企業文化は、基本行動から生まれる
2014年1月29日 (水曜日)
最近すっかりブログ執筆を怠っていたヨシカワです。
昨日、社内の営業チームのメンバーで
「もっと会社の一体感を高めるためにチームの行動指針を作ろう!」
という議論を行いました。
「気持ちよく働けて、お互いを高めあえる理想の職場」にするために
各自ができていないことや周りを見ていて気になっていることを
正直に伝えあうところから始めました。
さまざまな意見がでましたが、最終的に「何をしていくか」を決めていく
段階になって出てきた意見は、以下のようなことです。
■あいさつは大きな声で。語尾をはっきりと言おう!
■来客があった際は、全員、立って挨拶をしよう!
■話かけられたら、相手に顔と体を向けて対応しよう!
■電話はすぐとる。2コール以上相手を待たせるのは社会人失格!
■各自の日報は、必ず閲覧!
■オフィス内での不平不満愚痴は厳禁!
結局、新入社員、いや小学生でも守ろうといわれる基本行動を実践することが大切だという結論に至りました。
自分を成長させてくれる職場
自分が活躍できる職場
楽しく働ける職場
そんな場は、どこかに用意されているわけではない。
そのような職場にしようと常に意識して努力している社員がそこにいるだけなんだ。
そんな当たり前のことに気付けた瞬間でした。
今週職サークルで実施したイベントで、私の尊敬する人事担当者さんがこんなメッセージを学生さんたちに発信していました。
「二流は、やりがいを外に求める。
一流は、やりがいを内に求める。
超一流は、やりがいを周りに与えることができる」
理想の職場で働きたいのなら、それを相手に求めるのではなく、
自分が理想の職場をつくる覚悟をもつ。
そのために当たり前のことを当たり前のように実践する。
いつでもどんな方がいらしても変わらない、気持ちいい職場を目指して。
基本行動から実践しようと思いました。
あ。もし今後、パフ/マジックドラゴンの職場に立ち寄られる方がいらっしゃったら、
上のようなことが実践できているか、ぜひ確認してください!
抜き打ち調査、大歓迎です。
「合説」はオワコン化したのか?
2014年1月27日 (月曜日)
こんにちは。マジックドラゴンの土田です。
先日、あるお客様が参加される合同企業説明会=合説を見学してきました。私
自身、なかなか合説の会場に足を運ぶことがないので、楽しみな気持ちで会場
に向かったのですが、何かがおかしい。
会場に学生がいないのです。
昨年比、3分の1程度の動員だったそうです。懸命に呼び込みをしても、ブー
スに座ったのはたった10名でした。
同様の情報を、他のお客様からも聞きます。
「大手ナビの合説に出たが、会場にそもそも学生がいない。終了時間の1時間
前には、学生がほとんど帰ってしまい、早めに店じまい」
「学内合説、79社企業がいるのに学生が80名程度しか来なかった」
BtoBの企業や、中堅中小企業、大手でも学生が敬遠しがちな業界の企業な
どでは「ブースに人が座らない」ということもままあるということは理解して
いたつもりです。
でも「そもそも会場に学生が来ない」というのは、リーマンショック後の採用
活動では考えにくかったことです。「採用活動は水物」と言うことを思い知ら
されます。
では、学生はどこにか消えてしまったのでしょうか?
2015卒採用戦線では、大手人気企業が12月中盤からひっきりなしにプレセミナ
ーを開催。「景気回復している」と聞き「見せかけの売り手市場」を信じて疑
わない学生たちは、例年以上に大手人気企業への集中傾向を見せています。
「そもそも会場に学生が来ない」合同説明会。来年以降、企業は費用投下に慎
重にならざるを得ないでしょう。
—–
一方で学生に話を聞くと、
「合説に言っても、知っている企業は人であふれかえっているし、知らない企
業はどこに行っていいかわからない」
「くたくたに疲れるだけで、何も得られない」
と言う答えが返ってきます。(勿論、上手に活用している学生はいます)
じゃあ、一体合説によって誰がハッピーになっているのだろうか…?
