのでしょうか?

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 同社はまず「学生が採用競合と比べて、自社をどのように見ているか」を把握
 するところから始められました。同社の競合とはすなわち、メガバンクや地方
 銀行です。

 次に「学生から(他社と比べて)自社をどう見て欲しいか」「どのようなこと
 をしたらそのように見てもらえるか」を研究します。

 そのうえで「採用競合と比べた、自社の特徴(自社を選ぶ理由になるもの)」
 を徹底的に整理し、そこから「自社にマッチする学生像」を明確に定義しま
 した。
 
 会社説明会等の学生接点では、総花的な訴求をやめ、「採用競合と比べた、自
 社の特徴(自社を選ぶ理由になるもの)」すなわち「採用競合に勝てるポイン
 ト」のみに絞った情報公開を行いました。

 そこに響く人は、自社にマッチする層であり、その層の志望度が上がればよい。
 逆にミスマッチ層には「自分の就職志向とは合わない」ことを明確に認識して
 もらい、セルフスクリーニングを促進するという考え方です。

——

 冒頭に少しの工夫、と申しましたが、実に言うは易し、行うは難しです。
 
 もちろんたくさんのご苦労があったと推察しますが、ざっくり簡単に申し上
 げるとその要諦はずばり、

 ・不問要件を明確に決める
 ・追わない学生像を明確に決める

 この2点にあったのではないでしょうか。
 
 すなわち、
 
 【不問要件】
 ・選考の初期段階から、銀行志望度、金融業界志望度を問う必要はない。
  (初期段階から銀行志望の人は結果的に競合に流れやすい)
 ・選考の初期段階から、業界理解度や銀行業務理解度を問う必要はない
  (上記と同様の理由から)

 【追わない学生像】
 ・「採用競合と比べた、自社の特徴(自社を選ぶ理由になるもの)」「採用
  競合に勝てるポイント」に共感できない学生は、いかに優秀・高学歴でも
  追わない。

 ということです。

 採用に関わる人事部門はもちろん、面接等に関わる全ての社員がこのような
 認識を共有しているだけで、劇的に採用成果は変わるという証左であると思
 います。

——
 
 よく「人材要件を定義しましょう」と言うと「ウチは金太郎飴的な採用はし
 たくない」というお言葉を頂戴することがあります。

 しかし「人材要件定義」=「金太郎飴的な採用」というのは、敢えて申しま
 すが、大きな誤解です。

 単一事業、単一職種、しかもビジネスモデルが盤石で当分新規事業立ち上げ
 の必要性が無いという企業でない限り、金太郎飴的な採用によるメリットは
 ありません。

 一般的には「全社員に共通に求められるコア要件(ボトム・ワン)」を決め、
 他には「持っていればプラス評価をするが、無くても落とさない優秀要件」
 を決めるのが良いとされています。

 しかし、それも簡単なことではありません。まずは「不問要件・追わない学
 生像を明確にする」ところから始められるのがよろしいかと思います。

 よく我々は学生に「とりあえず人気企業ばかり受けるのはダメ」「自分に合
 った企業像を研究し、地に足の着いた就活を」などと申します。

 これはこれで全くその通りなのですが、我々採用する立場も、学生と同じ間
 違いを起こしうるということを承知したうえで採用活動を行う必要があるの
 ではないかと強く思います。

 貴社の「不問要件(現在の選考では評価項目にしてしまっているが、入社後
 の活躍度とは相関が薄いもの)」「追わない学生(現在は選考で通してしまっ
 ているが、結果的に入社に至らない学生像)」はどんなものでしょうか。

——

 なお、本セミナー会場で配布したの資料うち一部分は、セミナーにご参加で
 きなかった方にもご提供可能でございます。もしご要望があれば、営業担当
 までご連絡いただくか、弊社代表電話までご連絡ください。

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  ○ < 弊社代表電話
 <□> │                             
  ||  │TEL:03-3662-8011                    
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