送信ボタンの向こう側
2017年5月25日 (木曜日)
新人のカカ(石上)に、これまで何も考えずにやっていた作業に対して「これは、なんでやってはるんですか」と純粋な質問をされる日々。
各仕事の意義・意味を再確認しながら、毎日気づきをたくさんもらっている吉川です。
パフでは、社員が名刺交換をした方に「パフ通信」というメールマガジンを月2回配信しています。
その数、およそ9,000人。
このブログは、自らパフのことを知ろうとアクセスしてくださっている方々にご覧いただいているものですが、メルマガは違います。
「別に送ってなんて頼んでないよ!」って方にも、有無を言わさず送りつけている代物です。
私は4月からこのメルマガ執筆を担当することになりました。
2週に1回、胃を痛めながら文章を書いて、はや2ヶ月が経ちました。
私は元来マジメな性格で(本当ですっ!)、普通に文章を書くと、馬鹿マジメで非常につまらない文章になりがちです。
そこで、昨日送付したメルマガは、少しパンチを効かせようと、以下のような文章で、書き始めました。
▼メルマガ抜粋
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いつもメルマガを読んでくださり、ありがとうございます。パフの吉川です。
皆さん。
突然ですが、質問です。
「カレー味のうんこと、うんこ味のカレー、食べるならどっち?」
冒頭から不適切な発言、申し訳ございません。
子供の頃、誰しも1回は聞かれたことのある「究極の選択」ってやつです。
先日、採用担当者のお客様と「最近の就職活動生って、コレと同じような
質問をしてくる」という話題で盛り上がりました。
“仕事とプライベート、どっちを大切にすべきか”
“自分のやりたいことと、会社の命令、どうやって折り合いをつけるか”
なぜか「答えは、どちらかしか選べない」と思い込んだ質問ばかり。
「世の中には、カレー味のカレーがあるんだよ!
なぜそれを求めようと思えないのか。可能性がある若者には、始めから
諦めずに『どっちも』と思ってほしいよね」と。
確かにビジネスの世界で活躍されている方は必ず、矛盾するものを更に高い
次元で統一する「アウフヘーベン」の視点をもっています。
若者に「どっちも」と思わせるためには、我々身近な社会人がまず、
「どっちも!」と欲張って、最善の道を追求している背中を見せるべきなの
かな、と思いました。
それでは、お昼にカレーを食べたくなる方が増えることを期待して…、
今号のメルマガもスタートです。
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今回のメルマガの配信するボタンを押す直前、
「これって、放送禁止用語だよな」とか「食事中に読んだら、メルマガ配信希望を思わず送付したくなるよな」とか一人で悶々と結構な時間、悩んでいました。
「全員に好かれよう」と思うと、本当に好かれたい人から好かれない。時には伝えたいことをストレートに伝えることも必要!と思う反面、
もっと適切な表現はあったんじゃないか、それを熟考すべきではなかったか、
配信された後も、むにゃむにゃ煮え切らずにいました。
そうむにゃむにゃしていたら、ふと先日のお客様との会話を思い出しました。
その方は、採用管理システムを一切導入していないため、学生への合否案内は、ご自身のEメールソフトから、1件1件送付しているとのこと。
「不合格通知の送信ボタンを押すとき、本当に勇気がいる。
すごく優秀な学生でも自社に合わないために落とさなければならない人はなおさら。
それまでのいろんな会話や出会った時のシーンを思い出しちゃってね」
一人一人のことを思い浮かべながら、不合格通知を送るなんて、たいへんな苦悩だなと同情すると同時に
一斉に不合格通知を配信している会社の担当者様も、本来こういう苦悩をもつべきなんじゃないかな、とも思いました。
どうしても採用管理システムを使っていると、不合格通知「1通」を「100人」に配信している感覚になってしまいます。
でも本当は、たった「一人」への不合格通知を「100回」送付している感覚の方が正しいはずなのです。
9,000人に送付しているメルマガ。
採用担当をされている方だけでなく、教育や人事全般のお仕事をされている方、事業現場や役職者・経営者の方も読んでいます。
それぞれの方に気づきを提供しつつ、パフを好きになってもらうメルマガになっているか。
もんもんと悩んでいる自分に嫌気がさしていましたが、9,000人分のことを考えているんだから、仕方ないことかもな、と逆に開き直ることができました。
「送信ボタン」の向こう側に誰がいるのか。
決して独りよがりにならずに、たくさんの矢印を自分に向けて、それでも書きたいことを有機をもって書く。
そんな覚悟をもたなければと思った次第です。
明日は、毎日、数百人に合否連絡をしているホサカです。