このままでは、完全に合説は「オワコン化」します。
—–
そうはいっても「企業と学生の出会いの場」という、元来合説が期待されてい
た本質的なニーズと言うのは、無くならないと思います。
では、就職情報会社は、どのような合説を生み出すべきなのでしょうか。また
採用担当の皆様におかれましては、どんな合説に費用を投下すべきなのでしょ
うか。
少し考えてみました。
①会場の学生全員に、存在を認知されることが確約されているもの
例)
→ブース形式だが、冒頭にすべての会社が1分程度で全学生の前で自社紹介
する時間がある
→小規模の会場で、来場したすべての学生と座談会を行える
②人気企業やプレゼントなどのエサ目的で学生を動員するのではなく、
イベントコンテンツそのものが学生に役に立つものになっているもの
例)
→模擬面接や模擬グループディスカッションを行い、学生が人事にフィード
バックを行う形式
→企業紹介だけが前面に出ておらず、学生が気軽に企業に質問・就活相談で
きる形式
③一回接点を作って終わりでなく、継続的な接点がもてるもの
例)
→数回のシリーズ制になっており、同じ学生と複数回会える
→イベントで会った学生と、定期的に交流する「場」が設けられている
④学生が出会った企業に「応募しやすくする仕組み」があるもの
→主催者側からイベント後に、学生に手厚く応募促進を行っている
→イベント前、または当日に、学生が主体的に企業を比較できるようなサポ
ートを主催者側が行っている
—–
一言でいうと
『学生のためになる内容か』『学生が主体的に知らない企業とも接点を持とう』
という設計になっているか、がカギではないでしょうか。
主催者が効率よく金儲けをするための設計はもちろん、とにかく効率よく自社
の売り込みをしたいという企業都合が全面に出た「学生の視座が欠如した合説」
は、結果的には採用に繋がりにくいと考えます。
2016卒採用では間違いなく「ナビオープン前に学生に接触しましょう」と就職
情報会社がしたり顔で合説を提案してくることでしょう。浮足立って、煽られ
ないようにしたいものです。
我々が「学生視座に立脚し設計された合説」を生みだし、チョイスすれば、学
生にとっても良い合説のみが生き残ります。学生に徒労感を感じさせ、採用に
もつながらない合説が淘汰され、結果的に我々の採用もうまくいく、というサ
イクルが生み出されることを切に願います。
村井満さんJリーグチェアマン就任おめでとうございます
2014年1月15日 (水曜日)
元リクルート執行役員で、弊社がとてもお世話になっている
村井満さんがJリーグチェアマン就任予定と各種報道機関が報じています。
私がお会いしたことがあるのは本当に数える程度ですが、思い出深いのは
1.内定者の時にリクルートエージェント(当時村井さんは同社社長だった)に
表敬訪問させていただいたこと。
当時私は今以上にあほだったので、リクルートエージェントが何やっている会社とか
業界内ではすごい会社だとかいうことも知りませんでした。
大企業の社長と言うイメージとはかけ離れた、等身大・自然体の姿が印象的でした。
2.職サークルでかつて実施した「ニッポンの若者に会わせたい一流の社会人」に参加
いただいたとき、イベントの運営について暖かいご指摘をいただいたこと。
3.不躾にも「香港に行くので知り合いを紹介してほしい」とfacebookでメッセージを送ったら
(私の帰国後)「ゴメンなあ、メッセージ見てなくて、今気づいたんだよ。今釘崎と飲んでるから来ないか?」
と電話をいただいたこと。
私も50を超えても20代の若人とフラットに話せるようにありたいものです。
(決して尊大な裸の王様みたいになっていませんように…)
facebookを見ると、村井さんのJリーグチェアマン就任にびっくり!おめでとうございます。
と言うつぶやきをたくさんの人が上げていて、本当に人望のある村井さんはすごいなあと。
自分はJリーグチェアマンになることもないかもしれませんが、
なったとしてもここまで多くの方に祝福されないだろうなと。
普段お会いする際の村井さんがあまりにも気さく過ぎて、
いきなり新聞でお名前を拝見すると失礼ながら
