パフスタッフが綴る何気ない日常。日々感謝をこめて。「パフ・ザ・マジックドラゴン 執務室」

進化する技術と退化する能力

2008年9月5日 (金曜日)

こんにちは! 社長室の杉平です。

9月に入ったある日、
普段は内勤のわたしが珍しく社外でのアポイントで秋葉原へ。

慌てて会社を出たのでうっかり行き先の地図を印刷せずに行ってしまったのですが
それなら、と、携帯でパパッと社名から検索して地図を表示し、
迷うこともなく無事到着。

いやー、ほんと便利な世の中であります。
それはもちろん有難いことなのだけど、でも、その反面、時々不安にもなります。

携帯の普及で親しい人の連絡先すら暗記していない、とか
PCを使うことで漢字が書けなくなる、とか、小さな日常的なことも含めて、
「人間は便利になるほど退化する」 という側面があるのですよね。

私が以前、旅行会社で添乗員をしていた頃の話ですが、
まだ駆け出しの頃は携帯電話が普及していなかったので、以下のようなことを
するのは当たり前の時代でした。

 ・立ち寄る場所それぞれに公衆電話があるかないか予め調べておく。
 ・電話をかけるためのカードや小銭を準備しておく。
 ・どの場所で、どこへどんな電話をするべきか、そのためには前もって
  何を確認しておかなければならないかを考える。
 ・現地でなるべく電話をしなくて済むように、現地で知りたくなりそうな
  ことはなにかをシュミレーションして事前によく調べておく。

添乗員たる者、1手先を読むなんて当たり前。
“プロ添” (経験豊富なプロフェッショナルな添乗員のことを言います) なら
少なくても2手、3手先はあらかじめ押さえておくものでした。

ところが携帯電話が普及し、わからないことや困ったことが発生したときは、
いつでもどこでも電話をして聞くことができる時代になって。
その頃から、時々、
「山奥に入ったら電波が通じなくて連絡ができず、行程に支障がでました」
なんていう報告をする新人添乗員が出てきて、
私を含む古株の添乗員は 「どうしてそんなこともシュミレーションできないの!」
なーんて、よくぼやいていました。

便利になった分、危機管理能力が薄れてしまう。よくあることです。
進化を続ける技術の恩恵に感謝をしつつ、
もともと持っているはずの 「人間の能力」 を退化させないようにしたいものです。

いま、もし大停電になったら?!
たまにはちょっと考えてみませんか?