「え?やっぱりそんなすごい方なの?」と驚いてしまいました。
それだけ、息子くらいの年のはなたれ小僧の私にも偉そうにせず、
フラットに話してくださる村井さんの懐の深さにただただ尊敬です。
2014年初に、2016年卒の採用を考える
2014年1月10日 (金曜日)
明けましておめでとうございます。マジックドラゴンの土田です。
2014年は、直近に迫った2015卒採用もさることながら、2016年卒採用の「採用
活動時期変更」にどう対応するか、と言うことが大きなテーマになる年ととら
えています。
かく言う当社も「2016年卒向けのサービスはどうしようか」と、文字通り暗中
模索しているところであります。
そこで、採用活動時期変更が起こるとどうなるのか、と言うことを冷静になっ
て整理してみました。
ここでは、話を分かりやすくするために新卒採用市場に参加している企業を、
「学生が就職活動前から社名を知っているか否か(消費者知名度の高さ)」
「『経団連の指針』に従って選考活動をするか否か(経団連加盟企業か否か)」
という2つの軸に分けてプロットしてみたいと思います。
①「消費者知名度高」×「経団連加盟」
②「消費者知名度高」×「経団連非加盟」
③「消費者知名度低」×「経団連加盟」
④「消費者知名度低」×「経団連非加盟」
——
①「消費者知名度高」×「経団連加盟」
このグループは正直、時期が変わっても応募者集めに困ることはないと思いま
す。しかし「まだ自社や自業界を志向していないが、優秀な人材」の確保はよ
り難しくなるのではないでしょうか。特定の「ターゲット層学生」には、就職
ナビ解禁の前にあの手この手で接触しておく必要がありそうです。
また、接触するだけでなく「就職先として認知してもらう」ところにも、もう
一つハードルがありそうです。肌感覚でしかありませんが、本当に能力の高い
学生は「今人気の企業・すでに大きくなった企業に入っても、下積みが長いだ
けで、自分の成長につながらない」と冷静な見方をしています。
製造業などでも地域・職種限定職などを設け、入社時から「リーダー候補」と
「プレイヤー候補」を分ける動きもありますが、そのように「優秀な人材は
『本当に』年齢に関係なく抜擢しリーダーとして育成する」という証拠を見せ
られない企業は、応募者はたくさん集まるがコア人材獲得に苦戦、ということ
になるのではないでしょうか。
リーダー候補人材を採用したいという意思表明だけでなく、リーダー候補とな
るような学生が自社を選ぶ理由・メリットをつくり、提示することが重要にな
ってきます。
——
②「消費者知名度高」×「経団連非加盟」
外資系企業やメガベンチャー等がこれに当たりますが、このグループもさほど
応募集めには苦労しないと思います。経団連企業より先に選考を始め、クロー
ジングする。内定承諾したらインターン勤務や内定者研修などで拘束し「就職
活動を続けるより、ここのインターンや研修を受けるほうがメリットがある」
「別に大手有名企業の選考が始まるまで就活を続ける必要はない」と学生に思
ってもらうことがカギになると思います。
また、ターゲット学生に「会いに行く」、ターゲット学生が「入る理由」をつくり
提示することが不可欠、という点は①と共通です。
——
③「消費者知名度低」×「経団連加盟」
BtoB上場企業など、学生には知られていない大手企業がここに属します。
このグループは、まずは学生に存在認知してもらうための機会確保が至上命題
になると思います。学校や学生団体とのパイプを構築し、就職情報会社に頼ら
ない学生接点をいかに作るか、と言うことがカギになります。
もともと企業としては大きいので、存在を認知してもらった後は「BtoBな
らではの醍醐味」を伝えて行くことが課題といえそうです。
——
④「消費者知名度低」×「経団連非加盟」
学生に知られおらず、かつ規模も中堅中小(一部創業一族が経営者の大企業非
上場会社もあるかもしれませんが)が中心となるこのグループが最も「応募者
集め」および「内定者クロージング」に苦戦しそうです。
おすすめなのは、2段構えの採用です。「1段目」は、就職情報会社に頼らず
学生接触できるパイプを作っておき、人気企業の選考が始まる前(7月末)に
内定を出すようなスケジュール。「2段目」は大企業選考がひと段落した9月、
10月あたりから選考を行うスケジュール。「1段目」は内定辞退も覚悟の上
で優秀層を「口説き、入れる」選考フロー。「2段目」は確実に必要な人材を
必要な数だけ調達するためのフローです。
——
ざっくりと書いてみましたが、結局どのグループの企業でも
A.就職ナビオープン前に、ターゲット学生にいかに接触するか
B.8月以降に予想される他社との内定バッティングにどう対応し、確実に内
定者をクロージングするか
が争点になると思います。
また、A.に関しては「就職情報会社を頼らない独自チャネル」の構築が採用
の成否を大きく分けそうです。
ナビのオープンは3月になるとはいえ、就職情報会社がナビオープン前に学生
と接触できるイベント等のサービスを用意するであろうことは容易に想像がつ
きます。
そして、就職情報会社に煽られた多数の企業がそれらのサービスに大挙して参
加することになれば、結局一部の人気企業以外は埋もれることになるでしょう。
文系理系問わず「OB/OGの教授との関係構築」「出身社員がいる部活/サ
ークル/学生団体との関係構築」「文化祭等の学校行事への協賛をきっかけに、
ターゲット校の学生と関係構築」「産学共同活動を通した学生との関係構築」
などが「就職情報会社を頼らない独自チャネル」と言えそうです。
また、上記のような活動が個社で難しいような「採用担当数者が少ない企業」
は、複数社合同で上記のようなパイプ作りを行うことも求められます。採用担
当者同士の横のつながりが大きな意味を持ってくると思います。
例えば、複数の会社が合同でキャリアセンターに「模擬面接講座をやりたい」
と売り込みに行ったり、合同で学生団体にアプローチしたり、などです。
昨今、ソーシャルメディア等の発達もあり、個別の企業同士や、企業と学生団
体が就職情報会社を介さずとも接点を持ちやすくなってきました。「就職情報
会社を頼らない独自チャネル」を築くのは比較的容易になっていると言えます。
(採用facebookページを作ればよいという意味ではなく、異なる企業の採用担
当同士が繋がったり、企業の採用担当者が学生団体にコンタクトを取りやすく
なったという意味です)
特に、放っておいても学生が集まってくるという企業以外では、採用担当が
「営業」として、学生とのチャネルづくりに注力し、なるべく「実作業」はア
ウトソースする、という流れが今以上に加速するのではないかと感じています。
弊社でもアウトソーシング事業を10年以上にわたって行ってきましたが、比
較的規模の大きい会社様から「請け負う業務の範囲」が広がってきていると強
く感じます。具体的には説明会の運営や面接会場での学生案内など、以前なら
それなりの規模の会社様であればアウトソースなど考えにくかった業務です。
——-
B.に関しては、一人ひとりの内定者の「意思決定基準」を細やかに把握し、
丁寧にクロージングする、この一言に尽きると思います。例え数十人、数百人
の採用規模でも「1対1」のクロージング場面をどれだけ作れるか?がカギに
なると思います。
そのためには、採用担当者は「実作業」に追われることなく、いつでも学生に
「クロージング訪問」できる体制を作ることが必須になります。
「採用担当者のコア業務」はより実作業から、対学生の「ジャッジ」「口説き」、
対社内の「調整」にウェイトがシフトしていくのではないでしょうか。
——-
また、矛盾するようですが「時期が変わったからといって本質的なことはあまり
変わらない」という視点も非常に重要になると思います。こういった変革期に浮
足立ってしまい、就職会社の言うがままの施策を実行し、これまでの「自社らし
い採用」が損なわれ、失敗したというケースを多く見てきました。
ターゲットの学生に就職先として認知してもらうことはどんな時代でも難しいで
すし、ターゲット学生を魅力付けし内定クロージングすることは、就活が何月か
ら始まろうが難しいものです。
時期変更とともに変えるべきもの、変える必要のないものを我々採用担当が整理
し、心得ておくというということが極めて大切です。